付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/17(3)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 で、最後に雑感。
 実行委員会は、無駄なところに力は入れなくても良いと思う。オリジナルの観光ガイドブックを作るくらいなら、観光協会から既存のをもらって代用し、代わりに立て看板の一枚もつくるべし。いったい会場周辺のどこに「日本SF大会」の看板があったのだろうか? まさにアングラ。看板に制限はあるのかもしれないが、周辺には医学会だの恐竜展だのハーレー展だのの看板ポスターが出放題。せめて揃いのTシャツとキャップのスタッフが立っていてもバチはあたるまい(……と2005年に書いてみたが、2年後のワールドコンでもやはり改善の跡は見られなかった。ダメじゃん)。

 「ライトノベルニューウェーブチェック」は、本当に主催者お奨めのライトノベルを普段読まないSFファンに薦める企画だった。ちらと覗いたけれど、日日日への評価が僕と違ったのでパス。というか、どういうスタンスで、どういう人に勧めたいのかもっとはっきりして欲しかったかな。「ライトノベルは大学生が読んでも面白い」というのと「ライトノベルには40過ぎのSF好きのオヤジが読んでも面白いものがある」とでは違うでしょ……。

 「前田建設ファンタジー事業部」。暗いスクリーンに向かってぱしゃぱしゃストロボをたくバカばかり。どうせスクリーンにまで光が届かないから写るは写るだろうけど周囲に迷惑。それに、スクリーンに映るのはインターネットのサイトや本に掲載の内容じゃないか。何枚も撮るくらいならネット見ろ! 本買え!
 今頃そんなマネをするアホがいるなんてSF界はアニメ界に20年遅れているのか?

 質問する参加者、なぜか発言最中から自分の考えにウケているのかヘラヘラ笑っている率高し。聞き苦しいから、せめて自分の言葉を言い終わるまで笑わないで欲しい。ひとりでウケるな。

 「すごい科学」での「ファイナルウォーズ」の評価。「マイ・フェイバリット。ぼくの中ではメガフォースに匹敵する」という言葉に納得。理解できてしまう。確かにお気に入りだが、人には薦められない。正義は勝つ!いつの時代でもだ!!

 今回はコスプレが例年以上に横行。とくにビクトリア調とかビクトリア風のメイドさんが多し。
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『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/17(2)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 その後は「シェアワールドをつくろう」という企画。エルスウェア主催。行ってみたら、前に座っているのは「新城カズマ」と書いた席には柳川さんが座っていましたが、司会席には成田良悟先生が……見物に来て、そのまま引きずり込まれたようです。その後、賀東招二先生とか榊一郎先生とか顔を出し、客席からもアイデアカードががんがん提出され盛り上がっていましたが……こんな光景を前にも見たことがあるような……。
 ポスタルなどでときどきやった1日PBM企画そのままみたいです。ああ、プロがやっても同じになるんだと、別の意味で感動。
 参加者もけっこういたけど、どうもほとんどがPBM経験者という「やっぱり」な状況だったのが残念。せっかくハヤカワから本が出たばかりだし、もっと新城カズマをメインに事前のPRをすれば良かったのに……と残念。なにせ、こちらも20人以上が集まっていたとはいえ、隣部屋の「ライトノベルの包み方」が部屋から人があふれ出す盛況ぶりだったので、ちと悔しいのだ。内容の面白さでは負けていないと思うのだけどなあ……。

 さてさて嫁さんが子供会の反省会で不在になるので夕方には家にいなくてはいけないと、途中で会場を抜け出し、ちらと「前田建設ファンタジー事業部」を覗いて帰宅。花火でにぎわうみなとみらいの雑踏を駆け抜け、4時9分ののぞみに飛び乗り名古屋へ☆ ちょっともったいなかったな……。

 こうやって思うと、参加した企画は皆同じです。どの企画も「たとえどんなにムチャであろうと、観測された現象や事物は事実と受け止め、その上でいちばんもっともらしい結論を探す」というのが目的です。プレイヤーのアクションによって証拠が集まり、半年目にして「世界最後の秘宝は地底空洞世界」と判明した蓬莱学園、幾つもの特撮番組の放映された内容を検証し、辻褄合わせして仮面ライダーもマジレンジャーもジバンもキカイダーも1つの世界に押し込めてしまう「すごい科学」、同じく画面と設定書から橋脚の高さと構造を推測し設計してしまう「前田建設」、そして与えられた8点ほどのイラストからその背景世界を類推し物語を構築していく「シェアワールド」。
 みんな一緒でした。推理小説の探偵みたいなもんですね。そういえば柳川さんのひとことも「世の中に不思議な応石など存在しないのです」だったなあと。

後日談
 たいちょおさんらはまた別のメンツを乗せて名古屋へとんぼ返り。愛★地球博見学なんだそうですが、その日の気温は31度。入場者数は最多の21万人。あ、本当に行ってたら死んでるかも……。
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『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/17(1)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 17日日曜日。
 小田さんと徒歩で横浜中華街へ。昨日と同じ時間に同じ「馬さんの店 龍仙」へ。でも今朝は行列ができています。ま、時間も早いし、他に店もないので並ぶ。でも10分くらい。
 観光客ばかり……と思ったけれど、小田さんの後ろの個室の一団はぼくらのカバンを見て、「あっ、知ってるとこの人だ」と囁いていたらしい。
 で、蒸鶏粥と水餃子とたっぷりのザーサイを食べて会場へ。今度はここのコースを試したいな。

 今日は朝から小ホールで長谷川裕一先生の「スゴイ科学で守ります」。特撮番組のSF設定を勝手にやって、すべて1つの世界観に収めようというもの。まだ終了するまで何が出てくるのか判らないながら、ここ数作でシナリオと構成のレベルがぐんと上がっているよねと仮面ライダーと戦隊物を誉めまくり。ウルトラマンは…………会場に「観てる人?」と聞いて半分以上挙がる手に「うーん、特撮ファンは出来に関係なくウルトラマンは観るのが当然だよな」と。
「マジマジマジ!……の呪文は大人避けのバリア。これを突破した人だけが楽しめる世界」
「前半15分で刑事物のお約束の起承転までやってしまい、なおかつ切りつめたと感じさせなかったデカレンジャー」
「最終回までが序のネクサス」
「あれは科学じゃないから」
……などと話を新作旧作あれこれについて四方山。そしてヒビキは忍者戦隊の系譜ではなく変身忍者の系譜であることを変身パターンから類推。シュリケンジャー=プロトタイプ・ズバットスーツ説も出て盛り上がり、最後はゴジラ全作を分析し、何体のゴジラがいたかを論理的に分析してました。
 ちなみに開始直前に「そこ、空いてますか」と隣の席に来たのはSF作家の山本弘先生。身を乗り出すように最後まで観ていきましたが、話がエーテル宇宙とヒッグス粒子になったときは、すご~く何か言いたそうなのを我慢していた気がしました☆
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『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/16(3)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 そして1日目最後の3コマめは「野田昌宏が語るテレビ裏話」を聞きに行ったのですが、野田さんの隣に座っていたのはノッポさんこと高見映さん。ポンキッキの脚本も最初から最後まで書いていたということで、「ノッポさんに聞こう」という企画になってしまいましたとさ。
 面白かった。最後には話の流れでタップダンスまで披露してくれたんだけど、前から2列目、ちょうど真ん前だったんでかぶりつき! え、写真? そんなもの、撮りゃしませんよ。せっかく目と鼻の先でタップを舞っているというのに小さなファインダーを覗き込むのはバカ者です☆

 その後、柳川さんと坂マスを交えて蓬莱関係者で夕食会。中華街にけっこう詳しいたいちょおの仕切で場所は「東林」。美味しくいただいて会話して満足。でも気がつけばのーてんきくんと「信長オンライン」の話を延々とすることに……って、15周年ということで蓬莱のメンツで集まって、柳川さんと坂マスもいろいろ昔話とかしていた(ようだった)のに、なんでプレイもしていない信長オンラインの話をしていたのかと後になって愕然。一生の不覚。
 その後、黒鬼と小田さんとでホテルに戻り、近くのドトールで次期PBMについてブレーンストーミング。ホテルはアパホテル関内。中華街とパシフィコの中間に春に出来た一泊素泊まりで5800円のシティホテル。お風呂が大浴場(実質は中浴場)で、サウナと6畳ほどの露天風呂がついていて、眺めは全然良くないけど(真上しか見えない)湯温が36度とぬるめでゆったりできて満足。
 最後の贅沢にマッサージを召還。カタコトの日本語をしゃべる中国系の青年。肩をもみながら「ボキボキいってますね」と感想。そうだよ、体中ガタガタなんだよ!!
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「サマー/タイム/トラベラー」 新城カズマ

2007-09-29 | 時間SF・次元・平行宇宙
 いかにも新城カズマらしい作品。傑作とは思ったけれど、SFとしての傑作か、青春小説の傑作か、判断し損ねたけれど、2006年の第37回日本SF大会で星雲賞日本長編部門を獲得したからSFとしても面白いと評価されたんでしょう。

 高校のマラソン大会で、幼なじみの悠有が消えた。3秒だけ。
 ほんのちょっとだけ未来に移動できる少女の力を調べるため、悠有と彼女の仲間の高校生5人組によるプロジェクトが始動した! 周囲の大人からは頭が良いと思われていながら、決して型にはまった優等生ではいられない5人がタイムトラベルの可能性について調べていくうちに……。

 まず、面白い。
 彼女は行ってしまって、彼は行ってしまって、彼女は連れて行かれて、彼は残って、彼は逝ってしまって、彼は往ってしまって、彼女も行ってしまって、めでたしめでたしの話。でも彼は戻ってきたから……。
 この思わせぶりでペダンチックな青春物語が好きになれない人もいるだろうけど、一度は読む価値があると思う。それで「嫌い」とか「つまらん」と思っても仕方がないけど……そう、昔、「とにかく『狐と踊れ』を読みなよ」と薦めていたのと似てるね。でも、単純明快で1本道の話しか読めない人には薦められないかな。ちょっとでも衒学的に思える表現に「こいつ、なにを賢ぶってる!?」と反感を覚える人もダメかな(他人の思索に腹の立つ人)。舞台となる街の、有史前から現代に至るまでの地図が幾つも登場し、ラテン語のフレーズや
「そんな文化相対主義は、ゲーデル教徒としては認めらんないね」
「あら、パリスとハリントンの成果をご存じないの?」
といった会話が耳に心地よいかどうかってところ。
 少なくとも生半可な付け焼き刃では書けない作品です。タイムトラベルに関する小説にもあれこれ言及されますが、その2/3くらいしか知らなかったし、さらにその半分くらいしか読んでないのですね。奥が深いなあ☆
 刊行当時のネットでの感想には「知らない本ばっかり言及されててワカラン」というのがあったらしいけれど、そういう自分がいかに本を読んでいないか言いふらすような文章は書かない方がいいぞ。
 でも作中の「頭のいい高校生」の逸話の幾つかは実話というのには、ちょっと感動していたりする。自分や自分の回りのレベルで物事を判断するなということですね。


「サマー/タイム/トラベラー」★★★★

【マラソン】【監視】【タイムトラベル】【有閑】


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『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/16(2)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 さて企画の1コマめと2コマめは『蓬莱学園の冒険!15周年』企画です。
 蓬莱学園とは1990年に1年かけて開催されたPBMですが、南海の孤島にある巨大学園を舞台にしており、『聖アリス帝国』や『燃えよ!孔雀学園』といった巨大学園物というジャンルを継承して『魔法先生ネギま!』といった作品に引き継ぐキーとなる作品ですし、その一方でリードやガードナーが唱え、バロウズの作品などで結実した地球空洞説に真っ向から挑んだ作品であったりもします(その後、さらに何度かさまざまな媒体でゲーム化されたり、小説化されています)。
 メインゲストは柳川房彦/新城カズマ(蓬莱90グランドマスター/SF作家)、坂東真紅郎(蓬莱S-NETグランドマスター/ゲームクリエイター/作家)、中村博文(エロ漫画家)。もう、15年前の作品なので、みんな忘れていることも多いのですが、それでも互いにあのときはああだった、こうだったと思い出し合いながら回想したり質問に答えていました。
 蓬莱学園の設定を構築したり、ストーリーを展開したりする過程は、自然科学に似ていると柳川マスター。「それまでの理論や設定はどうあれ、現実にそこにあるんだから、それはそれとして認めた上で、もっとも整合性の高い答を見つけるんです」ということで、採用したプレイヤーのアクションやできあがってくる中村さんの挿絵をもとにどのように設定やストーリーが構築されていったか(変化していったか)を語ってくれました。学園に隠された世界最後の秘宝の正体も、候補は3通りあって、いろいろ証拠が集まってきて5回目くらいに地下空洞世界だということが発見されたそうです。
「ぼくの友人は1回目に空洞世界を指摘して否定されているんですが!?」
「だから、その時点では確定していなかったのですから、正解ではありえませんよね」
 当時プレイヤーだった坂東マスターのツッコミを柳川マスターがさらりとかわします。ゴールデンウィークに電話ネットで行われた版画風のイラストも中村さんのもの。この時点でもとくに地下空洞に限定した意味を持つ物ではなかったようです。
「何かわからん指定を受けて描くのは大変でしたぁ」
 いや、本当にイラストの中村さんの影響は大きかったようです。キーアイテムとなった無銘剣についても、それが設定に加わったのは開始直前。中村さんのイラストに剣を持っている女の子が描かれていたから。
「わざわざ大きく描かれているんだから、きっと重要アイテムなんだろうと」
「すんません。女の子の手に、大きくて長いものを握らせたがるのはエロ漫画家の性なんですぅ」
 武装SS(生活指導部)が戦車までもつ武装集団になったのも、中村イラストから。
「いきなり講堂に戦車が乱入するイラストを見た六行マスターが、これだけの兵力を維持するためにはこれだけの兵站が必要である! このSS勢力を抑えるために対抗勢力であるべき軍事研にはこれだけの戦力が必要である!……と瞬く間に山のような設定を書き上げて、小さな島にあるまじき大兵力が登場してしまい」
「すんません。筆が滑ってしまったんですぅ」
 後にパソコン通信やS-NETで物議をかもすことになる洋上の原子力空母についても、
「すんません。筆が滑ってしまったんですぅ」
 司会はちゃんといましたが、90に関してはプレイヤー参加していた坂マスが柳川マスターにツッコミ、柳川マスターがそれをさらりとかわし、中村さんがひたすら謝るという形ができてしまい、ほとんど司会いらず。小説版が止まってしまったのも自分が描けなかったためということで、中村さんは終始謝りまくりでした。
「好きなテーマなんで描きたいという気持ちがいっぱいなのに描けないんです。他の絵は描けるのに、蓬莱だけが描けなくて本当に苦しかったです。すいません。別にケンカしたとか描きたくないとかじゃないんです。好きなんです。でもあのときは本当に描けなくなっていて……」
 地球空洞説についてもいろいろ話が出ましたが、「空洞世界が成立することを説明するのに斥力を利用したのは蓬莱が初めてじゃないのかな。他はそこのところを誤魔化したりあきらかに無理な理屈をつけたりしてるから」とのこと。そういう意味でも特筆すべき作品です。
 最後に「みんなもっと情報の裏をとるようにしましょうね」という言葉あたりで前半の締め。別の角度からの回想は、10周年記念のときの記事をどうぞ。

 後半は蓬莱学園の大きな転機となった坂東真紅郎グランドマスターによるS-NETです。
 S-NETは行動の判定と処理にパソコンをメインに打ち出した実験作……のようなもの。全6回で7000円という比較的低額なため、蓬莱学園のゲームには興味があったけど高かったから……という参加者を引き寄せ、ネットゲーム'90『蓬莱学園の冒険!』の倍の参加者を集めますが、それが間違いの元。
 柳川さんいわく「私は彼(坂マス)がゆっくり音をたてて倒れていくのを見ていただけです」とのことで大笑い。
 当時の主催団体である遊演体には、社風としてなんとなく機械信仰のようなものがあり、パソコンの導入に成功すればすべてOK、プログラマーは神さまみたいな面があったそうです。坂マスが頭の中に描いていたすばらしいゲームを実現するには当時のパソコンとソフトとハードでは不可能なことに始めるまで気づかなかったのです(今の技術でも完璧な再現は無理だとか)。
 しかも参加者が集まりすぎました。マスターが参加者4000人に対応するシステムを期待していたのに、プログラマーの主張によれば2000人対応が限界。ところが実際の参加者が8000人というのですから、構想には遙かに及ばないリアクションを出力させるだけで3日かかるという惨状が待っていたのです。
「坂マスは物語のアルゴリズム化に失敗したんだよ。ぼくもあの当時、構成要素を2つ見落としているのに気がつかなかった」
「今さら言わないで下さいよ」
「当時は理論を完成させていなかったからね。今は物語のアルゴリズム化はできるんだけれど、それを自然言語で出力できない。それが課題だな」
 結局、手作業がメインになってしまった悲劇。機械は能力の範囲で、プログラムされた範囲でしか働かないのです。「がんばれ!」といわれて頑張れるのは人間だけ。それが結論でした……。
 そんな風に柳川さんと坂マスが語り合っている間に、中村さんが隅っこでスケッチブックに描き描き☆ なんと参加者全員にサイン入りイラストを提供しようというのです。ふとっぱら☆(でもスタッフを除く……しくしく)

 それから企画の終了間際に飛び込んできて「献血お願いしま~す!」と叫んだ献血女に激怒!! おれの寿命は3年縮んだぞ! はぁっ、はあっ! だいたいだなあ、企画が進行中の部屋にいきなり飛び込んで大声で叫んで、献血なら何をしても許されるのか!? あんたの後ろで何をしてたか知ってるのか!! 帰れ、帰ってしまえ!!(まだ心の傷が癒えないようです)
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『第44回日本SF大会 HAMACON2』 2005.7/16(1)

2007-09-29 | イベント・コンベンション
 2005年7月16日~17日にパシフィコ横浜にて第44回日本SF大会HAMANACON2が開催されました。
 当日朝3時にたいちょおの日産セレナに便乗して愛知県知多郡を出発。湾岸道路を経由して東名を東進。途中、高速道路の事故渋滞を我慢して切り抜け、朝7時に横浜着。さすが本職の運転は軽やかで速いわ☆
 さて、ちょっと早めに着いたので、軽く車で横浜市内観光。門に「カトリック教会」としか書かれていないカトリック山手教会聖堂を見て「あれがミスカトニック……」と口走ってしまうなど今考えれば支離滅裂。半徹夜で脳がとろけていたのかも。

 その後、中華街へ。早朝から営業している「馬さんの店 龍仙」で早い朝食。店内には既に先客が7人ほど……って、一目で分かる沖縄ツーリストのアロハシャツ姿。スティール・フェアリーズの人たちですね。
 とにかく粥食べて、小籠包食べて、水餃子食べて会場へ……って、9時に到着したら一般入場は10時以後というので近くのロイヤルホストで遅い朝食。モーニングプレートの目玉焼きやパンケーキをつついて、野菜ジュースを飲んだりして……って、まだ食うのかい!? そしてお土産にカレードーナツをお持ち帰り。これがぼくらの昼飯だ☆
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「ザ・ホワイトハウス オフィシャル・ガイドブック」 アーロン・ソーキン

2007-09-29 | その他フィクション
 テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」の公式ガイドブックを購入。最初にDHC社から刊行された方ではなく、ぴあ社から出た新装版の方。
 内容は基本的に第1・第2シーズン各話のストーリーダイジェスト。それにシナリオから抜粋したセリフのやりとりを掲載したり、役者やスタッフのコメントや解説などを付け、さらに舞台となったホワイトハウス・ウェストウィングの各部屋の写真と解説を載せてます。
 ガイドとしては悪くありません。ストーリーを読み返しながら、各所にそのシーンごとのコメントや解説が入っているのですから、DVDで副音声を聞いている感じで読めます。カラー写真が豊富な割に安いのも嬉しいですね。
 ただ訳と編集が荒いですね。
 一人称などテレビ放映版とは違和感のある訳、ストーリーダイジェストと解説とインタビューの境界が判りにくいレイアウト。各章の最初のページだけ1行あけのレイアウトになっているのも気になります。最初にその回全体の概要を紹介してから、実際の流れにはいるのかと思ったら、そうでもないみたいだし。
 豪華で分厚い割には安いパンフレットのつもりで読むのが良いようです。

「ザ・ホワイトハウス オフィシャル・ガイドブック」★★★

【ウェストウィング】
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サー・アイザック・ニュートン

2007-09-29 | 雑談・覚え書き
 サー・アイザック・ニュートンの伝記を読んだのは、子供の頃になります。もう亡くなられて随分となるけれど、父が若い頃お世話になったYさんの書斎からいただいたものです。父親が仕事の話をしている間、おとなしく読みふけっていたのですが、万有引力の法則とかプリズムの解析とか『プリンキピア』の執筆などの偉業の一方で、ゆで卵と間違えて懐中時計を茹でてしまうなどのウッカリさ加減も魅力的でした。子供向けの伝記なんてのはそういうものです。フックやライプニッツとの論争は言及されていても、権力獲得後にフックの業績をすべて抹殺してしまったような猜疑心が強く執念深い一面などには触れていません。
 さて、2005年7月4日の朝日新聞朝刊に「ニュートンの錬金術覚書が発見された」という記事が掲載されていましたので、軽くネット検索してみました。できるだけ、元に近いソースで確認しないとね。
 ロンドンのロイター通信によると、王立学士院の目録作成の過程で、1936年のオークションにおいて15ポンドで落札されたまま紛失したと思われていた直筆手記が発見されたそうです。ニュートンといえば、偉大なる科学者として有名ですが、彼の活躍した18世紀というのはまだ科学と錬金術がはっきり分離していなかった時代です。ニュートンを研究したケインズが「彼は最初の科学者ではない。最後の錬金術師だ」と指摘したくらい。この22頁の手記にも彼が研究した錬金術書に関するメモが記載されているそうです……って、ほとんど日本語記事のままですな。

 で、そもそも、なんで経済学者のケインズが自然科学者のニュートンを研究していたかというと、ニュートンは造幣局長官として1ギニー金貨=21ペニーシリング銀貨という金と銀の交換レートを定めた……つまり金本位制の生みの親みたいなものだったからですね。
 「最後の錬金術師」たるニュートンは自然科学から政治行政の分野に転出した後も「金」から離れられなかったのです。

 この金本位制が崩壊するのは20世紀のこと。「経済の血液」ともいわれる「金」の流通バランスが崩れたのはもっぱら投機筋の「ゲーム」によるものだったといえます。同じように「産業の血液」と呼ばれた「原油」の流通バランスが崩れて高騰しているのも「ゲーム」が原因。

 しかし「最後の錬金術師」たるニュートンが、「造幣局長官」として執拗に偽金作りを追いつめていったとか、未熟児として生まれながらも85歳まで生き(フックもライプニッツも論争に決着が付く前に墓石の下)、死ぬまで髪がふさふさしていて歯も1本しか抜けなかったというから……いろいろインスピレーションが湧きますね。
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「SFの書き方」 アメリカSF作家協会

2007-09-29 | エッセー・人文・科学
 SFの書き方といえば、まず『スペースオペラの書き方』ですが、そのものズバリの『SFの書き方』という本もあります。
 まあ、これはアメリカSF作家協会の編著なので、内容の半分は役に立ちません。原稿料が「1ワードで3セント」といわれてもねえ……。
 でも執筆陣がスゴイ。日本では知られていない作家がほとんどですけれど、単語や人名の命名法についてポール・アンダースンが、未来世界の構築についてジェリー・パーネルが語っています。その他についても、キャラクターの作り方やアイデアの発想方法などについて、あれこれ書かれています。
 なんというか、講演集という感じかな。
 エイリアンについての項目では、人間との相違が社会的・文化的なものだけである場合は、わざわざエイリアンなんか出さずに異国風の人間でいいじゃないかとも指摘し、典型としてスタートレックをやり玉に挙げています。確かにそれはエディングスのファンタジーを読めば判ります。同じ人間のはずなのに性格・気質の違いは、よくあるファンタジーのドワーフとエルフ以上だという……。そういう書き分け方もあるので、必然性を大事にしようという話でした。

【SFの書き方】【アメリカSF作家協会】【小説の書き方】
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「スペースオペラの書き方―宇宙SF冒険大活劇への試み」 野田昌宏

2007-09-29 | エッセー・人文・科学
 今となっては、SF小説の書き方の古典。文章の書き方や文章作法については今までにも有名な作家の人などが書いていますが、野田昌宏の『スペースオペラの書き方』は、文章そのものよりは作品の構成に主眼が置かれたハウトゥー本。それも単なるマニュアル本に留まらず、野田昌宏の半自伝っぽくもスペースオペラの紹介本としても読めるんですね。
 自分で何も考える気がない人間ならともかく、曲がりなりにも何か文章で創作してみようと考えたことのある人間には宝の宝庫。既存の作品をさまざまな要素に分解して関連づけて再構成することで、その作品の何が面白く、どうやってストーリーを盛り上げていったのか分析するテクニックから、さまざまなアイデアの拾い方やら発想の広げ方、最後には作業しやすい環境の整え方まで、ユーモアたっぷりの独特の語り口で読ませてくれます。
 そしてこの本の要は、フローチャートで有名な作品の構成を分析して、そこから学ぼうというもの。実際にやれるかどうかは別として(それに使える『Inspiration』というソフトを持っているけれど、結局そういう使い方はしなかった)、勉強になります。視覚的に理解できる方法を提示したのが、他と一線を引けるところ。
 発売当初はA5ソフトカバーだったけれど、数年前に文庫で再版され、今でも入手が困難ではない作品です。

 といっても、単なるハウツー本ではなく、テレビ放送黎明期からの番組制作者でありスペースオペラ翻訳の草分けでもある作者自身の回顧録としても十分に面白いので、つい何度も読み返してしまうのですね。
 最近は体調を崩されているとかで、先日のワールドコンでも快復を祈念しての寄せ書きがおこなわれていて、自分も一筆寄せさせていただきました。一日も早い復帰を願っております。

【スペースオペラの書き方】【宇宙SF冒険大活劇への試み】【野田昌宏】【フローチャート】【小説の書き方】
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「嘘つきは妹にしておく」 清水マリコ

2007-09-29 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 メディアファクトリーの文庫は背表紙がエメラルドグリーンで目立つけれど、目立つだけに本屋に全然置いてもらえないのも目立つ。ここらでちゃんと数を揃えているのはパソコン専門店の書籍コーナーか、ビルまるごと本とCDという店くらい。まあ、アニメのノヴェライズ等がメインなので普段は用がないのだけれど、ときどき性に合うものが見つかります。

 朝起きて朝食前にMF文庫『嘘つきは妹にしておく』を読了。
 いつの間にか白紙のシナリオを手に入れた高校生が、本の精と自称する少女と共に、失われたシナリオの断片を集めて回る話。
 日常的な世界から、ちょっとずれた事件が起こる……というのはジュブナイルの基本。これで宇宙人と知り合って宇宙へ飛ぶとか、異世界の冒険の日々が……とくると王道だが、そのちょっと手前で控えめに踏みとどまっている感じ。ドタバタのコメディではなく、人間の二面性をテーマにした、どちらかといえば地味な話。登場人物が抑えた数になっているのも、単発で読む小説としては妥当な線。
 清水マリコはここんとこ作者買いしている作家です。

「嘘つきは妹にしておく」★★★

【妹】【嘘】
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「アリアンロッド・リプレイ・ルージュ」 菊池たけし

2007-09-29 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 およそ2年間続いていたルージュのリプレイも、今回の『ノエルと蒼穹の未来』で完結。

 裕福な家庭で幸せに育てられていた少女ノエルは、ひょんなことから自分が実の子供でないことを知り、自分の生みの親について知りたいと願う彼女を両親は悲しみながらも快く送り出した。
 だが赤ん坊の時から持っていた薔薇の小箱を手に旅に出たノエルの仲間として、半ば無理矢理参加してくる冒険者たちは、帝国の密偵、教会の騎士、秘密結社の人造人間……。封印された“伝説の五つの武具”を開封する鍵となる彼女を守り、同時に仲間に引き入れようとする各エージェントだった……。

 リプレイ(TRPGのセッションの記録をまとめて補追したもの)として最近のもの中では面白く読めた方……というか、久々に本腰を入れて読もうと思いました。大笑いして読みましたってば。
 なんせ、最近TRPGなんかやりもしない自分はともかく、現役プレイヤーの長男も、まともなプレイをしたことがない次男も、なぜかルージュのリプレイの続きは心持ちにしていて、この最終巻が我が家に到着するなり「読ませて」「読ませて」の取り合いに。我が家でも一番人気だ。
 そこで妻がすっくと立って宣言。
「2番目はお父さん。あんたたちは、お父さんが読み終わってから!」
 1番は?

 なんといってもプレイヤーの力量を計ってギリギリの難易度を設定しつつ、小ネタのギャグを振りまくマスターが巧いんだよねえ。それに応えて膨らますプレイヤーも巧いし、良い味を出してます。

「ノエルと薔薇の小箱~アリアンロッド・リプレイ・ルージュ1」★★★★★
「ノエルと翡翠の刻印~アリアンロッド・リプレイ・ルージュ2」★★★★★
「ノエルと白亜の悪夢~アリアンロッド・リプレイ・ルージュ3」★★★★★
「ノエルと蒼穹の未来~アリアンロッド・リプレイ・ルージュ4」★★★★★

【携帯大首領】【ファンブル】【あわわー】
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「バベル-17」 サミュエル・R・ディレーニイ

2007-09-28 | 宇宙・スペースオペラ
 異世界を構築する究極の方法は"ことばをつくる"ことです。ベルディンは「人は言葉で思考する。言葉がなければ思考はない」といいました。実際、単語や文法を分析すれば、その言葉を使う人たちの思考法から生きている世界まで推測することは可能です。
 (異説もあるようですが)順序からいえば環境と生活があって言葉が生まれ、言葉が生まれて人は意識して思考するようになるといえるわけです。
 エスキモーには雪の白さを表す単語が何十とありますしモンゴルの遊牧民には馬の毛並みの状態を表す単語が同じくらいあります。逆に南米のある部族はヨーグルトの一種以外に食べるものが周りにないので、食事に関して美味いとか不味いといった単語はなく、ただ満腹か空腹かの区別しかないそうです。
 これらの単語の有無からでも、そこで生きる人々の生活環境や何を重視しているかを知ることができます。つまり"ことばをつくる"ということは、単に単語や文法をつくるだけではなく、その世界とそこで生きる人たちの生き方まで創造することになるのです。

 しかし、逆もまた真なりで、言葉によって思考を制御することも可能かもしれません。
 その独特の世界設定で知られるディレイニの『バベル17』は星間戦争の舞台裏の諜報戦を扱った作品ですが、その核となるのが敵国が生み出した暗号バベル17です。これは単なる暗号ではなく、れっきとした人工言語であり、その特徴は主語が存在しないこと。言葉としては洗練されており、単純に思考するだけなら最高の言語なのですが、"自分"という存在を認識しないため、この言葉を使い続けるに従い、無意識に言語そのものに組み込まれたプログラムに従って行動してしまうという、洗脳プログラムと一体化したような優れものです。
 まあ、トールキンのように神話や言語を丸ごと構築するのは無理としても、異世界と架空言語をつくるなら、これくらいの芸は見せて欲しいというお手本です。

「わたしは現代の一部ですわ。現代を超越したいと思ってはいるんですけど、現代そのものが、わたくしという人物を作り上げるのに、大きな役割をしていますから」
 言語学者リドラ・ウォンの言葉。誰しも生まれながらの立ち位置を変えるのは困難なものです。

【バベル-17】【サミュエル・R・ディレーニイ】【言語】【防諜】【癒着ペット】
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「クトゥルー神話ダークナビゲーション」 森瀬繚

2007-09-28 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 クトゥルフ神話を解説したムックを入手。
 ただこれはこれまでに刊行された類書と異なり、ライトノベルやゲームまで、今までなら(イロモノとして)ほとんど無視されてきたジャンルまで網羅した意欲作、というか企画の盲点。今までは紹介者の「まず正統派を認知してもらわなければ」という志が邪魔してたのかね?
 いや、もう、なんでもありのラインナップに「よくぞ、ここまでまとめてくれた!」と感涙。ラブクラフトから連なる正統派の年表や事典があるかと思えば、書籍としては『邪神ハンター』や『拝テンション』まで紹介され、古橋秀之、西川魯介、後藤寿庵、友野詳、芝村裕吏、広江礼威といった面子へのインタビューの合間に内田弘樹クトゥルーVS自衛隊の仮想戦記が挿入されるという福袋状態!
 あえていうなら『イクサー1』への言及が……。

【クトゥルー神話ダークナビゲーション】【森瀬繚】【クトゥルフ】
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