事務局の佐々木(晋)です。こんにちは。読書の秋ですね!みなさん、バケツいっぱいのインプットをしていますか!?私は、週に一冊ビジネス書を読むことを目標にしています。現在連敗記録を更新中ですが。今日紹介する本は「データサイエンティスト入門」(著者:野村総合研究所データサイエンスラボ 発刊:日本経済新聞出版)です。
ここ数年よく聞く「データドリブン」という言葉に影響を受け、会社の仕事でも積極的に新たなデータの収集と分析に取り組んでいます。職場は典型的な文系職場ですが、Pythonなどのプログラミングができる人材を増やし、私の妄想的な指示によって新たなデータ収集にチャレンジしたところ、経営陣も驚く有用なデータを集めることができました。それらによって意思決定プロセスを含めた仕事の進め方が大きく変わりつつあります。データって凄い、、、。こういうことができる人材をもっと増やさなければ!と思ったことが、本書を手に取ったきっかけです。
本書によるとデータサイエンティストに求められる能力は次の3つです。
- ビジネス力:課題背景を理解し、ビジネス課題を整理・解決に導く力
- データサイエンス力:情報処理・人工知能・統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力
- データエンジニア力:データサイエンスを意味のある形として扱えるようにして、実装・運用する力
ビジネス力はまさに中小企業診断士が本領発揮できる領域ですね。でも②や③については専門的な経験を積んだ人ではないと厳しい、、、と思われるのではないでしょうか?
実は②と③はそれほど深い知識が必要ではない、というのが本書のポイントの一つです。②については“高校で文系か理系かが分かれる前の「基礎数学」程度の素養があればビジネスにおけるデータ分析の多くが可能“と述べられています。データの偏りやバラつきを把握する平均値、中央値、標準偏差、データとデータを比較して傾向を表す一次関数など。データ分析の現場で最低限の基礎を押さえ、徐々に分析できる守備範囲を広げていけばよいそうです。
③についても高度なプログラミング技術が常に必要なわけではありません。最近のデータ分析ツールは数字を打ち込めば統計に必要な数字を一瞬で算出してくれます。Excelのアドインの分析ツールが代表例ですね。
理想的なデータサインティストはビジネス力とデータサイエンス力の両方をバランスよく兼ね備えているタイプのようです。データを分析する能力だけを持った人材はデータサイエンティストとして不十分。片方の能力だけを持った人よりもバランス良く2つの能力を持っているほうが有効とのことでした。
これまでプログラミング等に縁がなかった方も、“これなら自分でもやれそうだ”と思った人がいるのではないでしょうか?データは21世紀の石油と言われていますが、過言ではないと思います。新たなデータによって問題の根本的な原因が明白になり、解決に向けた本質的な課題を見出すことができます。先述した私の事例においても、これまで何時間も話し合って感覚的に対応してきた問題に対し、誰もが疑問を呈さない根本的な原因を提示することができつつあります。
データサイエンティストはIT部門等の専門的な部署が抱えるのではなく、会社全体で持つことが企業の競争力を大きく左右する。そのように変わっていくことがデジタルトランスフォーメンションにおいて大事であると実感しました。