kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

試合モードへ2

2014-02-04 | 陸上競技
続き。

バトン練習を行いました。が、この日も安定せず。各自の走力の確認ができていません。ある程度の確認はしていますがそれぞれが走れるようになってきたら足長は変えていかなければいけません。反応が遅れれば一気に詰まります。この状態で試合を迎えたら・・・。走力だけで勝負できるほど甘くはありません。もっと精度を高める。早出する者は問題外です。距離感がつかめていない。あれほどやっているのですから感覚をつかんでもらわないと先に進めません。先週くらいからちょっと良くない状態です。考えないといけません。

シーズン中であれば一気にスピードレベルが変わるということはありません。この時期は動きができるようなってくれば大きく変わります。そういう時期だと思っています。そういう部分も視野に入れながら集中してバトン練習に取り組んでいかなければいけません。そのことに関してもきちんと各自がノートに記録してどのような場面で失敗したのか、上手くいったのかをきちんと理解しておかなければいけないと思います。

その後、中間の動きを意識する練習を行いスタートへとつなげていくことに。マーク走を行いました。見ていると決められた区間でマークが詰まってしまう選手がいます。理由は簡単です。中間での重心移動が少しできるようになってきたから。中間でのマーク走は「刻む」意識で行わせています。「詰まる」と「刻む」は違います。「刻む」のはピッチを上げるのではなくピッチを保つイメージでしょうか。適当にマークを置いて走るのではなく、そこにきちんとした意味があるのです。走るだけの練習にしたくない。

最後にスタート。これはちょっと圧巻でした。1年生がここ最近かなり走れるようになってきていることはblogに何度も書いています。小さなエースと互角レベルで走ることが増えてきました。この日、残念ながら全く太刀打ちできませんでした。1年生が悪いというのではなく小さなエースがついに「試合モード」に入ったのです。なかなか分かってもらえないと思いますが、「試合モード」と「練習モード」は別人です。本人は練習も一生懸命にやっているのですが、モードが切り替わるとスピードレベルが全く違います。田島記念の前のように「これは速いな」という感じがありました。本当に速い。あまりにも動きが良いので60mで練習を取りやめました。これ以上はやらない方がいいだろうと判断。

このタイミングで大きなエースが微妙な表情をしていました。男子と一緒に走っているのでなかなか勝てません。11秒前半の選手と戦うというのは簡単なことではありません。大阪室内がありますから自信を完全に失った状態で行くわけにはいきません。最後の1本で80mを1年生と一緒に走らせることにしました。普通(!?)の女子と一緒に走るとどうなるのか。結局、めちゃくち離されました。もちろん1年生が。勝負にならないというくらいの差だったと思います。実は走れるようになっているのに対戦相手が自分よりも力が上であれば遅れてしまう。当然のことです。一年生と一緒に走ることで自分の走りを確認できたのではないでしょうか。

こうなると一年生の落ち込みが激しい(笑)。大きなエースと一緒に走った後、その場に座り込んでいました。大丈夫か?と聞くと「心が折れました」とのこと。ここは笑えません。
うちのエース二人が力を出すと今のところ付いていけないというのが実際のところです。そこが現実だというのを受け入れなければいけません。今の力では戦えないのです。「心が折れました」という表現、ある意味「戦おうとしている」という気持ちの現れだと思います。これまでであれば「勝てなくても仕方ない」と思っていたはずです。それが「勝とうとしたけど付いていけなかった」という部分です。最後の一本を走る前に小さなエースと一緒に走っていました。ここ最近なんとか付いていけてたというのが自信につながりつつあったはずですが、この日は相手にしてもらえませんでした。それだけの実力差が存在するのです。この局面だけ見るとまだまだ力不足なのかもしれません。

しかし、両エースが良い走りをした時の「差」はこれまでだと本当に別次元の「差」が付いていました。今回は二人がいい走りをしても何とか付いていけるようになっているという確認ができたのです。付いて行こうとして付いていけなかったという問題点だけではなく、その「差」が明らかに小さくなっている。そこが成長だと思います。十分強くなっているのです。

この日の練習は本当に驚かされました。特に小さなエースの集中した時の走り。練習でここまで集中力が上がるという姿を初めて見ました。この時期に「試合モード」になるとこれから先は楽しみです。大きなエースと小さなエース、今後どちらが勝つかは正直分からないと思っています。身近なライバルの存在が刺激になるのだと思います。今のところ一緒に走りません。大きな舞台で戦ってもらいたいですね。スピードが上がりました。楽しみです。大阪室内が楽しみというのではなく今後の戦いが楽しみなのです。良い勝負をしてくれたらと思います。一年生がその間に割って入ってくれるともっと面白いのですが。

走りは非常に良かったと思います。戦えるレベルまで上げていけたらと思います。
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試合モードへ

2014-02-04 | 陸上競技
月曜日、前の記事に書いたようにまだまだ1年生の「自立」ができていないなと感じる部分がありました。あと数か月もすれば学年が上がります。この状態では下級生の指導はできません。これでは勝負はできません。自分たちのことを自分たちで行えるようなチームでなければ大事な場面で勝負にはならないのです。ここの部分は微妙ですね。力がついてきてもこういう部分の成長が足りなければ・・・。今後の課題ですね。

朝の時点で「動きの課題」について考えさせてさせていました。繰り返しになりますが自分自身の走りについての理解が必要だと最近強く感じるようになってきました。「なんだかよくわからないけど走れた」というのでは「再現性」がない。「再現性」とは次も同じ動き、同じ走りができるかどうかという部分です。選手の中にはものすごい持ちタイムがあっても実際はそれほど速くないという者がいます。これも師匠がよく言われることなのですが「レースを数多くこなせば1回くらいはものすごい記録が出ることがある」のです。しかし、それが「実力」かといわれたらそれは違うと思います。100回走って1回良い記録が出る。その1回が中国大会の決勝で出せるか?もっといえばそこに到達するまでに記録が出せなければ「勝負の舞台」に立つことさえもできないのです。「たまたま記録が出た」というのではなく自分自身である程度狙って記録が出せるようになりたい。そのためには「動きの理解」が必要になってくると思っています。これも私が思っているだけなので本当に正しいかどうかは分かりません。これをやるにはかなりの時間とエネルギーを要するのでやらないのだといわれることもあるかもしれませんね。

アップでダイナマックスを使っています。教えていただいた部分を導入しながらです。これは「意識する部分が明確になる」というのが必要条件です。「やるけだけ」の練習では負荷はかかるかもしれませんが、本当に必要な練習にはなりません。様子を見ていると「投げるだけ」になってしまう選手がいます。これも一生懸命に取り組んでいるのでしょうが・・・。見ていて「効果がないな」という感じもしました。サーキットを行った方が効果が高い可能性があるなと。しかし、今やりたいことは「筋力アップ」だけではなく「意識して取り組むこと」「走りにつながる動きをすること」です。我慢の時なのかもしれません。スキップをしながらのダイナマックス投げはかなり難しい。それは分かっているのですが単なるスキップになってしまう選手は狙いとする部分の克服はできないですね。必要な情報はDVDにして選手全員に配布しています。これを何回か見たか??自分のために与えられた情報を自分自身で利用しないというのは本当にもったいないと思います。ここも大きなテーマです。「自分のためにやる」「強くなるためには何でもする」というモチベーションが持てると一気に強くなるのですが。

ドリルが終わりスティックを使ったもも上げへ。ここはスムーズにいきました。朝練で数人はこの動きを意識して行っていました。中間につなげるためにどうするか?走れば良いというわけではありません。足運びや接地ポイントを意識するためには必要な動きだと思っています。流れの中でやっていく。ここまでの段階をあまり焦りすぎると狙いとする動き以外が身についてしまいます。それでは「逆効果」となります。地道な積み重ねですがやっていくしかりません。本当に「強くなりたい」と思うのであればやはり「意識して行う」という部分は避けては通れない部分です。最初は単純にもも上げ、その後少しずつ前に進むための動きに変えていく。足だけの動きにならないように注意しておかなければいけません。「速く動かす」という部分をやりたいのですがここも我慢。「速さでごまかす」というのは絶対に避けたいと思います。

この部分、数年前大きく失敗したことがあります。選手には本当に申し訳ないことをしました。本人の感覚的にも「速く動く」というのが出てきたのでこれは大丈夫だと確信をしていたのですが実際の走りに上手くつなげることができませんでした。この時、ある指導者から聞いた話を思い出しました。以前、「ラダー」が流行った時期があります。今でもアジリティートレーニングとして行われていますが、20年くらい前にSAQトレーニングとして現場に導入されたものです。とにかく速く動かすことで走るときのピッチを上げる。自分の身体のコントロールをするというような目的があります。しかし、「速くやる」ことだけにとらわれすぎて最も大切なことを見失っていたと話されていました。「速く動く」ことと「速く走る」ことは同じではありません。「速く走る」ための条件としては「速く動く」ことも必要です。しかし、「速く動ける」から「速く走れる」とは限りません。足先だけで処理できる部分が出てくるので「速く動く」ことは可能です。しかし、重心移動を伴わない「速さ」は走力のアップにはつながらないのです。

今でもその場での「台ステップ」は行っています。しかし、それだけをやるのではなく他の動きも取り入れながらです。「速く走るための条件」として「速く動く」とい練習を入れるだけでそれをやれば速くなるというのではありません。ダイナマックスを利用したトレーニングなどは「ものすごく速い動き」はできません。意識すべきは「できるだけ速い動きの中で行う」「重心移動を伴った動きをする」ことだと考えています。もちろん、すごく難しいですが。

あー、また話が長くなっています。お許しを。この日の練習のことは詳しく書いておきたいと思っているのですが気がつくと話が横道にそれています。書きながら自分の頭の中の整理をしているので同じような内容が何度も繰り返し書かれているかも知れません。そのあたりはお許しください。

また別に書きます。
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