「やあ、楽しくなってきた」
地球の文明が滅び、補給も途絶えた時、カイト・クラウチは片道切符での木星行きを選んだ。
冤罪で宇宙空間の個人牢獄に収監されていた受刑者279502号ことカイト・クラウチだったが、検閲済みとはいえデータベースからダウンロードした大昔の書籍や映像を愉しみながら案外と気ままな囚人ライフを送っていたのだが、ある日突然、刑務官ロボットのエモーションから刑期終了を告げられる。なぜか地球が滅亡してしまい、人類社会が終焉したので刑の意味がなくなったというのだ。
しかしカイトは地球滅亡の理由を問うこともなく、自殺するでも地球に無理矢理帰還するでもなく、ただ宇宙の果てに向かうことだけを望んだ。もう地球からの物資補給はない。空気も食糧もエネルギーも間もなく尽きる。
「行けるところまで行ってみようか。地球人類最後の宇宙旅行に!」
オンボロ牢獄のエンジン全開で限界ギリギリ、木星圏までたどり着けたら上出来と飛び出したのだが……。
指導者としての英才教育を受けてきた少年と元刑務官AIが繰り広げる宇宙冒険活劇。
最近微増しているスペースオペラの流れというより、ハインラインのジュブナイルを彷彿とさせる王道の冒険SFの系譜。コミカライズなら長谷川裕一先生かな……という感想が出るくらいの話とご理解いただけますでしょうか? 奇々怪々な宇宙人が登場し、不思議な形状の宇宙船が飛び交い、出会う犯罪者は極悪な地球人の生き残り。すべてに対してフラットな主人公にとって、AIや異星人の方が地球の人間より付き合いやすいのかも知れません。あの「指導者としての英才教育を受けてきた」というあたりがポイントで、人間を個で判断するのではなく、集合体として理解するという資質なので、情より理なのですね。それが非人間的に見えないための歯止めが20世紀末から21世紀初頭カルチャーへの傾倒になるのかもしれません。
【銀河放浪ふたり旅~ep.1 宇宙監獄の元囚人と看守、滅亡した地球を離れ星の彼方を目指します】【榮織タスク】【黒井ススム】【電撃文庫】【地球人と機械知性のコンビが外宇宙文明で自由に暮らすスペースジャーニー】【銀河は孤独じゃない、隣に最高の相棒がいれば。】【クラゲ】
地球の文明が滅び、補給も途絶えた時、カイト・クラウチは片道切符での木星行きを選んだ。
冤罪で宇宙空間の個人牢獄に収監されていた受刑者279502号ことカイト・クラウチだったが、検閲済みとはいえデータベースからダウンロードした大昔の書籍や映像を愉しみながら案外と気ままな囚人ライフを送っていたのだが、ある日突然、刑務官ロボットのエモーションから刑期終了を告げられる。なぜか地球が滅亡してしまい、人類社会が終焉したので刑の意味がなくなったというのだ。
しかしカイトは地球滅亡の理由を問うこともなく、自殺するでも地球に無理矢理帰還するでもなく、ただ宇宙の果てに向かうことだけを望んだ。もう地球からの物資補給はない。空気も食糧もエネルギーも間もなく尽きる。
「行けるところまで行ってみようか。地球人類最後の宇宙旅行に!」
オンボロ牢獄のエンジン全開で限界ギリギリ、木星圏までたどり着けたら上出来と飛び出したのだが……。
指導者としての英才教育を受けてきた少年と元刑務官AIが繰り広げる宇宙冒険活劇。
最近微増しているスペースオペラの流れというより、ハインラインのジュブナイルを彷彿とさせる王道の冒険SFの系譜。コミカライズなら長谷川裕一先生かな……という感想が出るくらいの話とご理解いただけますでしょうか? 奇々怪々な宇宙人が登場し、不思議な形状の宇宙船が飛び交い、出会う犯罪者は極悪な地球人の生き残り。すべてに対してフラットな主人公にとって、AIや異星人の方が地球の人間より付き合いやすいのかも知れません。あの「指導者としての英才教育を受けてきた」というあたりがポイントで、人間を個で判断するのではなく、集合体として理解するという資質なので、情より理なのですね。それが非人間的に見えないための歯止めが20世紀末から21世紀初頭カルチャーへの傾倒になるのかもしれません。
【銀河放浪ふたり旅~ep.1 宇宙監獄の元囚人と看守、滅亡した地球を離れ星の彼方を目指します】【榮織タスク】【黒井ススム】【電撃文庫】【地球人と機械知性のコンビが外宇宙文明で自由に暮らすスペースジャーニー】【銀河は孤独じゃない、隣に最高の相棒がいれば。】【クラゲ】