「不運に見舞われたときは、好きをどれだけ持っているかが耐久力になる」
ただし、黒歴史は後世に残さぬようきちんと処分しなければならない。
2020年頃から「有川ひろ」名義を使い出した有川浩の短編集
本屋に出かけることすら躊躇われたコロナ禍の閉塞した時代に、みんなが自宅で物語で楽しむためにと始めたのが、作者が話のネタになるキーワード等を広く募集し、それを発展させて短編小説に仕立ててネットで公開するという試み。その小説から10編をまとめたものが今作品。
気分転換の産物というだけあって、悲しいこと、恐ろしいこと、厭なことを省いて、にやにやと笑ったりほのぼのしたりのささやかな日常が語られるスケッチなんだけれど、そこには「届いた荷物を受け取りにマスクをして玄関へ」とか「2年中止になっていたイベントが再開」や「リモートワークが導入」といった世相とか「インチキな飲むだけでウィルスが治る健康ドリンク」などが登場し、新型コロナウイルス蔓延下での生活が「日常」として描かれています。それはもう特別な存在ではないのです。そして、その根底にあるのは、やるべき対策をしっかりやったらあとは運だけ……という割り切りでした。
話はみんなポジティブだったり暖かかったり、悲壮感はなく読んで気晴らしになるものばかり。おだやかな夫婦の歩みとか、祖父母の田舎で一夏を過ごした少年の思い出とかいろいろあるのですけど、タカラジェンヌものとか連作風になっている作品もあって、それで読後感が「宝塚がスゴい」一色になっちゃった気がします。なんか、星組公演観たくなっちゃった……というと、どこからともなくBD持った人が湧いてくるような本。
そして、表紙イラストは登場してくるキーアイテムばかり。一通り読み終わってから「こんなところに電球が」とか「この甲冑はなんだっけ」とか重箱の隅をつつくのも愉しいです。
【物語の種】【SNSの猫】【レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや】【胡瓜と白菜、柚子を一添え】【我らを救い給いしもの】【ぷっくりおてて】【Mr.ブルー】【百万本の赤い薔薇】【清く正しく美しく】【ゴールデンパイナップル】【恥ずかしくて見れない】【有川ひろ】【徒花スクモ】【幻冬舎】【ほっこり&胸キュン全十篇の物語】【タキシード仮面】【東離劍遊紀】【シティーハンター】【真田丸】【子供の数え歌】【よさこい】【祇園祭】【馬路村】【図書館戦争】【ミックスジュース】【若い女性はザンコクDeath】
ただし、黒歴史は後世に残さぬようきちんと処分しなければならない。
2020年頃から「有川ひろ」名義を使い出した有川浩の短編集
本屋に出かけることすら躊躇われたコロナ禍の閉塞した時代に、みんなが自宅で物語で楽しむためにと始めたのが、作者が話のネタになるキーワード等を広く募集し、それを発展させて短編小説に仕立ててネットで公開するという試み。その小説から10編をまとめたものが今作品。
気分転換の産物というだけあって、悲しいこと、恐ろしいこと、厭なことを省いて、にやにやと笑ったりほのぼのしたりのささやかな日常が語られるスケッチなんだけれど、そこには「届いた荷物を受け取りにマスクをして玄関へ」とか「2年中止になっていたイベントが再開」や「リモートワークが導入」といった世相とか「インチキな飲むだけでウィルスが治る健康ドリンク」などが登場し、新型コロナウイルス蔓延下での生活が「日常」として描かれています。それはもう特別な存在ではないのです。そして、その根底にあるのは、やるべき対策をしっかりやったらあとは運だけ……という割り切りでした。
話はみんなポジティブだったり暖かかったり、悲壮感はなく読んで気晴らしになるものばかり。おだやかな夫婦の歩みとか、祖父母の田舎で一夏を過ごした少年の思い出とかいろいろあるのですけど、タカラジェンヌものとか連作風になっている作品もあって、それで読後感が「宝塚がスゴい」一色になっちゃった気がします。なんか、星組公演観たくなっちゃった……というと、どこからともなくBD持った人が湧いてくるような本。
そして、表紙イラストは登場してくるキーアイテムばかり。一通り読み終わってから「こんなところに電球が」とか「この甲冑はなんだっけ」とか重箱の隅をつつくのも愉しいです。
【物語の種】【SNSの猫】【レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや】【胡瓜と白菜、柚子を一添え】【我らを救い給いしもの】【ぷっくりおてて】【Mr.ブルー】【百万本の赤い薔薇】【清く正しく美しく】【ゴールデンパイナップル】【恥ずかしくて見れない】【有川ひろ】【徒花スクモ】【幻冬舎】【ほっこり&胸キュン全十篇の物語】【タキシード仮面】【東離劍遊紀】【シティーハンター】【真田丸】【子供の数え歌】【よさこい】【祇園祭】【馬路村】【図書館戦争】【ミックスジュース】【若い女性はザンコクDeath】
恐るべし。