many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

酒乱日記

2009-03-20 21:55:16 | 小林恭二
小林恭二 1993年 平凡社
なかみは、大きく分けて、
「酒乱日記」「温泉日記」「歌舞伎日記」ということになる。
帯には“初のエッセイ集”となっているから、そうなんだろう。
酒乱日記は、作家、編集者とかギョーカイの人と飲んで、
酒乱呼ばわりされちゃう日常の周辺の話で、
温泉日記は、温泉に取材ということで行ったはいいが、
やっぱ酒飲んぢゃうという、似たような話ではあるが、
まあ、とにかく面白いです。

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短歌パラダイス

2009-02-18 22:24:25 | 小林恭二
小林恭二 1997年岩波新書
というわけで、昨日のつづき。
好きな本です。
小林恭二の小説が好きで、出版されたものは、一も二もなく買うんですが、この新書も中身なんか考えずに買いました。
俳句をやるひとのはずが、なぜ短歌の本を?と思ったのですが、読んでみると内容は単なる短歌ぢゃなくて「歌合せ」
歌合せとは何か?っていうのは、読んでもらえればわかるんですが、要は短歌を出し合って、どっちが優れているか勝負すること。著者も認めてるように“すでに滅んだ遊び”
短歌を普通に読んだだけでも意味がよくわからないことが多いのに、その優劣を決めることなんかわかりっこないと思いきや、本書はすごく面白くできています。
私にそのテの文才があったら、やってみたいと思うくらい。
この本、いいです、何度も読み返すもののひとつです。

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ゼウスガーデン衰亡史

2009-01-28 22:01:00 | 小林恭二
1991年福武文庫版と1999年ハルキ文庫版と両方もってる。
(ハルキ文庫には『ゼウスガーデンの秋』(IとIIの2つ)という短編が入っている)

面白い長編です。
「電話男」から何となく入っていった私は、この長編で初めて作者のすごいパワーに圧倒されました。
話は、下高井戸の場末の遊戯場が膨張していき、やがて日本の国家よりでかくなっていくという、なんだか言われてもよくわからないストーリーなんだが。
なんせ、その物語の奇想天外な展開や、出てくるアトラクションや、そして何より言葉の使い方が魔術のようで、読んでてグルングルン引っ張りまわされる感じが最高。

物語中に出てくるアトラクションは、「鮫入りプール」だとか「中華園」だとか「テレビマン」だとか「恐怖館」(開業初年度だけで発狂者八人)だとか「バイオランド」だとか「マンダランド」だとか、いろいろあるけど、私の一番のお気に入りは「追憶の道」
ネタばらすと“十八世紀のロシアの農村風景をまるっきり再現しただけのもの”が訪れた人に深い印象を与えるという発想と描写。とてもいいです。


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