「なにもかもを手にするわけにはいかないんだよな。なにかを諦めて守りたいもの、成し遂げたいものを選ぶしかない……」
北嶺の民セルクの言葉。
魔物があふれだしてくるのは阻止せねばならない。
しかし魔界の蓋を閉じてしまえば、恩寵も喪われ、それが力の源である皇帝は死に、鳥も飛べなくなるかも知れず、皇帝の力を分け与えられた皇女も犠牲となろう。
皇帝は君主は神と人とを繋げる巫覡であり、贄なのだが、叶うことなら蓋を閉じずになんとかしろという無茶ぶりをされるのがヤエトであった……。
史上最弱ヒーローの物語。
壮大な人と神と魔物の物語なのに、この枚数で収まっているのは、主人公が病弱な文官で、派手な戦闘シーンになる前に昏倒して意識が回復するまでにはあらかた話が終わっているから……というのは、この最終巻も変わらず。
ただ、せっかく掲載されている人物紹介が素っ気なさ過ぎるのは不満。「第二王子……皇帝の息子」「第三王子……皇帝の息子」「第六王子……皇帝の息子」とかさ、王子はたいてい皇帝の息子だよ! せっかくイラスト付なのに、前巻から間の開いた記憶を掘り起こす助けになりません。人物紹介なしで分かるキャラしか分からないよ。
話は面白かった。こんなへろへろ主人公の英雄譚は読んだことなかったよ。
ストーリー的にはいろいろ切り捨てて、すべて決着しなかったのが残念といえば残念、想像の余地があってよろしいといえばそんな感じでの、大団円というには少し何か歯にはさまるというか、続編希望の終わり方。
まずは翼が帰って幕。第二王子とか第三王子とか、あれで良いのか?と思いつつも、幻狼から追い続けてきた読者としては「めでたい」で締めましょう。
【翼の帰る処5(下)】【時の階梯】【妹尾ゆふ子】【ことき】【幻冬舎コミックス】
北嶺の民セルクの言葉。
魔物があふれだしてくるのは阻止せねばならない。
しかし魔界の蓋を閉じてしまえば、恩寵も喪われ、それが力の源である皇帝は死に、鳥も飛べなくなるかも知れず、皇帝の力を分け与えられた皇女も犠牲となろう。
皇帝は君主は神と人とを繋げる巫覡であり、贄なのだが、叶うことなら蓋を閉じずになんとかしろという無茶ぶりをされるのがヤエトであった……。
史上最弱ヒーローの物語。
壮大な人と神と魔物の物語なのに、この枚数で収まっているのは、主人公が病弱な文官で、派手な戦闘シーンになる前に昏倒して意識が回復するまでにはあらかた話が終わっているから……というのは、この最終巻も変わらず。
ただ、せっかく掲載されている人物紹介が素っ気なさ過ぎるのは不満。「第二王子……皇帝の息子」「第三王子……皇帝の息子」「第六王子……皇帝の息子」とかさ、王子はたいてい皇帝の息子だよ! せっかくイラスト付なのに、前巻から間の開いた記憶を掘り起こす助けになりません。人物紹介なしで分かるキャラしか分からないよ。
話は面白かった。こんなへろへろ主人公の英雄譚は読んだことなかったよ。
ストーリー的にはいろいろ切り捨てて、すべて決着しなかったのが残念といえば残念、想像の余地があってよろしいといえばそんな感じでの、大団円というには少し何か歯にはさまるというか、続編希望の終わり方。
まずは翼が帰って幕。第二王子とか第三王子とか、あれで良いのか?と思いつつも、幻狼から追い続けてきた読者としては「めでたい」で締めましょう。
【翼の帰る処5(下)】【時の階梯】【妹尾ゆふ子】【ことき】【幻冬舎コミックス】