「同級生を彼女にしたら、世界最古の諜報機関に勤務することになりました」 林海

　犬のような嗅覚を持つ高校生、双海真は内気そうな美少女、武藤美岬が気になって仕方がないが、友人は誰も彼も彼女には近づくなと助言する。美岬は中学以来、恐怖のサイコパス女と噂されていて、彼女に近づく男には災厄が降りかかるというのだ。
　しかし、そんな２人が学園祭の実行委員になったことから急接近することになるのだが……。

　クラスメイトと友だちづきあいしようとしたら拉致監禁されてしまった件。
　常人にはない嗅覚を持つ少年が、やはり常人には見えないものを見てしまう少女とつきあうことで、一般人の知らない裏の世界に足を踏み入れてしまう物語。生真面目な高校生男女の青春小説であり、国際的謀略小説でもあるボーイ・ミーツ・ガール。
　２人の異能が、あるときにはユーモアのネタになり、あるときには災難を呼び、またあるときには命を救う鍵になる二面性があって良いんだよね。章によっては、ちょい昔、あるいはかなり昔に話が飛んで、全然関係なさそうな物語が始まるんだけれど、それがちゃんと現代まで続いてくるところも面白いです。

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