闇にまぎれて cyojin cine-archives vol.1026、1027
○マーティン・リット監督の「寒い国から帰ったスパイ」をみて
一難去ってまた一難。命からがらようやっと脱出できたというのに撃たれて死んだ好いた女の元に引き返した男は、ようやっとスパイ稼業の阿呆らしさを思い知らされて一緒に死にに行ったんだろうね。きっと今もこういう地獄に生きている奴はいっぱいいるんだろうね。
○ロナルド・ニーム監督の「オデッサ・ファイル」をみて
元ナチ秘密組織「オデッサ」の陰謀を追及する西ドイツ記者の命懸けの戦いを描く。しかし余りにもナチの旧悪を対象にした映画が数多くつくられたために、事の重大さは別にして、観る前からああまたナチものかといううんざり感がしないかというとやっぱりするのである。
しかし裁判にかけないでいきなり犯人を撃ち殺してもいいのかいなという結末ではあった。
もはや眼でしか意思を示せないその友の眼をじっと見つめる 蝶人