19期生余合です。新型コロナの影響で世の中喧しいですが、皆様お元気でいらっしゃることを心よりお祈り申し上げております。
私の方も、このコロナの影響で中学のミニ同期会が延期になってしまいました。
60歳前後になりますと、一つの節目と皆が思うのか中学や高校の時の同期会のお誘いが多くなります。
会社や大学の付合いと異なり、高校や中学の友人たちは自分がここ30年慣れ親しんできた世界と全く違う世界を生きてきたんだなあと思います。
特に私の中学は東京新宿の繁華街に近い場所にあった関係で、同級生には両親の事業を継いだり自分で事業を興したりと自営業を営んでいる人が結構います。
診断士としては「良いお客さん候補」なんて考えたりしますが、実際その中の1人にひょんなことから事業承継の話をすることになりました。
彼は、ご両親の事業を一応継いだ形になっていますが、実質一代で年商30億、従業員も200名抱える会社を興した創業者です。同級生ですから年は私と同じ60歳。後継者も長男、長女と子供さんが2人いて、長男の方が継ぐことをご本人も納得しているとか。
特例事業承継制度のことも一応知っているし、腕の良い金融マンをスカウトして長期経営計画も作成しているしで、「それは盤石でよかったね」と言ったのですが、どうも彼の返事がはっきりしない。後継者の息子さんに子供ができなくて、次の次の後継者の目途が立たないで悩んでいるらしいのです。「子供を早く作れ、って言っているんだが・・・」。息子さんは32歳、まだ当然子供さんができる可能性は十分あるし、彼自身も60歳ですからすぐに持ち株などの件も決めなくてはならないこともないし・・・。
そんな話をしている間に彼の本音がチラリ。「株手放すと自分の言うこと聞いてくれなくなるからなあ・・・」。会社が自分の子供、否自分自身である創業社長の悩みなのでしょう。私のようにサラリーマンしか知らない人間には「そうなんだろうな」とは想像できても実感はなかなか湧きません。ましてや面倒なことの嫌いな自分にしてみると「サラリーマンでよかった、とても創業社長など務まらん」とほっとしてみたり。
事業承継を一つのテーマとして診断士業務をやっていくには、このような社長の人間臭い(生臭いといった方が適切か?)悩みに時間を掛けて寄り添っていくことが大切なんだなと彼から教えられた次第です。
彼の他にも鳶職の棟梁やカレー屋さんの女将さんなどいろいろな人が中学の同級生にはいます。45年のブランクを経て、こうして再びまた話をできるようになった皆をこれからも大切にしていきたいと思うこの頃です。
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貴重なお話の共有ありがとうございます。
同期会は楽しいですね。過去にタイムスリップするような感覚。そして、あの頃に漠然と思っていたことの「答え合わせ」のような感覚もあったりで。。。
私の中学は高校の最寄り中学でその地の利(?)も合わせて同学年の中では最大派閥となる中学でもありましたが、やはり中学と高校は違いますね。中学同級生の方がバラエティに富んでいます。高校は普通科だったこともあり、ある程度「その後の人生の方向性」が似通っているのかもしれません。
同級生の方の「生の声」。まさに「生」ですね。そのような経営者の方の「声」に寄り添う。(テキストなどでは見えてこない)なかなかに時間と気持ちが必要とさせる取組みだ。。とお話を読ませていただきながら感じました。
いつもコメントありがとうございます。
この同級生のところも新型コロナの影響を受け、資金繰りに窮していないか心配です。
本当に早く何とかならないかとストレスが溜まります。「冷静に、冷静に」です
人間臭い部分、時には合理性と相反する部分。
そこを無視して進めてしまうととどこかで立ち往生してしまうのでしょうね。
その創業社長さんの会社への思いは、ちょっと大塚家具を想起しました。
コメントありがとうございます
事業承継は社長さんご本人にとっては一番その必要性をわかっているんだけれども自分ではなかなか踏み切れない、一生に一度のことなんだと思います。
時には診断士が悪者になって背中を押す役回りも果たす必要があると思っております。
嫌われ者も辞さず、というところですか。