kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県選手権9~目指したいもの&支えてもらうことへの恩返し~

2016-05-03 | 陸上競技
続き。「記事を短く分ければいいわけじゃない」「県選手権だけでどれだけ書くんだ」「今の仕事より小説家になるべきだ」という応援のメッセージを頂きながらやっています(笑)。親しい方から別件の連絡のついでに「いい加減にしろ」とツッコミが(笑)。そりゃこれだけ書いていたら言われるわって話ですね。一応、それぞれの記事にテーマがあって書いています。わかりにくいとは思いますが。

リレーの事もですがやり投げのことも書いておきます。冬季練習中から何度がBOSSに指導してもらっています。専門的な事は専門家に聞くのか早いので。多くの人は遠慮するのかそこまでしてやろうとしないのか分かりませんが「練習を見てもらう」ということをしません。図々しいと言われるのかもしれませんが「選手が結果を出すためならなりふりかまわず」というのが私のスタイル。ほぼ素人の選手でしたが時間を作ってもらって教えてもらいました。

県記録会21m69→支部大会23m37→県選手権24m54と少しずつ記録を伸ばしています。大会で一緒になった時にBOSSも投擲を見てくれてアドバイスをくれます。毎日専門的な指導を受ける事は出来ませんがこうやって時々でも専門家に見てもらえることは大きなことだと思っています。やり投げのKが大会終了後にBOSSにあった時、「自己ベストが出たんだからもっと喜べばいいのに」と言われたそうです。まさにそこだと思っています。「もっと良い記録を出したい」という気持ちは誰にでもあるでしょう。しかし、少しずつでもベストを更新していくというのは本当に大きなことだと思います。自分がやって来たことを「認めてあげる」という感覚です。まだ県で戦うレベルには達していません。それでもやって来たことが少しずつ出せるようになってきている。大切なことではないでしょうか。こうやって「気にかけてくれる」というのは本当にありがたいことだと思います。

女子のリレーでチームベストが出ました。というか、今の学校での「学校別最高記録」っていうのは分かりませんから本当にベストなのかはわかりませんが(笑)。多分51秒02もチームベストだったと思います。まーとにかく無事に完走できたというのが大きかったと思っています。

レースが終わってからフィニッシュ地点へ。ここが一番選手が集まってくるでしょうから。アンカーを走ったAと保護者が一緒にいました。良かったね、と声をかけると「先生、めちゃめちゃ楽しかった!!」と笑顔。タイム云々というよりも「本当の陸上競技」が出来た楽しさなのだと思います。で、「秘密にしていたけど昨日の夜から熱があったんですよ(笑)」と。おいおい(笑)。笑っている場合じゃない。

その場にSとMが戻ってきて抱き合って喜んでいました。こういう光景は良いですね。1人合流できないので探して話をしておいでと移動させました。

保護者と少しだけ話をしました。涙ぐんでおられました。「走れて良かった」という素直な感想を言われていました。実際去年1年間はほとんど走れていません。いや、正確に言うと中学2年生の途中から走れていませんでした。怪我をしてその回復が全くといって良いほど上手くいかず思うような走りが一度も出来ていなかった。保護者も本人も苦しかったと思います。

苦しんでいる時に高校に進学して偶然私と一緒に競技をすることになった。保護者は「ひょっとしたら復活できるかもしれない」と思ったとのこと。いや、私にそこまでの力はありません。それでもそういう期待を込めて保護者は子供たちを見ているんだなと身が引き締まる想いがしました。保護者はどんな状態であっても選手を応援してくれているのです。良い時は勿論ですが苦しんでいる時にも近くで応援してくれている。誰よりも近くで見てくれているのです。

何かしてあげられる事はないのか?と自問自答されながら過ごしていたのだと思います。そんな中で個人で高校ベスト(中学ベストはまだ)、4継でアンカーを務めて49秒台突入。見ていて嬉しかったと思います。涙が出るほど。安心した部分もあると思います。

こちらからすればAがいてくれるから女子がまとまるという感じがあります。その事も保護者に伝えました。「1年生が入ってきてくれたお陰でAは大きく変わってきた」と言われていました。Aが本気になって変わってきたのでその周りにいる家族も取り組みが変わってきた、と。本人が食事などにも気をつけて欲しいと家で申し出る。それによりご飯は「鳥のササミ」が中心になる(笑)。家にいたら「散歩にでも行ってくれば?」と言われるようになる。選手本人が変わればその周りにいる人も感化されてそれに合わせてくれるようになるのです。

3月末からの1ヶ月半で一番変わったのはAだと思っています。他の子もそれに引っ張られるように変わってきている。ここには私の指導が多少なりと影響しているかもしれませんか一番は本人がやる気になったというのが大きいと思っています。きっかけは1年生が入ってくるのが決まったからというのもあるでしょう。

何度か書いていますが「表面的に見えることとは違う部分」があるのです。常に順調と思われるかもしれませんがそのような事はありません。正直、大変なことの方が多いのです。下級生に強烈な選手が入ってきたらそれだけで強くなる。そんなに簡単ではありません。それを受け入れるだけの「土壌」が必要です。まー贅沢な言い訳をしているように感じられるかもしれませんが。

リレーで戦うことを中心に置いています。それをまとめていける「リーダー」が存在しなければいけません。自分達よりも力がある後輩が入ってきたらそれを拒絶する場合もあるでしょう。自分達の居場所がなくなってしまうから。それにより不協和音が生じることは多々ある。そんな低レベルな話をしていたら勝負はできません。ましてや女子は「3人」入ってきただけです。リレーを組むためには「1人」足りないのです。どれだけ強い選手がいたとしても「4人」いないとリレーは組めない。そこの部分の大切さを全員が感じ取れないといけません。

男子はここの部分が足りないのかなと感じています。「リレーで勝負をする」という感覚です。シビアさが足りないのです。走力だけではない。何か足りない部分があるから「計算上のタイム」が出せないのです。これを突きつけられただけでもこの県選手権は男子にとってプラスだと思っています。

「49秒67」が出たとはいえ、1位とは1秒5の差があります。単純計算で1人0.4秒の差です。この差を埋めるのは簡単ではない。だから「今の位置に満足する」というのではダメだと思っています。「49秒台が出た」ことに満足するのではなく更に上を見ていかなければいけません。私としては県総体で「48秒台」を目標に掲げたいと考えています。周りは「無理に決まっている」「そんなに簡単な話ではない」と言うかもしれません。が、そこに耳を傾けていたら「49秒台」で終わってしまう。目指すところは「県で2番」ではない。

前任校の話ばかりになります。4継でインターハイを目指すと私の目標を掲げた時、「12秒20、12秒98、14秒01、14秒54」でした(笑)。この記録で何を言うのか?と言われるかもしれませんね。それでも秋には「12秒20、12秒35、13秒18、13秒34」まで行きました。周りが「そんなことは無理だ」といっても自分達が「出来る」と思い込んで必死にやれば可能性が出てきます。男子も同じことが言えると思っています。周りとの力の差を考えてしまい「やっても無理だ」と思うならやっぱり無理だと思います。やらずに自分で勝手に限界を決めてしまう選手は強くなる可能性をなくしているからです。

私は周りに何と言われようと最終的に46秒台を目指すつもりです。インターハイの決勝に進む。このために今できることをしっかりとやっていきたい。もちろん女子だけではなく男子にも可能性はあると思っています。だから周りから「否定的な言葉」を言われても「自分達はできる」と思ってやっていかなければいけないと思います。他者から自分の可能性を否定される筋合いはない。県総体で48秒台を出す、男子が43秒台を出す。不可能だと思ったらその時点で終わり。

高校生です。やらずに言い訳を考えるより、全力でやってみて失敗する方が良いと思っています。あえてこうやって公に目標を掲げることにより「退路を断つ」という部分もあります。私が1人で思っているだけでは届きません。全員がバカになって「できる」と信じて進んでいくことが出来れば可能性が出てくると考えています。

大会を保護者が見にきてくれます。やはり応援してくれているのです。また、これまで指導に関わってくれた方々が気にかけてくれています。そういう部分がエネルギーになるのです。少しでも良い姿を見せて欲しい。それを切に願います。

長くなりました。多分、これくらいで県選手権の話は終わりにしたいと思います。思い出したらまた書きますが。別に記録が出たからこうやって書いているわけではありません。前からずっと書いていたと思います。狙うのは「県で何番」とか「総合で何番」とかではない。チームとしての「総合力」は総合得点で計るわけではありません。そこにたどり着くまでの「想い」だと思っています。数値での競争ですが目に見えない部分を大切にしたい。

お付き合いありがとうございました(笑)。
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県選手権8~1年後に向けてのスタート2~

2016-05-03 | 陸上競技
さらに続き。

県選手権の初日、1年生2人が200mに出場しました。かなりの疲労度だと思います。更には2年生が足の痛みを訴えて棄権していました。これはリレーに備えてという部分。加えて前日に体調が微妙そうだったので気になっていました。それでも出場する、との事でした。万全の状態とはいえませんがそれでも戦うという姿勢は持ち続けたい。

女子に関しては「リレー前の声出し」をするようにしました。前任校でやっていた事をうちでもやろうと。県内でどこもやっていませんでしたが「気持ちをつなぐ」という部分で重視していました。技術云々の部分もかなりやっていますが女子は「心をつなぐこと」が大切だと思っています。どれだけ力があっても仲が悪かったり、目標が共有できていなければバトンが繋がらないと思っています。精神論ではありませんが実際にあると思っています。

支部大会の時にはこれを伝えるのを忘れていました(笑)。この日も忘れていたのでリレーのアップに行く前に控え場所に行って伝える。最初は「いきなりですか?!」と言っていましたが「県総体でいきなりやるのは無理でしょ?」と半ば強引に押し切る。SとAは「全然大丈夫!」と余裕。MとNはテンパる(笑)。普段大きな声を出しませんからね。練習の時男女問わずに「声出し」はするようにしています。それとは異なる部分がありますが普段やっている事を試合会場でもやるというだけ。難しい話ではありません。

リレーのアップの時に声を出してバトン合わせ。慣れないだろうからこういう時に大きな声を出してやっておく事が大切だと伝えました。当然ですが。それなりに声が出ていました。終わってからスパイクを脱ぎに控え場所に戻る時にある子が「先生...」と言い出すので「ん??」となりました。レース前に何か言わないといけない事があるというのは「故障」なのか?「どうした?」と尋ねると「これ以上大きい声が出ないかも...」、と(笑)。爆笑。周りも「何言ってんだよー」みたいな雰囲気に。まー意図的にリラックスさせようとしたわけではないと思います。不安もあったのでしょう。変にピリピリしてやるよりはこうやって「素のまま」で行ける方が良いのかもしれません。

またも前任校の話になります。これも何度も書いています。県総体で優勝を狙って臨んだ決勝前。小さなエースが全体を盛り上げていました。1走を走る2年生が緊張するタイプですから「いつも通り」を心がけていた、と。変に「絶対に優勝しよう!」とか「記録を出してインターハイに届くようにしよう!」と言い出すとやはり「いつもとは違う雰囲気」になると思います。それだけでも緊張感があるのに更に緊張してしまって力が出せなくなる。小さなエースは他の2人に「Kちゃんが緊張しないようにそういう話はしないようにしよう」と話していたそうです。これも「チームとして」は大切なことだと思っています。

実際のレース、多少ぎこちなかったですが「声出し」ができました。それぞれが大きな声を出していましたね。Sが大きな声を出したのでAが更に大きな声を出す。下級生が入ってくれて本当に女子のリーダーとして大きく成長しています。1年生3人だけではここまで一気に変わることはなかったと思います。

レース自体は良い流れでした。タイムは49秒67!!早いわ(笑)。私的には50秒切りが目標ね、と伝えていたのですが。本人達は「実感がわかない」状態でしたから「50秒前半が出したい」と言っていました。まーこれまでとのギャップが大きすぎてそこまでの事をイメージできないでしょうね。私的には1走が変わって1秒、アンカーが支部大会よりも0.3秒速く走れていたのでトータルで1.3秒上がるかなと。単純ですが49秒7かなーと思っていました。まさにそのタイム(笑)

この話の続きはまた別に。ここに関しては「成長」と「恩返し」という部分を書き記しておきたいので。
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県選手権7~1年後に向けてのスタート~

2016-05-03 | 陸上競技
続き。女子の4継に関して。今回の県選手権で最も重きを置いていた種目かもしれません。「戦う」事を最大目標に置いていました。そして「新チーム」としてのスタートラインに立つために意識していた大会でした。

支部大会、女子の4継は51秒02でした。新入生が入ってきてくれたのもあり「台風の目」となるタイムとなりました。親しい人にはすでにお伝えしていましたが「1走が違う」という状況の中での51秒02です。うちは女子選手7人。1年生3人は完全なスプリンター。2年生は高跳1人、やり投げ1人、棒高跳1人、そして短距離1人の状況。人数が多ければ多いほど良いとは思ってはいませんが誰か1人でも故障をしてしまうと「替わりに走る選手が居ない」という状況でした。

支部大会、1走のMが走れない状態でした。個人で勝ち上がることを優先したかったのでリレーを外すことに。走らせていたらそれなりに走ったところ思います。男子と違って1走でしたからバトン練習も最小限で済みます。そう考えると「無理をさせたくない」という部分もあるので急遽変更しました。急遽というか4月に入ってバトン練習出来ていないのでその前の段階から高跳選手のMに走ってもらうしかないかなという感じでしたが。

高跳選手Mも県記録会で足を痛めていました。踏切の時に痛めたのです。150まで1回目で跳んでかなり良い感じだったのですが155の1回目で痛めてしまいました。見ていて足を気にかけていたのでどうかしたのかな?と思っていましたがかなり酷かった。今は踵の痛みだけですが踏み切れません。それでもリレーを走らせました。前にも書きましたが普段は「やってやる」というのを前面に出すことはない選手です。それでも「自分が走らないと他の子に迷惑をかける」と口にしていました。「Mちゃんが走った方が速いのは分かっているけど少しでも私が速くならないと」と。スタブロからの出の練習もほとんどやっていません。それでも必死にやってくれて支部大会に出ました。51秒02はチームとしてかなり価値のある記録なのです。全員でここに向けてやってきたという記録。褒めてやって欲しいですね。

1年生が入学が決まった時からアンカーは2年生のA決めていました。これも考えがありました。昨年度14秒台であったA。普通なら「3走」配置でしょうか。前任校で3走と2走4走の走力差が1秒以上ありました。12秒17と12秒14の間ですからかなり難しい。走力差があるのは「流れ」としてどうなのかと感じていましたが、当時は3走が入学してきた瞬間から「2走から4走までは固定して変えない」と決めていました。勝負するなら繰り返し練習していく事が必要になります。

また1走にAを配置するという考え方もあると思いますが「流れ」を重視しました。最初に遅れてしまうと2走以降が焦ります。アンカーの1年生に「追わせる」よりは前半から逃げまくる方が良いかなと思っていました。Aはかなりのプレッシャーだと思います。周りからも「1年生が入ってきたから強い」と言われるでしょう。が、リレーを走るためには最低でも4人必要です。どれだけ強い3人が入ってきたとしても残りの1人がチームに居てくれなければ出場さえ出来ないのです。

また、3走はSにしました。200mが強いというのもありますが実は他の理由が。当然ですが実力がある選手は大抵2走か4走を走ります。うちに来てくれた3人も当然ながら「直線」がメインでやってきています。一番異なるのは「手を出すのが逆になる」という部分です。とっさに出てくる手というのはやはり「慣れ」が必要です。Sはかなり身体能力が高く適応できます。そういう部分もあり3走へ抜擢。この1ヶ月間練習を重ねてきました。3走はかなり難しいと思います。そこを任せられる選手というのはなかなかいません。ひょっとしたら3年間3走をSに任せる事になるかもしれません。それくらい期待しています。

2走はエース区間ですから私的には「一番速い選手」を配置します。これによりNが2走。これは慣れているので大丈夫なのですが。もらう手が下手。何度も何度もやっていますがなかなか(笑)。まーとにかく「試合での強さ」は抜群ですから安心して任せられます。普段の「オーラの無さ」は尋常ではないですが(笑)。

1走をMにしました。NとMは双子。双子が同じチームでやるのは大変だと言われます。特に同じ種目をやっていますから本人達も意識するのではないかと思います。Sも双子ですが専門種目が違います。年子の場合などではよく「お姉ちゃんは◯◯だったのに...」的な比較をされます。ましてや同級生であればもっと比較されるでしょう。私的には双子という認識が全くないのでその手の比較はしません。顔が似ているとさえ思った事がない(笑)。

あえて2人ででバトンをつなぐ事にしました。保護者はこういう場面をなかなか見る事が出来ないでしょうし(笑)。周りも「おー?!」と感じるでしょう。

男子もあれこれ考えて組んでいます。こちらはこれ以外に組み方がないというのはあるのですが(笑)。女子とは組み方が異なりますしある程度限定されます。エースは2走。ここまでで遅れたらもう終わりです。エース区間でしっかりと戦ってもらえないといけません。こちらは3年生が入っていますからその中で勝負していかなければいけません。1年後を見据えてという悠長な事は言っていられないのです。まずは目の前の大会で走らないといけない。

県選手権のリレーの話を書こうと思っていたのですがそこまで届きませんでした。いや、今回のリレーに関してはかなりのドラマがあります。どこのチームでもあるのでしょうが。それをこうやって公に書くかどうかの違いでしょう。私的には知ってもらいたいというか記しておきたいというのがあります。特に女子に関してはドラマ的な要素が多い。うちの取り組みや考え方を知ってもらう良い機会だと思っています。

長くなりますがもうしばらくお付き合いください。
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