みなさん、こんにちは。24期の中野直哉です。
前回、箱根駅伝について書いたと思ったら、もう1サイクル回ってきました。最近このサイクルがすごく早い感があります。今年はまだ行ってないですが、靖国神社の裏手、神苑ではもう梅がかなり咲いているのではないでしょうか。
ところで、同期の中川さんはいつも興味深い記事を書いてくれますが(中川さんだけじゃないですが)、先日の「大国アメリカ」(これも現地レポートで興味深かったです)で「おしぼり」の話が出ていました。
なるほど、米国にはおしぼりがないのか、自分行ったときどうだったかな? 日本では熱いホットおしぼりから紙おしぼりまでいろいろあるのにな、と興味深く思い、おしぼりについて書いてみることにしました。なんかいかにもブログリレーっぽくないですかね。
まず市場規模を調べると、正確な出所ではないので恐縮ですが、愛知環境賞というアワードで2017年に優秀賞を受賞した豊橋市の自動おしぼり製造機製造販売事業企業のウェブサイトでは、我が国おしぼり市場は約1,000億円ということになっています。
おしぼりを含むリネン市場は矢野経済研究所によればコロナ前までほぼ5,000億円水準で推移していましたので、そのうちの2割ほどでしょうか。
この1,000億円という市場規模、日本経済新聞2024年9月24日記事で「日本インテリア協会によると、22年度のカーテンの市場規模(卸売りベース、金額)は前年度比で5.6%増の1018億円だった」、2023年の国内AI(人工知能)インフラが「前年比46.1%増の1094億8900万円の見込み」(IDC Japan、2024年3月7日)、2023年のグミの売上が1,000億円(FNNプライムオンライン、2024年9月9日)などとあり、なかなかの規模感です。
そして特徴的な企業が出てきます。
J-Net21に掲載の「おしぼり業界の変革に挑戦【FSX株式会社(東京都国立市)代表取締役・藤波克之氏】」。
同社の2013年12月12日のプレスリリースでは「新しいおもてなしの感動を創造する株式会社藤波タオルサービス(東京都国立市 代表取締役社長 藤波克之、以下藤波タオルサービス)は、この度、業界最先端の設備を導入した新工場を建設、12 月 9 日より稼働を開始いたします。
日本のおもてなしツールである『おしぼり』をあらゆる業界に向けて、さらに浸透させ『進化するおしぼりのおもてなし』をご提供して参ります。」
とあり、同社のドメインが「おしぼり」というモノではなく「感動」にあることがわかります。
念のため、私は同社からお金をもらっているわけでは全くありませんが、同社の現在のウェブサイトをみると、おしぼりに関するまさに総合サービス業というところで、とくにサイエンス事業、テクノロジー事業への拡大は高付加価値業態進化の好事例と言えるでしょう。
米国にはないおしぼり文化。
日本のおしぼりという感動文化。そしてそこに始まるビジネスの芽とそこから拡大する高付加価値な事業。ビジネスの機会は見える者にはいくらでも見えるんですね。
いま米国の企業が他国を突き放している感がありますが、日本の中小企業の底力発揮はむしろこれからではないでしょうか。FSXの藤波社長はまだ50歳くらい。昨年末のOECD国際成人力調査で「日本の知力 若年層けん引」(日本経済新聞、2024年12月11日)とあり、若手人口は減っているものの、個々の水準が上がれば、ということもあり、こちらも頑張らなくてはならないですね。
この1年間、改めて気を引き締めてまいります。
もとい、FSX株式会社のサイトをチェックしましたが、高機能化、周辺商品の販売、フランチャイズ、とまさに縦横斜め、アンゾフの多角化マトリックスを具現化できているのも、土台にある理念がしっかりしているからなんだろうなと思いました。