付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「異世界のんびり農家12」 内藤騎之介

2022-04-30 | 異世界転生
「わたしの名はウルザ。ハクレンお母さんとヒラクお父さんの子、ウルザ。
 それ以上でも、それ以下でもない」


 ウルザの学園生活が始まった。
 誰がいちばんの危険人物かは見方によるけれど、ティゼルに限らずヒラクの子供たちは間違えて街1つ吹き飛ばしかねない者ばかりなので、身辺警護とか安全対策は徹底している。それでもあえてその子供を狙おうという者はいる。事情を断片的にしか知らない国や組織だ。そんな陰謀が明るみに出たら、結末は決まったようなものだ。
 国1つ消えるのはあっという間だった……。

「このまま死ぬか、私の友だちになるか選びなさい」
 157人の暗殺者や工作員を前にウルザは言い放った。

 アニメ化企画が進行中とのこと。
 この話は面白いけれど、メインストーリーらしきものがない日常系なので、普通にアニメ化すると確実にダレます。端折るとこだけ端折ってテンポ良くまとめる監督と脚本の技量に期待。書籍化でもコミカライズでも原作を大事に扱った本作りをしているエンターブレインなので、期待できるんじゃないかなーと思ってます。

【異世界のんびり農家12】【ティゼルの学園生活】【ウルザの学園生活】【オークション騒動】【発展する“五ノ村”】【内藤騎之介】【やすも】【エンターブレイン】【スローライフ農業ファンタジー】【万能農具】【レモン】【世界樹】【メイドの店】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ラ・セーヌの星」 日本コロムビア

2022-04-29 | 時代・歴史・武侠小説
 映画『黒いチューリップ』でひとり勝手に盛り上がったので、ネットで『ラ・セーヌの星』のサントラを注文。
 「サントラ」と書いてあるけど、LPレコードで発売されたサントラ盤をそのままCD化した廉価シリーズ「ANIMEX1200」ではなく、その番外編の「ANIMEX1300 Song Collection」というソング集。昔はアニメが放送されると、主題歌以外にも挿入歌やらイメージソングを詰め合わせた音楽集を出していたのですね。当時も「歌なんかよりBGMを……」と思っていたわけですが、それは今も変わらず。
 「黒いチューリップ」が聞きたかっただけなので問題ないけど、全10曲すべて「歌」です。主題歌はアレーヌ版。LPレコードのジャケット裏表はそのままソングブックに再現されてますが、歌詞カード部分のイラストはなくなってます。ライナーノートとしては、この作品が『ベルサイユのばら』のアニメ化企画がポシャった時の代替企画だったことなど簡単に。

【ラ・セーヌの星~ANIMEX1300 Song Collection(2)~】【日本コロムビア】【アレーヌ】【堀江美都子】【水木一郎】【コロンビアゆりかご会】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。2」 丘野優

2022-04-28 | 過去転移・人生やり直し
 悪逆を尽くした果てに我が子リリーに殺された公爵夫人エレインの人生再スタートも順調だが、魔術学院の院長キュレーヌ・メインに功績を見込まれ、特殊魔力を指導する教師となったのは想定外だ。古貴種(エルフ)に頭まで下げられて断れる者がいようか?
 特殊属性魔力保持者10人を集めての初等部教育には、前例がないだけにトラブルも多い。その上、聖国の次期聖女の能力を調べるため、才能ある教え子を連れて短期留学を装った潜入調査まで依頼されてしまう……。

 とりあえず元悪役らしく与えられた機会は最大限に利用して、己の利益確保に走るあたり「過去を悔い改めている」ようには見えません。真っ当に生きているなら、今から娘に殺されないよう対策に走らなくてもいいのに。
 それから聖国の現聖女のイラストで「目付き悪いなー」と思ったら従姉妹でした。そりゃ人相悪いよね。

【悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。Ⅱ】【丘/丘野優】【TEDDY】【エンターブレイン】【小説家になろう】【聖女】【迷宮探索】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「モモ艦長の秘密基地1」 鶴田謙二

2022-04-27 | 宇宙探検・宇宙開発・土木
「なぜこの宇宙船が有人なのかという疑問はおいといて」

 モシモシ・ネ・モモ艦長は電磁推進の宇宙コンテナ貨物船ブルーシャトー号の船長である。貨物船なのだがコンテナを牽引する護衛艦を兼ねているため、慣例的に船長は艦長と呼ばれたりする。
 そのモモ艦長は往復3年間の単独航宙を電力残量とにらめっこしつつも怠惰に過ごしているのだが……。

 年3回発行の雑誌「楽園」に2017年から連載されているコミックを21年分までまとめたもの。
 松本零士のキャプテン・ハーロックの台詞に「男にはな、何をやってもダメという時がある。そういう時、男はな、黙ってただ寝てればいいんだ」というのがあるけれど、そのダメなときが24時間365日続いているようなヒロインの航海日誌で、登場人物は主人公と猫とたまにモニターごしに出てくる上司のみの閉鎖系日常もの。鶴田マンガのヒロインたちのダメ要素の集大成といった塩梅。
 1巻中に主人公が制服を着ているのは30コマ前後で、あとはひたすら全裸でごろごろしながら本を読んでいるだけのような話。あ、船外作業もしているし、そのときは宇宙服を着てはいるなー。
 アニメ化するよりアングラ舞台劇で見たいかも。

【モモ艦長の秘密基地1】【鶴田謙二】【白泉社】【楽園】【SF史上もっとも怠惰なヒロイン誕生】【料理複製機】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「魔王と勇者の戦いの裏で」 涼樹悠樹

2022-04-26 | 異世界転生
「ま、神ならざる身なんで何でもかんでもは無理だ。できる範囲で可能な限りでいこう」
 ヴェルナー・ファン・ツェアフェルトは主役ではないし、死んでもやり直しが出来るわけでもないのだ。

 会社員をやっていたはずだが、気がつけば見覚えのある王道RPGっぽい世界に転生していたヴェルナーは、この先のストーリー展開を考えると自分が「勇者が魔王退治の旅に出ている間に全滅した王都」の貴族じゃないかと見当をつけた。かといって、伯爵家の息子といっても勇者の代わりができるほどの才能はなく、自分でできる限りのことをして生き抜くと決意したのは7歳の年であった。
 やがて学園へ通うようになり、文武共にそこそこ優れた優等生としての評価を獲得し、ひょんなことから勇者となる平民マゼル・ハルティングとも知り合って友人となり、いざ魔族の襲撃に直面するにあたってあらためて気づいたのだ。
 ここはゲームの世界ではない。確かにここで生きている人がいて、人間関係があり、自分もその中の一部なのだ。戦闘能力もチート能力もない。けれど、ゲームの知識もあるし、貴族として一般市民より行動や予算に自由がある。ならば、「自分が生き残る」以外にも何かしらできることはあるはずだ……。

 現代日本からRPGのゲーム世界にモブキャラとして転生した男が、勇者一行が魔族の討伐に出ている間に、いや、魔王の討伐に出る前に経験値が得やすい修行の場を助言し、優れた装備を取り寄せるために商隊や護衛の手配をし、各地に斥候を送り出すなどして地ならしをする縁の下の力持ちストーリー。
 かわいいヒロインがわきゃわきゃ登場するでなし、初っぱなから主人公が無双したりとか使えないと言われたスキルやクラスで周囲以上の大活躍をするわけでなし、当然ざまぁ展開などもあるはずもなく、すごく面白くてわくわくするけれど書籍化まではいかないんじゃないかと思っていた作品が見事に書籍化。コミカライズも決定しているということで、先が楽しみです。

【魔王と勇者の戦いの裏で~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~】【涼樹悠樹】【山椒魚】【オーバーラップ文庫】【小説家になろう】【伝説の裏側で奮闘するモブキャラの本格戦記ファンタジー】【釣り野伏】【学生服は礼服】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「【翻訳】の才能で俺だけが世界を改変できる件」 蒼乃白兎

2022-04-25 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「この世界は『文字』によって形作られている」
 アルデハイム家は名門の魔法貴族。それだけに長男のノアには期待されていたが、彼に与えられた才能はハズレの【翻訳】だけと判明し、逆上した父親は息子を放逐してしまう。
 しかし、【翻訳】の才能を持つノアは誰も知らない古代文字(ルーン)を読み解いて隠された古代魔法の書を見つけ、いつしか規格外の大魔法使いへと成長していたのだ……。

 ハズレだと思われていたの才能が実はとびっきりの大アタリだったという「実はスゴかった」もの。
 文章は散文的でやや荒削り。イラストはジャンプルーキーでマンガ家デビューしたばかりのイラストレイター、かなどめはじめ。文章で特に言及されているわけでもないのに、やけに股間とか強調していて気になります。

【【翻訳】の才能で俺だけが世界を改変できる件~ハズレ才能【翻訳】で気付けば世界最強になってました~】【蒼乃白兎】【かなどめはじめ】【富士見ファンタジア文庫】【【翻訳】無双ファンタジー】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「陽キャなカノジョは距離感がバグっている」 枩葉松

2022-04-24 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「普通のことでも、誰にでもできることでも、それを初めてしてくれた人のことを、特別に想っちゃダメなの?」

 陰キャぼっち生活を謳歌していた高校1年生、藤村京介の偶然の行動が結果的にクラスの高嶺の花になっている佐々川綾乃をナンパから助けたことになってしまった。
 そのときから、陽キャな綾乃に妙に懐かれるようになってしまった京介は、距離感を測り損ねることが多くなり、休日には一人暮らしの彼女の家に連れ込まれたりお泊りしたりするようになってしまうのだが……。

 いわゆる「え、おまえら、それで付き合ってないの?」もの。
 陽キャだ陰キャだといっても、結局、対人関係がへたくそなだけな両極にいるだけなのだ。

【陽キャなカノジョは距離感がバグっている~出会って即お持ち帰りしちゃダメなの?】【枩葉松】【ハム】【富士見ファンタジア文庫】【青春カーストラブコメ】【承認欲求】【ゼロ距離】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アラフォーになった最強の英雄たち、再び戦場で無双する! !1」 岸馬きらく

2022-04-23 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
(なんでワタシは……ずっと逃げて来てしまったんだ。一回しか……本当に一回しかない人生なのに……)
 安全な道ばかり選んで無難に生きてきたことを、今際の際に後悔してももう遅い。

 人類が最終戦争を勝ち抜き、魔王を倒してから25年。今となっては当時のことを知る者は少ない。
 しかし、滅んだはずの魔族軍が突如復活し、魔王ベルゼビュートの再来が予期された時、立ち向かうことができたのは自信満々の若手が主力の騎士団でもなければ、利権で腐りきった人類防衛連合でもなく、辺境の騎士団長として「ロートル」「全盛期は過ぎた」などと言われながらも平和な日々を過ごしていた中年男、「光の英雄」と呼ばれていたアラン・グレンジャーのみであった。
 なんとか敵の第一陣を撃破したアランは、かつての七英雄の再結集を呼びかけた……。

 カタログスペックばかりの新型ではなく、実戦証明済(コンバットプローブン)こそが信頼できるというお話の序盤。過去の逸話を紹介しつつ、敵味方の陣容が明らかになっていきます。ウェブ連載分より書籍化部分の方が先行してますので、ウェブ閲覧しても書籍の続きは読めません。
 「悪役令嬢最終形態」とか「なぜか生き残った村人」とか伝説の七英雄の二つ名がたいてい酷すぎますが、員数外の女帝マーガレット・ホワイトハイドの情けないまでのキレっぷりが好きです。そりゃそうだと同感するところしかありません。

【アラフォーになった最強の英雄たち、再び戦場で無双する! ! 1】【岸馬きらく】【peroshi】【HJ NOVELS】【ティタノマキア】【小説家になろう】【カクヨム
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「SNSで超人気のコスプレイヤー、教室で見せる内気な素顔もかわいい」

2022-04-22 | アイドル・声優・芸能
 同人作家の姉に無理矢理コミケで18禁本の売り子をさせられていた最上亮介は、そこで見かけた超人気のコスプレイヤーの少女のとびきり笑顔に目を奪われてしまったのだが、ひょんなことから知った彼女の正体は極度の人見知りのクラスメートだった。
 内気な自分をコスプレで発散していた桜宮瑞穂は、自分のコスプレ姿を亮介に撮影して欲しいとつい頼んでしまったのだが……。

 コスプレ写真というものは、コスプレイヤーとカメラマンの共同作品であって、どちらかだけでは成立しないんじゃないかというところをじっくり描いた青春小説。言いたいことがあったら言おう、カメラの機材はちゃんとしたものを用意して技術も磨こう。

【SNSで超人気のコスプレイヤー、教室で見せる内気な素顔もかわいい】【雨宮むぎ】【kr木】【角川スニーカー文庫】【ブラックカメコ】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「信長と征く1」 入月英一

2022-04-21 | 戦国転生・歴史改変
「奇貨居くべし! 我々商人風情が、古の呂不韋のように天下人を生み出せるなら! これに勝る喜びがありましょうや!?」
 大山は源吉は今井宗久にそう言い切った。

 戦国時代に逆行転生した現代人が、商人として成り上がっていく『信長と征く』。2018年よりウェブ連載開始、19年レジェンドノベルスより書籍化、2巻で停まって心配していたところで講談社文庫からリブート。確かにこちらのレーベルの方が購読者層的に合っている気がします。違和感なく棚に馴染んでます。
 このまま3巻に続きますように。

【信長と征く1~転生商人の天下取り】【入月英一】【宮下英樹】【講談社文庫】【墨俣一夜城】【脱穀機】【有松絞】【綿織物】【ラダイト運動】【ブランド戦略】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「限界超えの天賦は転生者にしか扱えない」 三上康明

2022-04-20 | 異世界転生
 人にスキルを与える天賦珠玉が採掘される鉱山で奴隷の叛乱が起き、その混乱の中で10才の少年レイジは国宝級の天賦珠玉【森羅万象】の力を手に入れてしまう。
 領主の死とそれによって誓約が外れた奴隷の暴動、さらには竜の襲撃で混乱する中、現代人としての前世の記憶に覚醒し逃亡奴隷となったレイジは、冒険者パーティー「銀の天秤」と出会う……。

 さすが大槍葦人。竜との戦いからお風呂シーンまで、読んでいて絵で見たいシーンはきちんとカバーしてます。だいたい巧いイラストレイターをわざわざ引っ張ってくる作品に外れはないのです(Not for Meはあっても)。
 そういえばKADOKAWAに吸収合併された富士見書房、カバーにも「富士見ファンタジア文庫」ではなく「ファンタジア文庫」としか記載されなくなっちゃったけど、奥付だけは今も「富士見ファンタジア文庫」なんですね。

【限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない1~オーバーリミット・スキルホルダー~】【三上康明】【大槍葦人】【富士見ファンタジア文庫】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「槍使いと、黒猫。17」 健康

2022-04-19 | 異世界転生
 四眼ルリゼゼも参戦して魔宝地図戦を攻略、貴重な武器装備のみならず新たな魔宝地図も手に入れたシュウヤたち。しかし、ペルネーテの屋敷に戻ってみれば、使用人のミミが行方不明になっていた。
 配下の闇ギルドまで動員しての捜索を開始したシュウヤの元に、赤毛のフランが飛び込んできて土下座をする。彼女の姉である大騎士レムロナまで行方不明になったというのだ……。

 魔宝地図攻略戦と悪夢の女神ヴァーミナの使徒となった公爵家の嫡男ナロミヴァスとの戦いの合間に、いつものように美女たちといちゃいちゃする17巻。
 四眼三腕とか異形の美女たちも好調。敵も味方も奇々怪々なので、イラスト付きの名鑑とか欲しいところ。

【槍使いと、黒猫。17】【健康】【市丸きすけ】【HJ NOVELS】【アクションファンタジー】【小説家になろう】【死海騎士】【神遺物】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「転移に巻き込まれた歌舞伎町のネズミ」 谷明

2022-04-18 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 『この物語の内容および結末は、決してほかの人には話さないでください』ということなので、詳細は語りません。
 好きか嫌いかというと嫌いだけれど、面白いかつまらないかというと「面白かった!」と断言する、歌舞伎町のネズミが異世界転移に巻き込まれる話。

【転移に巻き込まれた歌舞伎町のネズミ】【谷明】【平戸三平】【アース・スターノベルズ】【掟破りの傑作】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「戦国小町苦労譚15」 夾竹桃

2022-04-17 | 戦国転生・歴史改変
 織田家による東国征伐は着実に進んでいる。
 本願寺との和睦が突如としてひっくり返るが、それもまた誤差の内である。しかし、これは仲介を務めていた帝の逆鱗に触れてしまう……。

 静子出陣の回。あとは関東方面の北条・里見との戦い、伊達の藤次郎が人質としてやってくるあたりまで。
 全文の4割くらいが書き下ろし番外編という形になっていてるけれど、ほぼ里見戦の延長。表紙イラストはロングショットで静子陣営。現代のノウハウを戦国時代の技術と素材で再現するとこうなるという、特殊部隊装備みたいな侍たちがカッコいいです。

【戦国小町苦労譚】【十五、 本願寺炎上】【夾竹桃】【平沢下戸】【アーススター】【戦国ライトノベル】【無知の知】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「前近代の医家たちとその学び」 武田科学振興財団

2022-04-16 | エッセー・人文・科学
 鈍器サイズの2冊組の1冊目。曲直瀬流の勃興による近代医学の始まりから古方派を経て、漢蘭折衷派のシーボルトの影響あたりまで、一次資料を中心にまとめて考察を加えた論文集。肖像画1つから専門家が読み取れる情報の多さとか、素直にスゴいなと思いました。
 松永久秀の求めに応じて曲直瀬道三が翻訳脚註を加えたという房中術の手引きとか、物語では何かというと秘伝書みたいに扱われるし、当時のレベルからしたらそうかも知れないけれど、今となってはたいした中身じゃない気がします。少女痛の処置方とかあるのは独特だけれど、「をんなあふのきにふさしめ、そのまたをひらかしめ、なんしそのもゝのあひたにより、はらのうえにかゝりまし」くらいの話ですよ。
 あと、門人録とかしっかり掲載してあるのも特色。誰が誰の門人で、どこ出身でいつ入門したとかばっちり記録に残っているの。追っていくのも楽しそうだけれど、それは泥沼……。

【前近代の医家たちとその学び~日本近世医学史論考Ⅰ~】【町泉寿郎】【武田科学振興財団 杏雨書屋】【房中術】【門人録】【黄素妙論】【素女妙論】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする