水樹和佳子(当時は水樹和佳)の名前を知ったのは、1980年の「少年/少女SFマンガ競作大全集」にて。『樹魔』が傑作として再録されていたのですね。
『樹魔』の初出は1979年の「ぶーけ」。がちがちの少女マンガ誌です。まあ、対象年齢はやや高めでした。それが翌年の専門誌で再録され、続編『伝説』も含めて集英社でコミック化され、1996年には創美社から復刻版が、2001年には早川書房からJAで文庫化。一時のブームではない、長く支持される名作です。
巨大な流星群によって壊滅的な打撃を受けた地球が、地球連邦政府を生みだし、少しずつ復興を進めている25世紀。南極で局地的な異常が観測された。温度が上昇し、植物が育ち始めているのだ。
科学者の聖域である<研究都市>から調査に派遣された天才科学者イオ・フレミングは、分析したデータに理解不能な要素を見出し、確認するために南極の地に降り立つ。
そこで彼は、謎の少女ディエンヌに出会うのだが……。
わずか60頁ちょいの短編にぎっしり押し詰められた情報と、それを包み込む登場人物たちの情愛。
瞑想が科学の域にまで達しているという設定からして、ニューサイエンスかと思ったけれど、そうでもないみたい。生命と進化、人類はなぜ宇宙へ進出できないかを解き明かそうとする物語。(2008/12/31)
面白いSFコミックはことごとく少女マンガという時代はありました。
巨大流星群の衝突で地球が大きな被害を受けてから5年後。南極大陸で異常な規模の植物の増殖が観測された。墜落した隕石を中心に、植物が進化しながら広がり始めたのだ。わずか10平方キロで古生マツバランから被子植物へと26億年のプロセスをたどる謎の森林。あらゆる情報を無意識界に詰め込むことで回答を導き出す瞑想のエキスパート、フレミング博士はこの現象の謎に挑むが、その核心として導き出された回答は「人」だった。なぜ「人」なのか。真相を確かめるため、フレミング博士は緑の大陸と化した南極へ向かうが……。
もともとはハイティーン向けの少女誌「ぶーけ」に掲載されたSF中編ですが、僕らがそれを初めて読んだのは東京三世社から刊行されていたSFコミック・アンソロジー『少年少女SFマンガ競作大全集(6)』でのこと。このあたりの作品リストを見ていると一目瞭然なんですが、この当時はSF!といってマンガを集めると、(シュール系を除けば)大半が少女マンガ作家になったんです。たとえば6巻には水樹和佳以外には、竹沢タカ子、竹宮恵子、たらさわみち、花郁悠紀子、山田ミネコ、そして石森章太郎、どおくまん、吾妻ひでお……と。(2007/08/26)
【樹魔】【水樹和佳子】【瞑想】【進化】【思考】【宇宙】
『樹魔』の初出は1979年の「ぶーけ」。がちがちの少女マンガ誌です。まあ、対象年齢はやや高めでした。それが翌年の専門誌で再録され、続編『伝説』も含めて集英社でコミック化され、1996年には創美社から復刻版が、2001年には早川書房からJAで文庫化。一時のブームではない、長く支持される名作です。
巨大な流星群によって壊滅的な打撃を受けた地球が、地球連邦政府を生みだし、少しずつ復興を進めている25世紀。南極で局地的な異常が観測された。温度が上昇し、植物が育ち始めているのだ。
科学者の聖域である<研究都市>から調査に派遣された天才科学者イオ・フレミングは、分析したデータに理解不能な要素を見出し、確認するために南極の地に降り立つ。
そこで彼は、謎の少女ディエンヌに出会うのだが……。
わずか60頁ちょいの短編にぎっしり押し詰められた情報と、それを包み込む登場人物たちの情愛。
瞑想が科学の域にまで達しているという設定からして、ニューサイエンスかと思ったけれど、そうでもないみたい。生命と進化、人類はなぜ宇宙へ進出できないかを解き明かそうとする物語。(2008/12/31)
面白いSFコミックはことごとく少女マンガという時代はありました。
巨大流星群の衝突で地球が大きな被害を受けてから5年後。南極大陸で異常な規模の植物の増殖が観測された。墜落した隕石を中心に、植物が進化しながら広がり始めたのだ。わずか10平方キロで古生マツバランから被子植物へと26億年のプロセスをたどる謎の森林。あらゆる情報を無意識界に詰め込むことで回答を導き出す瞑想のエキスパート、フレミング博士はこの現象の謎に挑むが、その核心として導き出された回答は「人」だった。なぜ「人」なのか。真相を確かめるため、フレミング博士は緑の大陸と化した南極へ向かうが……。
もともとはハイティーン向けの少女誌「ぶーけ」に掲載されたSF中編ですが、僕らがそれを初めて読んだのは東京三世社から刊行されていたSFコミック・アンソロジー『少年少女SFマンガ競作大全集(6)』でのこと。このあたりの作品リストを見ていると一目瞭然なんですが、この当時はSF!といってマンガを集めると、(シュール系を除けば)大半が少女マンガ作家になったんです。たとえば6巻には水樹和佳以外には、竹沢タカ子、竹宮恵子、たらさわみち、花郁悠紀子、山田ミネコ、そして石森章太郎、どおくまん、吾妻ひでお……と。(2007/08/26)
【樹魔】【水樹和佳子】【瞑想】【進化】【思考】【宇宙】