色川武大 1989年 新潮社
前回のつづき、ってのは、同じとき買った古本で、芸人に関するものってことで。
色川武大っていっても、私は阿佐田哲也の麻雀放浪記ひとつしか読んだことはないんだが。
『江戸前の男』のなかに、色川武大が出てくる。
春風亭柳朝がまだ二つ目のときに、新橋の雀荘で卓を囲んで、たいそう負かされたそうで。
色川武大のほうは、寄席でみたことがあって相手が落語家だって知ってた、で、そのあと一緒に飲んで、年も同じくらいだし話が合って仲良くなった。
別れるとき、「芸人さんが博奕に入れ込むと目付きが険しくなっていけない」と意見されて、しばらくその忠告に従った。
でも、その後ずーっと、柳朝のほうは相手の本名も連絡先も知らないでいるんだから、おかしな関係だ、麻雀仲間の言ってた色さんという呼び名しか知らない。
で、晩年、柳朝が病に倒れたあと、色さんは「銀座百点」という小冊誌のエッセイに、柳朝のことがいかに好きかと書いた、1988年のことだ。
病床でそれ読んで柳朝は泣いたらしいけど、もっと悲しいことにその翌年に色川武大は亡くなってしまう、そんときゃやっぱ泣いたって。
その「明日天気になァれ」って題された文が収録されてるのが、この本。
>はじめ、がんばれ柳朝、というタイトルにしようかと思って、やめた。(略)がんばれ、とつければいいってもんじゃない。
って書き出しは、なんともいい。
ところで、ぜんぶ一応読んでみたんだけど、なつかしいっていうよりも、戦前戦中の話が多いんで、私にはリアルには知らない人ばかりで、とても、そうそう、いたいた、なんてことは言えない。
なんでも10歳くらいのころから、浅草のいろんなとこ行って演芸あらゆるもの観てたらしい、やっぱ小説家になるひとはそうでなくちゃいけないのかね。
コンテンツは以下のとおり。
「化け猫と丹下左膳」
「馬鹿殿さま専門役者」小笠原章二郎のこと
「アノネのオッサン」
「故国喪失の個性」ピーター・ローレ
「流行歌手の鼻祖」二村定一のこと
「ガマ口を惜しむ」高屋朗のこと
「誰よりもトテシャンな」岸井明のこと
「マイナーポエットの歌手たち」
「チャンバラ映画の悪役たち」
「パピプペ パピプペ パピプペポ」杉狂児のこと
「敗戦直後のニューフェイス」
「浅草有望派始末記」
「いい顔、佐分利信」
「怒り金時の名寄岩」
「ロッパ・森繁・タモリ」
「青バット 赤バット」
「超一流にはなれないが」原健策のこと
「ヒゲの伊之助」
「パンのおとうさん」
「話術の神さま」徳川夢声のこと
「明日天気になァれ」春風亭柳朝のこと
「歌笑ノート」
「日曜娯楽バーン」三木鶏郎のこと
「ブーちゃんマイウェイ」市村俊幸のこと
「渥美清への熱き想い」
「とんぼがんばれ」逗子とんぼのこと
「エンタツ・アチャコ」
「忍従のヒロイン」川崎弘子のこと
「リズムの天才」笠置シヅ子のこと
「金さまの思い出」柳家金語楼のこと
「アナーキーな芸人」トニー谷のこと
「本物の奇人」左卜全のこと
「あこがれのターキー」水の江瀧子のこと
「エッチン タッチン」
「有島一郎への思い入れ」
「唄のエノケン」
前回のつづき、ってのは、同じとき買った古本で、芸人に関するものってことで。
色川武大っていっても、私は阿佐田哲也の麻雀放浪記ひとつしか読んだことはないんだが。
『江戸前の男』のなかに、色川武大が出てくる。
春風亭柳朝がまだ二つ目のときに、新橋の雀荘で卓を囲んで、たいそう負かされたそうで。
色川武大のほうは、寄席でみたことがあって相手が落語家だって知ってた、で、そのあと一緒に飲んで、年も同じくらいだし話が合って仲良くなった。
別れるとき、「芸人さんが博奕に入れ込むと目付きが険しくなっていけない」と意見されて、しばらくその忠告に従った。
でも、その後ずーっと、柳朝のほうは相手の本名も連絡先も知らないでいるんだから、おかしな関係だ、麻雀仲間の言ってた色さんという呼び名しか知らない。
で、晩年、柳朝が病に倒れたあと、色さんは「銀座百点」という小冊誌のエッセイに、柳朝のことがいかに好きかと書いた、1988年のことだ。
病床でそれ読んで柳朝は泣いたらしいけど、もっと悲しいことにその翌年に色川武大は亡くなってしまう、そんときゃやっぱ泣いたって。
その「明日天気になァれ」って題された文が収録されてるのが、この本。
>はじめ、がんばれ柳朝、というタイトルにしようかと思って、やめた。(略)がんばれ、とつければいいってもんじゃない。
って書き出しは、なんともいい。
ところで、ぜんぶ一応読んでみたんだけど、なつかしいっていうよりも、戦前戦中の話が多いんで、私にはリアルには知らない人ばかりで、とても、そうそう、いたいた、なんてことは言えない。
なんでも10歳くらいのころから、浅草のいろんなとこ行って演芸あらゆるもの観てたらしい、やっぱ小説家になるひとはそうでなくちゃいけないのかね。
コンテンツは以下のとおり。
「化け猫と丹下左膳」
「馬鹿殿さま専門役者」小笠原章二郎のこと
「アノネのオッサン」
「故国喪失の個性」ピーター・ローレ
「流行歌手の鼻祖」二村定一のこと
「ガマ口を惜しむ」高屋朗のこと
「誰よりもトテシャンな」岸井明のこと
「マイナーポエットの歌手たち」
「チャンバラ映画の悪役たち」
「パピプペ パピプペ パピプペポ」杉狂児のこと
「敗戦直後のニューフェイス」
「浅草有望派始末記」
「いい顔、佐分利信」
「怒り金時の名寄岩」
「ロッパ・森繁・タモリ」
「青バット 赤バット」
「超一流にはなれないが」原健策のこと
「ヒゲの伊之助」
「パンのおとうさん」
「話術の神さま」徳川夢声のこと
「明日天気になァれ」春風亭柳朝のこと
「歌笑ノート」
「日曜娯楽バーン」三木鶏郎のこと
「ブーちゃんマイウェイ」市村俊幸のこと
「渥美清への熱き想い」
「とんぼがんばれ」逗子とんぼのこと
「エンタツ・アチャコ」
「忍従のヒロイン」川崎弘子のこと
「リズムの天才」笠置シヅ子のこと
「金さまの思い出」柳家金語楼のこと
「アナーキーな芸人」トニー谷のこと
「本物の奇人」左卜全のこと
「あこがれのターキー」水の江瀧子のこと
「エッチン タッチン」
「有島一郎への思い入れ」
「唄のエノケン」