大阪・千日前で立ち寄ったのは創業昭和9年(1934)という「丸福珈琲店」。今では中部・関東にまで支店があるが、こちらの千日前が本店だ。元々創業者は昭和初期に東京で洋食レストランをやっていて、当時流行し始めたコーヒーの技術を研究し、大阪に帰ったんだとか。店は落ち着いた雰囲気で、中に入るとたくさんの客で一杯。仕事途中と思しきひとり客、カップル、家族連れ、観光客など客層は様々。ブランド展開をしているようで、店の中にも名入りのグッズやコーヒー、お菓子などが売られている。カウンター厨房内には(ご主人かどうかは知らないが)老齢の方がしっかりとコックコートを着て作業していらっしゃる。昔の喫茶店のクラシカルな雰囲気たっぷりの席に腰を下ろし、メニューを眺めた。この日は日中かなり暑くて、日差しも強く、歩き疲れてフラフラだった(上の写真はその日の夜に撮影しています)ので、ホット・コーヒーを注文する気にもなれないくらいで、何か冷たいものをと頼んだのは、ミックスジュース。
自分の住む中部地方はどちらかと言うと関西の食べ物の影響が強いので、昔からミックスジュースはどの喫茶店にも普通にあったが、関東にはあまりないのだとか。喫茶店のミックスジュースには、オレンジが強いもの、バナナが強いもの、桃も入っているもの、牛乳が入っているもの、など色々な特徴があり、味にも幅がある。しばらくして出されたこちらのミックスジュースは、氷も一緒に砕かれていて、一杯づつ手作りだそうだ。スムージーほどではないが、シャリシャリした口当たりで、旨い。果物の風味もバランス良く、サラッとしていてドロっとしていないのでスイスイと飲めてしまう。蜂蜜も足してあるのだとか。暑くて乾いていた喉を一気にクールダウン出来た。こちらには創業者由来の洋食もメニューにあるんだとか。一度食べてみたいな。(勘定は¥730)
↓ 大阪近代建築散歩その4(その1、その2、その3)。「大阪瓦斯ビルヂング」(昭和8年・1933・建造 ※登録有形文化財)と、歩いていて下調べ無しにふと目に付いた「旧・板谷歯科医院」(詳細不明)。
↓ 窓枠上部に丸みがついて女性的な「小川香料大阪支店」(昭和5年・1930・建造)と、中庭が吹き抜けているのが特徴的な「船場ビル」(大正14年・1925・建造)。どちらも登録有形文化財。
丸福珈琲店 千日前本店
大阪市中央区千日前1-9-1
( 千日前 丸福コーヒー 丸福珈琲本店 ミックスジュース 大阪ガスビルディング ガスビル )