「謎の層から支持を得ている先輩は一体なんなの……？」日野灯は意外に身近に神坂怜のファンがいることに驚く。
サブチャンネルは短編集。販促等で公開されたものなどの短編拾遺集。主人公以外の視点で、あのときこんなことがあった、こんなことを考えていたとか、語られた物語を別の視点からとか綴られてます。
神坂怜のファンに関するエピソードが多めなのも特色。「なんでお料理系の配信者じゃないのかしら？」とレシピを愛用する主婦とか、メガネで三つ編みお下げの委員長とか。中でもピーキーなファンたちは本編ではさらりと流してますが、下半身不随になって婚約破棄され引きこもっていたガチ恋ネキとか、執事やメイドを従えた真性お嬢様とか、本編の出番を増やしたら話をぶち壊しそうなキャラばかり。掲示板の書き込みから「これは誰だ？」と探すくらいがベターでしょうか。
【アラサーがVTuberになった話。サブチャンネル】【とくめい】【カラスBTK】【エンターブレイン】【ハーメルン】【小説家になろう】【新衣装】【換気扇掃除】
「インターネットで遠く離れていても、誰も知らなくても、気軽にコミュニケーション取れるわけですからね。いやぁ、本当に便利な世の中になりましたよね。ネットは良いものですね」
「君が本気を出しても、誰も離れたりなんかしないよ」
「人類ってたまに、よく分からない方向へ進化することがあるよねぇ……」
王国武闘大会の公式発表が行われた。膨大な優勝賞金もあり、その噂はあっという間に世界中に伝わり、各地から腕自慢の武闘家や冒険家たちが続々と王都に集結し始めた。まだ１年以上あるのに……。
「It takes all the running you can do, to keep in the same place」
「人と人が仲良くするには適度な距離感が必要でしょう？」
「がんばったけど、どの夢もかなわなかった。だから今日もすき焼きパーティーよ」
「仲直りに必要なのは、焼肉だと思うの」
『う、うち……春斗さんのことが好きなわけじゃないけんね!? 相談した通り、気になってるだけ!! よか!?』
「外見と中身がチグハグでも、好きな人の性別がなんであろうと、どうにか辻褄を合わせようと生きなくていいんじゃないかな」
「お金は大事だけど、お金の稼ぎ方はわかっているでしょう？ でも信頼は違うわよ。これは確実に培う方法も育てる方法もない」
「メイクは女の武器であり防具だから。中途半端な出来映えじゃ役に立たないどころかむしろマイナスだわ。舐められるだけ。やらない方がマシ」
「映像って不思議ですよね。それがいくらウソだったとしても、見る人にとってはそれが『真実』になる。そうして、観る人の記憶にはその真実だけが残り続ける」
「またそうやって私を甘やかすんだから……こんなの社会人失格ですよ」
