「特別な力があるからといって、それを使わなきゃいけないなんて決まりはない。だから……こんなクソみたいな仕事、しなくていいならしない方がいい」
誰かを助けても感謝されることはない。料金が高いだの仕事が遅いだのと文句を言うマスコミやら市民は多いけど、荒野歩はこの仕事を始めてから誰にも感謝されたことも理解されたこともない。
世界に外来異種と呼ばれるモンスターが発生するようになって50年。その駆除はもっぱら民間業者に委託されるようになっている。かつてのネズミやカラス同様、外来異種はどこにでも湧き、たいていはコツさえ知っていれば簡単に駆除できるのだが、中には人間の皮を剥いで入れ替わるやつとか、山のようにデカくて県1つ食いつぶすものさえいるし、放置しておくとコロニー化して人間の住む世界ではなくなってしまうのだ。
荒野はフリーランスの駆除業者。前は駆除会社に勤務していたが、社長が赤字をなんとかするために無理をしたせいで社員のほとんどが死んだからずっと一人で仕事をしていた……。
表紙レイアウトする人が困ってるから、みんなもっとタイトルを短くしようよ!?と言いたくなる表紙です(本当に困ったかどうかは知りません)。
街にモンスターが跋扈するようになった世界で、危険なのがイヤで最下位等級の駆除資格にあえて甘んじていた青年が、予知夢が見えるという女子高生にあったことから大規模な生物災害に巻き込まれていく物語。超人ではない、普通の、ちょっと腹の出始めたおっさんが奮闘する駆除の記録です。簡単な手段で大量一括駆除して一気にレベルアップ!という話ではありません。経験頼りに地道にやっているつもりが、気がつけば想定外の惨事に巻き込まれていきます。
そして、そんなモンスターがそこらに湧くのが日常になっていても、野党とかは無責任な言動を二転三転させる……なんて話は数年前なら「さすがにそこまでは……」とリアリティに欠けそうなものでしたが、コロナ禍を経験した我々にはばっちりです。第一線の現場はストイックに対策に走るけど、野党とかマスコミは思いつきでいい加減なことを言って政府の足を引っ張るのが仕事なのだ。東日本大震災のとき、野党が自民党だったのは幸運だったのだ。少なくとも総理の脱税問題追及とか反対のための反対で震災の後始末の足を引っ張ろうとはしなかったもの。
イラストのtoi8さんは今回も良い仕事してます。かわいい女子高生たちから千差万別なグロいモンスターの数々まで手を抜かずに表現してくれています。
【現代でモンスター駆除業者をやってたら社長が赤字をなんとかするために無理をしたせいで社員のほとんどが死んだからずっと一人で仕事をしてたら凄いことになりました 1】【gulu】【toi8】【エンターブレイン】【ハードサバイバルアクション】【小説家になろう】【女学校】