付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「MOON FIGHTERS!」 賀東招二

2024-01-03 | 宇宙漂流・遭難
 宇宙に商売や観光で訪れる者も増え、フンボルト海沿いのレヴィニア市も、直径3キロにまで街並みが広がって人口は10万人を超える。
 この街に本部を構える(株)鴻救命に新人がやってきた。知多宇宙高専を卒業後、月でレスキュー隊員になりたいと月面救難隊を志願して求職票を出した真朱孝太郎だ。真朱はなにかと危険を察知する勘が働くことがあるが、周囲に巧く説明できなくて困ることも多く、まだ慣れない職場では待機中ですら神経をすり減らす。
 やっと24時間の待機任務が終わろうとしたそのとき、中型の宇宙機が離陸直後に消息を絶ったという知らせが飛び込んできた……。

 通販で頼んだ『MOON FIGHTERS!』他1冊到着。月面を舞台としたレスキューもの。「バックドラフト」とか「海猿」とか、あんな感じの話が現代と地続きの親近感ありすぎる近未来で繰り広げられます。危機感知能力は高いけどまだまだ未熟な主人公と、そんな彼を育てていこうという仲間たちの物語です。もともと京アニで消防士もののアニメとして企画されていたもので、2019年の事件により中止になったものを舞台を変えてリブートしようというものだそうです。
 発売を知って予約しようと思っても近隣書店はおろか大手ネット書店でも取り扱わないレーベルで泣きました。どおりで聞かないレーベルだと思いました。京アニのファンじゃないと一般書店はおろかAmazonでも取り扱わない本は存在がなかなか目に入りません。交通費払って大都市の取扱店に行くか、送料払って直販かの二択。ツラい。でも、最近は取次があまり機能してないから、これもやむを得ずかしら。
 話は面白いので、もっといろんな人の目にとまって読んでもらいたいです。

【MOON FIGHTERS!(ムーンファイターズ!)】【賀東招二】【京都アニメーション】【丸木宣明】【KAエスマ文庫】【未来の月で働く男たちのアツ苦しい物語】【愛知県特別軌道体験プログラム】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「剣と魔法とナノマシン」 ベニサンゴ 

2021-10-12 | 宇宙漂流・遭難
「ナノマシンって……卑怯だ……」
 あれもこれもそれも、みーんなナノマシンで簡単にできちゃうっておかしいと傭兵イール。

 成人祝いに5億光年先のリゾート惑星に旅行中だったララは、ワープ中の事故により未発見惑星に漂着した。
 荒野を放浪中に女傭兵イールと知り合ったララは、そこがいわゆる剣と魔法の世界のような星と知らされる。そのまま最寄りの都市まで案内され、傭兵暮らしをすることになるララだが、その先で遺失古代技術(ロストアーツ)の復活を画策する秘密組織の暗躍に巻き込まれてしまう……。

 つまり、「そのロストアーツとやらは、この現役のナノマシン・テクノロジーに勝てるのか?」という話。
 Amazonの販売リストをチェックしていたら見知らぬレーベルの見たことのない作品を見つけたら、オンデマンド出版物というのでポチリ。紙が良いので見た目以上に重いぞ。
 話としては、恒星間を行き来できるテックレベルの主人公がたどり着いた星は、なぜか剣と魔法のファンタジー世界だった……という話で、先行作品としては『グラマリエの魔法家族』とか『航宙軍士官、冒険者になる』など、SF&ファンタジーでは定番のテーマ。『ダーコーヴァ年代記』あたりも入るかな。
 すべて体内のナノマシンのおかげで、人間離れした動きも出来るし、魔法みたいな攻撃も出来るし、物質変換もお茶の子さいさいと、確かに「卑怯だ」と言いたくなりますね。

【剣と魔法とナノマシン】【ベニサンゴ】【舛田恭】【いずみノベルズ】【インプレスR&D】【最強SFチート娘のファンタジー漫遊譚】【小説家になろう】【魔導自立人形】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おいら宇宙の探鉱夫 公式設定資料集」 ぬかよろこび

2019-12-07 | 宇宙漂流・遭難
 小説でも映画でもマンガでも、構想そのままに完結できる長編作品は幸いである。出来の不出来に関わらず、物語り終えるのを見届けられるから。
 OVAなんか世界初の「ダロス」からして全4話で一応終わったものの、監督からして「あと90分欲しかった」と言わしめた、見ていたものとしては「俺たちの戦いはこれからだ」エンドは今ひとつ。全13話構想で始まったはずの「バビ・ストック」は投げやりな2巻打ち切り。そんな中、1994年にケイエスエスより発売された「おいら宇宙の探鉱夫」は良質なジュブナイルSFにしてハードSFとしてのマニア評価は高く、自分の周囲はみんな大好き。話は面白いし、絵はきれいでよく動くし、登場人物は魅力的。声の配役も音楽も一流。レーザーディスクは出たときに買ったし、2006年にはDVDも発売してたのに気がついて買い直しましたよ。
 ……でも、買い支えられなかったんだよなー。
 全6話予定が2話で打ち切り。2巻のライナーノートには残りのプロットまで掲載されていて悔し涙に暮れました。タイトルが野暮ったかったせいなのか、テーマ曲のノリが悪かったせいなのか。
 そんな幻のOVAの設定資料集。公式と言いつつ、97年の同人販売です。キャラ設定から背景美術、キャラクター史年表まで。

【おいら宇宙の探鉱夫 公式設定資料集】【ぬかよろこび】【飯田馬之介】【フォースマン・ランチフィールド】【川元利浩】【津野田勝敏】【谷口淳一】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銀河中心点」 三度笠

2017-05-18 | 宇宙漂流・遭難
 ファシール合星国の宇宙軍術科学校では、卒業試験となる星系外練習航海が始まろうとしていた。ゲムリード航海術科学校359期生ダン・グレイウッドが乗船することになったのは、いわくつきの元軍艦、惑星開発調査船クイジーナ2。
 ところが、宇宙船の故障で未知の座標に飛ばされてしまったクイジーナ2は、宇宙の法則を無視して存在する星を発見することになる。そこには人類文明らしい痕跡すらあった……。

 宇宙冒険SFというか、ファーストコンタクトもの的な雰囲気で話が進むのだけれど、同じ作者の異世界転生ファンタジーともリンクしているようだ……というあたりがミソです。

【銀河中心点~アルマゲスト宙域】【三度笠】【電鬼】【カドカワBOOKS】【惑星探査】【事故】【隔壁破壊】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「宇宙の漂流者」 トム・ゴドウィン

2013-04-24 | 宇宙漂流・遭難
 小学校とか中学の頃は、学校の図書館に江戸川乱歩の少年探偵シリーズや岩崎書店のSFロマン文庫などが置いてあり、夢中になって読んでいました。少年探偵ものは一般書店でも売っていたから、小遣いを貯めて毎月1冊づつ買って揃えたけれど、さすがにSFロマン文庫の方は本屋では見ませんでした。その中でも、トム・ゴドウィンの『宇宙の漂流者』は印象的で好きな話だったから何度でも借りた本です。卒業してからも、妹に頼んで借り出してもらってきたくらい。
 1994年の第33回日本SF大会RYUCONでのこと。深夜のコテージでみんなが車座になって、それぞれが影響を受けたSF作品について雑談してきたときに、名も知らない相手からぽろりと名前が出てきたのもこの作品でした(あのときは取り乱して申し訳ない)。

 異星人の帝国との戦いが勃発した直後。地球の植民船が拿捕され、植民不可能とみなされていた惑星ラグナロクに乗員乗客が放置された。
 女子供ばかりでは歩くこともままならぬ1.5Gの高重力で、夏は灼熱、冬は極寒、金属資源は皆無に等しく、危険な動物や病気が絶え間なく襲ってくる世界で、生存者たちは生き延び、知識を蓄え、反撃の芽を育てていく……。

 いろいろな主人公たちが精一杯、生きて、戦い、後に引き継ぐモノを残して死んでいく200年の物語なのです。

 SF小説といえばヒーローが活躍するものと思いこみかけていた身にはショックな話でしたね。もう主人公が次々に死ぬことといったら……。子供向けの全集ですから、A5サイズで200頁くらいの本ですが、本当に1章ごとぐらいに主人公が入れ替わるんです。生き延びるだけで精一杯という状況で、親から子へ、子から孫へ、今にも失われそうな科学技術を伝えながら倒れていく人々の群像劇。最終章では第6世代になっていました(数年前に『俺の屍を越えてゆけ』というゲームがありましたが、あれのSF版といえば判ってもらえるかな?)。
 大学時代に、この作品のことをふいに思い出し、その作者の他の作品を調べて納得。『冷たい方程式』の人だったんですね。
 「1人を助けようとすれば大勢が死ぬ。大勢を助けるためには1人が死ななければならない」……ああ、どちらも同じテーマだ。

 で、長いこと探していましたが、岩崎書店の2006年度新刊に、なぜか『SF名作コレクション』を発見。アマゾンも岩崎も、2005年9月刊行ってことになってるし、書店情報もそうだけれど、bk1の出版社レビューが2006.8だぞ……。それはともかく、その中の『宇宙のサバイバル戦争』がゴドウィンの『宇宙の漂流者』の改題と判明。これは、表紙イラストもタイトルも改悪だね。訳が変わってないことだけが救い。それを補って余りある復刻の価値は認めよう……でも、やっぱりセンス悪いよな。写真左はサバイバル臭さを前面に出し、SFなのかマタギの話かタイトルを見ないと分からない旧岩崎版。でも内容的には正しい。
 中イラストはB級テイスト満載で、アルバトロスフィルム配給かよ!?な復刻岩崎版。福地孝次はきらいじゃないけど、こりゃなかろう。
 なんといっても、イラストレイターに想像力だか原作の読み込みが不足している気はします。たとえば「高重力下での落石によって月面のように無数の穴が開いている」という描写に、プレーリードックの巣穴のようにほとんど同じ大きさが等間隔で並んでいるのはおかしかろう? もうちょっと大きさに差があるとか、穴位置が重なり合うとかしてる方がらしいよね。
 トップイラストは2003年にペーパーバックで復刻された中短編集(アマゾンではもうプレミア価格7000円)。タイトルは「冷たい方程式」だけれどタイトルイラストは「宇宙の漂流者」。これに続編が収録される噂もあったけれど、結局ハズレ。こちらの収録作品は『宇宙の漂流者』「The Harvest」「Brain Teaser」『発明の母』「Empathy」「No Species Alone」「The Gulf Between」『冷たい方程式』。
 『宇宙の漂流者』の続編は「The Space Barbarians」。作者が1980年に没してますのでこの2冊でサバイバーズ・シリーズはすべて。刊行は 1964年。ペーパーバックの中古で1200円くらい。長編といっても昔の長編なのでそんなに長くないから読むのは不可能じゃないけれど、シリーズ2作目のアタリって少ないよね。買って翻訳までして読む価値があるか、悩むよなあ。学生時代なら、もっと気軽に読めただろうけど……もう無理。単語も文法も頭に残ってません。そもそも読み通す根気がないと思う(和書の積ん読状態を顧みるに)。(2009.8/26改稿)

 2012年10月のSFコンベンション「ミューコン15」の古書市にてピラミッド・ブックス版を購入。横文字なんて普段読み慣れていないし、表紙や背表紙レイアウトはてんでんばらばらで、どれがタイトルやらあおり文句だかわかりにくいのがペーパーバック。その古書の山を掘り返していて、なんだかなーという1冊を発見しました。
 トム・ゴドウィンに「SPACE PRIZON」なんてタイトルの作品があったかなと裏表紙を確認。表紙に「原題:SURVIVORS」とあるのを確認して購入。たぶん読まないので、単なるコレクターアイテムです。続編の方ならがんばりますけれど……。(2012/10/21)

 AMAZONとかで検索してみると、30年前に没した著者なのに『宇宙の漂流者』の方は改題したものも含めて8種類はすぐにバージョン違いや他国語版がみつかりますが(キンドル版を除く)、『The Space Barbarians』の方は1964年版のペーパーバック1種類のみ。この差は続編がつまらなかったからじゃないかなあ……と思ったのだけれど、googleで「The Space Barbarians tom godwin」で検索したら本文がつらつらっと。まだ、著作者の死後50年も経ってないぞ……と思うけれど、PDFフリー版なんだそうな。(2013/04/24)

 ヤフオクで1973年の岩崎SF少年文庫版が出品されているのを確認し、無事落札。そこまで安くはないですけれど、ほぼ40年探し続けて神保町の児童書専門の古書店から札幌、名古屋、大阪と古書店を見つけるたびに覗いて回った手間暇を思えばタダみたいなもんです。(2022/12/02) 

【宇宙の漂流者】【宇宙のサバイバル戦争】【トム・ゴドウィン】【岩崎書店】【Pyramid SF】【Phoenix Pick】【Indo-European Publishing】【Wildside Press】【CruGuru】【CreateSpace】【Lulu Press】【Baen】【氷河期】【テレパシー】【重力】【文明の伝達】
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フライングハイ2」 監督:ケン・フィンケルマン

2007-10-13 | 宇宙漂流・遭難
 80年代あたりまで、東海地方の映画興行はロードショー公開でも2本立て、3本立てがあたり前でした。座席指定のない時代。好きな時間にふらりと入って、途中からなら2回目の頭まで見て帰るとか、そういう見方をみんなしていた時代です。人気作なら、立ち見とか通路に座り込むのもあたりまえ。同じ映画を朝から晩まで何度も観ていても追い出されなかったのです。
 そんな時代に見たのは、『メガフォース』と『コブラ』(アニメ)、『クロコダイル・ダンディ』と『オーバー・ザ・トップ』、『王立宇宙軍』と『イウォーク・アドベンチャー2』、『スタートレック2』と『フライングハイ2』……、みんな2本立だったのです。
 そう、『スタートレック2』と『フライングハイ2』の組み合わせはかなり強烈。『フライングハイ2』はウィリアム・シャトナーまで登場するSF映画のパロディなので、連続して観るとインパクト強烈。

 人類初の観光スペース・シャトル「メイフラワー号」のテストパイロットであったテッド・ストライカーは、システムの不備を指摘したばかりに、予定通り運行開始したい会社によって濡れ衣を着せられ、精神病院に入れられてしまう。しかし、メイフラワー号が月旅行を強行することを知ったテッドは病院を脱走。一般の乗客に紛れ込んで乗船する。
 危惧されたとおり、メイフラワー号のコンピューターが反乱を起こし、乗組員が全員操縦不能に陥ってしまうのだが……。

 もともと航空パニック映画のパロディ作品である『フライングハイ』という映画があって、これがロバート・ヘイズとジュリー・ハガティを主演に、ジム・エイブラハムズとザッカー兄弟が監督し、バカ映画としては前代未聞のヒットを飛ばしたのだけれど、そのメインキャストそのままで監督だけすげ替えたのが『フライングハイ2』。だから見ている方は普通のパート2のつもりでも、『フライングハイ』のオーディオ・コメンタリーを聞いていると、ザッカー兄弟らが2の悪口を言いまくってます。

 制作側の思い入れはともかく、見ている分には愉しい航空パニック映画とSF映画のパロディ。今度は人類初の旅客シャトルがコンピュータの反乱で太陽目ざして突っ込んでいく話ですが、地上側の救出ミッションを担当するのが、『復活の日』のマクラウド艦長も演じた強面のチャック・コナーズ。宇宙側のミッションを担当する月基地アルファベータの指揮官には『宇宙大作戦』のウィリアム・シャトナー。そして暴走するシャトルの客Dくらいに『ミステリーアイランド』でリカルド・モンタルバン演じる旦那様ことミスター・ロークに仕える小人の執事タトゥを演じたエルヴェ・ヴィルシェーズ。
 一方、『スタートレック2~カーンの逆襲』は、主演が『フライングハイ2』でムーンベース・コマンダーを演じたウィリアム・シャトナー。彼に復讐しようとする優性人の帝王カーンは『ミステリーアイランド』で不思議な島のホストであるミスター・ロークを演じたリカルド・モンタルバン。
 ちょうどそのちょっと前あたりかな、名古屋地区でも深夜に「ミステリーアイランド」を放送していたのだけれど、当時の名古屋の映画館はロードショーでも2本立てで入れ替えもなかったから、時間の許す限りエンドレスでこの2本をかわるがわる見ているわけですよ。そしたら、だんだんわけがわかんなくなってくる。どっちがどっちの映画か。なんで、ミスター・ロークとタトゥが同じ画面にいないの?って。

【フライングハイ2】【ケン・フィンケルマン】【パラマウント映画】【ロバート・ヘイズ】【ムーンベース・アルファベータ】【2001年宇宙の旅】【スパイ大作戦】【スター・トレック】【スター・ウォーズ】【E.T.】【スペース1999】【宇宙空母ギャラクティカ】【ミステリーアイランド】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ブレーメン5」 佐々木淳子

2007-08-27 | 宇宙漂流・遭難
 『トラブル急行』と同じ1982年。佐々木淳子が、これまた人格を持った宇宙船がメインキャラクターとなった『ブレーメン5』を発表します。遙かな未来、突如として地球文明は崩壊します。それは人々が言うようなコンピュータの反乱などではなく、人の数が増えすぎたことにより、「人類」が誕生してしまったためです。1人の人間が細胞の1つのような存在になってしまい、ハチやアリのように集合意思はあっても個の意思が失われてしまったのです。
 これは、その地球から脱出した実験体やサイボーグ等の規格はずれの5人が宇宙を放浪する話なのですが、旅をする大型宇宙船の頭脳を担うのが、クルーの1人である女性のナダなのです。宇宙船=女性キャラ。
 ちょうど同じ時期に有機宇宙船や頭脳船といった「人格のある宇宙船」のアイデアが形になったというのは面白いですね。
 とりあえず、「人格のある宇宙船」をパッと思い出せる範囲でリストにすると、

『歌った船』(1961)のサイボーグ船ヘルヴァ。
『2001年宇宙の旅』(1968)のHAL搭載宇宙船ディスカバリー号。
『ブレーメン5』(1982)の脱出用宇宙船ナダ。
『トラブル急行』(1982)の有機宇宙船チャイカ。
『敵は海賊』(1983)のA級戦艦ラジェンドラ号。
『ハイスピード・ジェシー』(1984)の生体宇宙船パオロン。
『マップス』(1986)の宇宙海賊リプミラ・グァイス。
『ロスト・ユニバース』(1992)の遺失宇宙船キャナル・ヴォルフィード。
『スカーレット・ウィザード』(1999)の感応頭脳ダイアナ・イレブンス。
『バトルシップ・ガール』(2000)の人格付与艦ナツミ。

 ……で、そのほとんどが女性人格で、さらに半分くらいの端末がフォログラフなりアンドロイドという形の女性体として登場しています。でもこうして一覧を見ていると、ボーデの法則じゃないですが、なにかきっかけでも在りそうですが、この中でいちばん古株のアン・マキャフリィの『歌う船』は1961年発表(単行本は1969年)です。1984年の創元SF文庫の刊行以前にSFマガジンか何かで訳出されているかなと思ったけれど、それはなさそうです。
 あるいは「人間の頭脳を人型以外の機械に埋め込んだサイボーグ」という括りまで拡大してみないと把握できないのかな? サイボーグ0011とか。

「ブレーメン5」★★★★

【頭脳船】【放浪】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「漂流艦隊シェラザード」 同人PBM

2007-08-24 | 宇宙漂流・遭難
 昔、PBM同人のポスタル☆テイル誌で『漂流艦隊シェラザード』なんてスペースオペラ企画をやっていました。未熟ではあったけれど、脂の乗りきっていた時期だ(結局、熟さず枯れてしまったのかも)。
 そんな昔の原稿データがひょこっと出てきた。当時流行のSFアニメ風ストーリーだが、プログラマーのわんだらぁさんが張り切って、科学設定はけっこう本気だった。

「ミキでぇ~す。科学講座の時間でぇ~す」
「レイミで~す。今回のテーマは?」
「はい、人工重力ですね」
「そのまえに、前回の復習をしましょう。質量の正体の話ね。
 わたし達の住んでいるこの空間には、ヒッグス粒子という特別な素粒子が、ぎっちり詰まってヒッグス場を作っています」
「普通の物質を作る電子や陽子といった素粒子が、そのヒッグス場の中で運動するときの抵抗が、質量になるわけですね?」
「御明察。本当は素粒子の運動ではなくて、素粒子を作るクオークを作る超ヒモの10次元空間における震動に対する抵抗が、質量に当たるわけなのよ」


 ……なのよって……。これについてきた参加者は立派だぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする