こんにちは、24期の成嶋です。現在、稼プロ!24期生はグループをつくって診断実習を行っています。講義において先生が「各グループで議論する際には、リーダーのファシリテーション力が重要である」ということをおっしゃっていました。「ファシリテーション」とは、会議やミーティングなどの場で、参加者の意見を整理して合意形成をサポートする技法のことです。そのファシリテーションの役割を担う人を「ファシリテーター」といいます。
そういえば中小企業診断士の2回目の実務補習において、私はチームリーダーをすることになりました。そのとき『「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』(PHPビジネス新書)という本を読んで勉強したことを思いだしました。チームリーダーとして議論を円滑に進めなければならないと考えたからです。(私が実際にファシリテーターとして充分に機能したかというと、それはかなりあやしいです。)また、現在、読んでいる『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』(ダイヤモンド社)という本の第5章にもファシリテーションのことが書かれています。今回のブログでは、これらの本に書かれているファシリテーションのポイントを要約して紹介します。診断実習を行っている24期のみなさんの何かの参考になればと思います。
●会議前
ファシリテーターは会議前には会議の設計を行います。設計を行う項目は主に以下の通りです。
・会議の目標(ゴール)を具体化・明確化をする。
・目標を達成するために、どのような論点を取り上げて議論するかを設計する。
・議論の順番を検討し進め方を設計する。その際、各議論の所要時間の目安も設定する。
●会議の冒頭
ファシリテーターは、会議の冒頭において、会議の目標、論点、進め方を伝えて参加者全員の意識を揃えます。
会議の目標、論点、進め方は、参加者の見えるところに書いておきます。そうしておけば、議論が脱線したときに、そこを指し示して注意することにも使用することができます。
●会議中
会議で各自が意見を出し合い、個々の意見の重要なポイントを明らかにして、全員の理解を促すために、ファシリテーターは下記のことを行います。
・全員がフラットに発言できるよう配慮する。
・各自の意見を要約する。
・意見が分かりづらい場合、コミュニケーションをとりつつ意見を翻訳する。
・各自の意見の要約をホワイトボードなど参加者の見えるところに記録する。
・個々の主張の根拠を引き出し、妥当性を検証できるようにする。
各自の意見が出たら、個々の意見の相互関係を明らかにして、全体像・重点を把握します。そのために以下を行います。
・付箋を活用したり、共通点を見つけてグループ化を行う。
・ロジックツリーなどを使用して構造化する。
そして、意見の対立を乗り越え、全員の合意点を積み重ねて結論にたどりつきます。そのための方法は主に下記の通りです。
・目的を達成するための判断基準を合意して、それに照らし合わせて選択する。
・意思決定マトリクス、ペイオフマトリクスなどのフレームワークを活用する。
・みんなが合意できる統合メッセージをひねりだす。
その他、ファシリテーションの本を読んでいて面白かったのは、会議が紛糾してどうしても決まらなかったら、どうするかを事前に決めておくとよいそうです。例えば、A案でいく、多数決で決定、リーダーの決定に従う、1週間後にもう一度会議を行うなどです。
以上、『「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』と『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』に書かれている内容をかなり要約して紹介しました。これらの本には、ここで紹介できなかったファシリテーションの具体的なノウハウが書かれており、参考になるかと思います。興味がある方は、読んでみてはいかがでしょうか。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また、会議前に会議を設計(目標・論点・順番)しておくことや、紛糾した場合の決定の仕方を事前に決めておくことの大切さを認識しました。
目標設定、時間管理、傾聴、整理、危機管理を意識して経験値を上げて行こうと思います。ありがとうございます。