こんにちは。
20期生の岡田英二です。
今回のブログは10月14-15日に行われたFujitsu ActivateNowという対談や講演の視聴イベントのネット配信に関するものです。
取り上げるセッションのゲストは『シン・二ホン』(NewsPicksパブリッシング社)の著者である安宅和人氏です。
安宅和人氏は慶應義塾大学環境情報学部教授でヤフー株式会社CSO(チーフストラテジーオフィサー)であり、「Withコロナ」という言葉に関係した人だそうです。
このセッションで興味深かった4つの点について触れてみます。
1.「Withコロナ」における企業活動のトレンド
世界中で人々は都市化することで生産性や生活の質を向上させてきました。都市化とはまさに三密(密集、密閉、密接)状態の創造であり、この環境がコロナ禍では避けるべき状態となりました。そこで、これからは「開疎化」を進めるべきと安宅和人氏は述べています。この「開疎化」とは安宅和人氏が提唱している言葉で、「閉鎖」から「開放」へ、「密」から「疎」への転換を意味しています。
https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643
当然、「密」から「疎」への転換は生産性向上に寄与した都市化と正反対の方向性であり、生産性や効率を維持するにはICTや働き方改革などのDX(デジタル・トランスフォーメーション)が必要になります。また、現在のオフィスビルはまさに「閉」の状態であり、窓の開放や空気の入れ替えで「開」を達成すると、ビル内のCO2濃度が下がって生産性も上がるとしています。この予測は科学的な知見からの提言であり、納得感がありました。
2.企業価値
持続可能な社会に貢献する会社でなければ生き残れない時代が来ています。これまでは人間の適する状態と地球の適する状態が別の次元で考えられていましたが、これからは人間と地球の両方にとって適する状態にしないと未来がないとしています。企業価値向上にはDXだけでなく、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)が求められます。
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828011/20200828011-1.pdf
3.日本企業の課題
日本企業のほとんどは現物(ハード)を取り扱うことに強みを持ち、製造業を中心に世界的に活躍している企業が多いです。近年、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表される情報(サイバー)を扱う企業が台頭しています。さらに、例えばUber社のように、ハードとサイバーをつなぐ新たな領域への事業進出を加速している企業もあります。日本企業はDXを活用してこのハードとサイバーからなる新領域に進出もしくは分身を設置する必要があると提言していました。安宅和人氏はこれを「デジタル移住」と表現しています。
4.日本人の働き方
多くの日本人は会社からの収入が100%の環境で生活していましたが、会社に縛られる時代は終わり始めています。副業や個人事業などの副収入と、投資など金融を活用した収入や蓄積が重要となっていきます。この話題は、自分自身が25年の会社員生活と今年取得した診断士資格の活用を考えていることも関係して、とても印象深い話でした。
以上、Web公開された対談の一部を取り上げて感想を記載しました。この対談はデジタル化の流れの中で示唆に富む話であり、モチベーション向上にもつながりました。オンディマンド配信も行っているようですので、このお話に興味を持った方にはお勧めします。
https://event.jp.fujitsu.com/activatenow/