ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

進一歩 @大阪府大東市

2020年04月28日 | 大阪府

大阪府大東市での短期滞在。最寄りの駅は住道(すみのどう)駅だったので、駅の周りを自転車でウロウロ。駅前から南に続く道路は広く、後から再開発されたのだろう。公園もあって北側とは全然表情が違う。道は広くて空は高いが店舗等は多くなく、人の往来もまばら。そこにポツンとある食堂「進一歩」。”しんいっぽ”と呼んでいいのかな。建物はまだ新しいので再開発時に建てられたのだろう。そこには白地に赤い文字の暖簾だけ(しかも風で捲れ上がっている)。地味過ぎて逆にどうにも気になったので入ってみることに。中に入ると主人が1人。カウンター席と土間のテーブル席があり、先客が無かったのでテーブル席に腰掛けた。主人がテレビを点けたりし始めたので本日初めての客だったろうか。ホワイトボードに手書きしてある品書きにはラーメンの他、丼物や一品物がある。つまみっぽい物も書いてあったので、駅前だし呑みに使う人も多いのかな。先頭のラーメンの下には「上ラーメン」と書いてあり、カッコ書きで”(溶きたまご入り)”とあった。名古屋には”玉子とじラーメン”があるが他の地方でこういうのを見るのは初めてかも。軽く麺類を手繰りたい気分だったのでその「上ラーメン」をお願いした。

後客が数組入ってきたころ「上ラーメン」が完成。丼ぶりの水面にはふわっとした玉子、チャーシュー、メンマ、刻みネギ、そしてかなり濃い色に染まった細もやし?がのっている。スープはやや濃いめの色付きをした醤油味。さっそく手繰ってみると、麺は軟らかめに茹でられていて、スープには生姜の風味が。くたくたに茹でられた細もやしが結構濃い味付けで、これにも生姜が入っているのかな。普通のみかけのラーメンだと思ったが全然違ってなかなか独特なラーメンだ。面白い。だんだんトッピングの風味がスープに移っていき、それとの対比で優しい味の溶き玉子がいい感じに。チャーシューはしっかりと味が滲みているもの。最初は頼りなく感じた麺もこのスープや具材と一体となると「うん、これでいいナ」という気になる。旨かった。次に機会があったら「オムライス」か丼物か。それとも、またこれを頼んじゃうかも。(勘定は¥600)

 


 

↓ 駅の北西の込みいった路地を自転車でウロウロしていて見つけた共同住宅(建築詳細不明)。2階のベランダを兼ねた玄関上の屋根のデザインがかっこいい。

 

 


 

 

進一歩

大阪府大東市末広町11-7

 

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大力 @大阪府大東市 (※閉店)

2020年04月24日 | 大阪府

大阪府大東市に短期滞在。知らない土地に寄った時は、時間がある限りその土地に昔からありそうなやや小さめのスーパーに寄ることにしている。駅やお土産屋で売られている新興の創作ご当地商品にはあまり興味がないので、事前にその地で普通に親しまれている商品(で自分ちの近所のスーパー等で買えないもの)を調べてお土産として持ち帰るため。この日は駅に近いスーパーに寄ってソース、ポン酢、袋菓子を購入した。その後で和菓子でも買いに行こうと寄ったのは住道(すみのどう)駅に隣接する商業ビル「大東サンメイツ」にある「大力」。何でも創業100年を超える歴史があって現在は4代目と5代目でやっていらっしゃるのだそう。駅に近いとはいっても商業ビルのテナントはシャッターが閉まった店が多く、お世辞にも流行っているとは言い難い。その一角にあるこちらの店は隣接している「ファミリーレストラン・喫茶オークラ」も同じ経営だそう(そっちにも惹かれたが昼食を摂ったばかり…)。店には箱に入った贈答用の品の他に平台に上生菓子や餅菓子も並んでいる。生菓子は持って歩けなかったので、棚からこちらの銘菓「住道」と「河内太鼓」を選んで包んでもらった。

 ※大東サンメイツHPより

持ち帰って封を開ける。「住道」は玉子の入った皮に白餡の焼菓子で、東海地方の人には”なごやんみたいなの”と言えば分かってもらえるかな。なごやんよりはずっとしっとりしていて、ほんのりと柚子の香りがして旨い。どんな菓子か知らずに買った「河内太鼓」も同様の焼菓子だった。こちらの餡には砕いた胡桃が入っている。こういう餡に胡桃って珍しいかも。口に入れた時に胡桃の粒が当たって香る。これもなかなかに旨い。店に置いてある上生菓子も隣の店舗でいただくことが出来るのかな。隣ではサンプルで飾ってあった洋食はもちろん、洋菓子(生ケーキ)も食べられるようなので、機会があったら次はそちらに寄ってみよう。(勘定は¥150/個)

 


 

↓ スーパーで購入した関西ローカルの品3つ。創業大正12年(1923)という大黒屋の「大黒フルーツソース」と、創業昭和23年(1948)の旭食品の「完全味つけ・旭ポンズ」、それに創業明治40年(1907)という植垣米菓の「鶯ボール」。植垣米菓だけは神戸の会社だった。

  

 


 

御菓子司 大力

大阪府大東市住道2-1-101 1F

※「大東サンメイツ」での営業は令和3年4月を以て終了し、移転されるそうです

 

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三ッ川 @大阪府大東市

2020年04月19日 | 大阪府

大阪府大東市での短期滞在。昼過ぎに向かったのは住道(すみのどう)駅近くの「住道本通商店街」。店舗数はさほど多くないが立派なアーケードがある商店街。知らない街を歩くのは楽しいナ。商店街の入口近くにある「ステーキハウス・三ッ川」の店先の黒板に”本日の定食”と昼に良さそうな品書きがあったので入ってみることにした。入口横には”すべて手作り”と書かれた持ち帰り用の惣菜コーナーも設けられている。カウンター席とテーブル席数席というこじんまりとした店内。2階にも客席があるようだ。黒電話も置いてあるが現役なのかな。少し昼を過ぎた時間であってもしっかりとした客入り。自分の後にも数組入って来て盛況。調理鉄板前のカウンター席に腰掛けた。さらっとメニューを見せてもらう。色々あったが結局店頭で目に付いたサービスランチの「ヘレカツ定食」にすることに。大阪ならではの”ヘレカツ”という呼び方に誘導された(笑)。色々な料理が目の前の鉄板で調理されていく。特にバターをたっぷり使って作られる「オムライス」や「ピラフ」がいかにも旨そうだ。

しばらくして「ヘレカツ定食」の出来上がり。ライスは平皿に。とんかつソースは別皿で用意された。ヘレカツは5切れ。さっそく箸で摘まみ上げ、ソースをちょこんとつけいただく。薄衣でサクッと綺麗に揚がっている。肉質も歯切れも良く、旨い。卓上にあった黄色い容器は辛子でなくフレンチマスタード。それもちょっと皿に出して時々つけながらいただいた。脇には千切りキャベツなどの生野菜とゆるいポテサラ。上にかかったオリジナルの甘酸っぱいドレッシングが旨い。色からするとオリーブオイルを使っているだろうか。ヘレカツを食べながら、こちらの「ビーフカツ」も食べてみたいという欲がふつふつと。次に機会があったらそれと「ピラフ」も頼んでしまおうか。(勘定は¥980)

 

 

ステーキハウス 三ッ川

大阪府大東市住道1-2-30

 

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一楽 @大阪府大東市

2020年04月13日 | 大阪府

野暮用があって大阪府の大東市という初訪の土地へ(訪問3月)。車で訪れたが全く右も左も分からない土地。朝早くから約2時間半運転してきてろくに朝食を摂っていなかったので、まず何か腹に入れようと駐車場のある店を探す。訪れたのは駅から離れた幹線道路沿いにある食堂「一楽」。道路を挟んだ向かいの駐車場に車を停め、地味な暖簾をくぐって店内へ。入るとすぐにおかずが並んだ棚があり、奥に進むとカウンター席とテーブル席がある。入口付近の壁に品書きが貼ってあったので、まずそこで思案。おかずを取ってめしを頼むか、おでん鍋もあるのでそれを取るか。壁にうどんがこちらの自家製麺である旨の記述があったのでうどんにすることに。女性とご高齢の男女でやっていらっしゃるようだ。カウンター席に座らせてもらい「肉うどん」をお願いした。

後客がおかず棚の煮魚とめしを食べているのを見て「やっぱりあれもイイなァ…」なんて思いながら待っていると「肉うどん」が登場。水面には薄切りの牛肉と長ネギのみとシンプル。麺を手繰ると、不揃いの麺で細いの太いの、中には平べったいきしめん状の麺まで一緒に入っている。さっそく啜ってみると…、うん、ふわっとした口当たりでもだれることなくいい感じ。色々な食感の麺が口に入るので楽しい。薄い色付きのつゆもしっかりと出汁と肉の風味が効いていて、旨い。するすると胃の腑に収まっていき、つゆを啜るのも止められなかった。勘定してもらい、また来たいなァと思って店を出ると、女性店員が貼紙をしている。そこには”高齢のため明日から営業自粛”なる内容が…。休業ではないようだが新型コロナウイルスの影響がこんな小さな食堂にも。(勘定は¥500)

 

 


 

↓ 同市にある「四条畷学園高等学校本館(旧・四條畷高等女学校本館)」(昭和4年・1929・建造)。車寄せの上には6羽の塑像が飾られている。最初は鷲かなと思ったがよく見ると顔が可愛らしいので鳩なのかも。正門も素晴らしいが、新型コロナウイルスの影響もあって休校中で門扉は閉ざされていて人の気配も少ない。

 

 

 

 


 

 

うどん・おかず 一楽 (一楽食堂)

大阪府大東市栄和町13-1

 

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アラビヤ珈琲店 @大阪市中央区・難波

2015年10月02日 | 大阪府

長々と書き連ねてきた神戸・大阪の記事も今のところこれが最後。短期間でよく周ったなァ。大阪では都合のいいレンタサイクルの店が見つけられなかったので、近代建築散策は徒歩移動ばかり。まだ暑い時期だったので少々大変だった。でも今はスマホがあるおかげで位置検索は本当に楽になった(といっても自分のスマホの現在地表示はいまいち調子が良くなく、幾度となく迷わされたけど)。 

難波の法善寺横丁の手前にある「アラビヤ珈琲店」でひと休み。創業は昭和26年(1951)という歴史ある店。間口は広くないが奥に長い。「世界のコーヒー」と書かれた表の丸い照明看板が素敵だ。カウンターを横切り、奥のテーブル席に座る。店の中には珈琲の道具や、様々な置物に混じって、野球にまつわる品々がたくさん飾られている。メジャー・リーグのものもあって、ご高齢の女性があのリプケンと一緒に写っている写真もあった。店に居たときには全然知らなかったのだが、帰ってから店のHPを見てビックリ。お姿は拝見出来なかったが、こちらの奥様は戦後すぐに短期間だけ存在した元日本女子プロ野球選手の第1号(チーム名:大阪ダイヤモンド)だったそうだ。すごい。

カウンターの中に居るのは主人とその娘さんだろうか。カウンターの前にはベビーカーが置かれていて、まだ小さい子が眠っていた。給仕の女性店員さんにブレンド・コーヒーを注文。和やかな店内を眺めながら待っていると、カウンターに並ぶ鉄製の足掛けがついた特注だろう木製スツールや、カウンター下の鞄掛け用金具など、大切に使われてきただろうものが目に入る。ちょうど昔ながらの氷屋さんが氷の納品にやって来た。ずっと続いた関係なんだろうなァ。しばらくして「ARABIYA」「1951」の文字と、ターバンを巻いた男性のイラストが入った白いカップでコーヒーが運ばれた。香り良く、酸味も苦味もほどほどでバランスがいい。落ち着いた素晴らしい雰囲気の中で飲むコーヒー。小奇麗なチェーン店には出せないいぶし銀の味だ。(勘定は¥450)

 

 

 大阪近代建築散歩その10 (その1その2その3その4その5その6その7その8その9)。

↓ 「武田道修町ビル(旧・武田長兵衛商店本店)」(昭和3年・1928年・建造)。あの「武田薬品」の元本社ビル。全面タイル貼りで、低層階が元の建物なんだとか。

↓ 「ルポンドシエルビル(旧・大林組本店)」(大正15年・1926・建造)現在は系列のフレンチ・レストランなどが入る。右は同じ通りに建つユニークな形の「福原ビル」(昭和5年・1930・建造)。

 

 

アラビヤ珈琲店

大阪市中央区難波1-6-7

( 難波 なんば 法善寺横丁 アラビヤコーヒー アラビア珈琲 女子プロ野球 坂峰子 坂東三津五郎 どしょうまち )

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蓬莱本館 @大阪市中央区・難波

2015年09月28日 | 大阪府

 

「蓬莱」と言えば、”551”のネーミングで有名な創業昭和20年(1945)という肉まんの老舗。全国的に有名なのはこちらで、大阪のお土産としても定番で、買って帰ったことも、貰ったこともある。そんな蓬莱に「蓬莱本館」という別会社があるのを知ったのはまだ最近のこと。どちらも出自は同じで、特にトラブった過去があるふうではなく、創業者3人が円満に分社した様子。551の方のHPによると、地方のスーパーで見かける「蓬莱」の商品は蓬莱本店の方だとのこと。大阪での知名度というか、認識度がどれほどのものなのか全く知らないが、今まで「蓬莱本館」の肉まんを買ったことは無かったはずなので、この機会にと購入してみた。

人通りの多い戎橋筋を歩き、店の前へ。看板が”豚まん”のではなく「蓬莱」の発祥の店と読めるのが興味深い。中で食事も出来るようだが、店頭で販売している肉まん(豚まん)のみ購入し、行儀が悪いが近くで場所を探して立ち喰いした。皮はふわっとした感じで(皮自体の)味もあっさりしており、551ほどしっかりした重量感はない。餡の肉は多いが肉らしい食感は少なく、ペースト状というか、とろっとした感じの食感。全体的に薄味でやさしい味。うちの母親(大阪出身)なら少しウスターソースをたらすかもしれない。出自が同じなのにここまで違うとは思わなかった。面白い。持った時の重量感も、味も、551の方がインパクトがあるが、自分は時々持て余すこともあるので、どちらが好みとは言えないかな、今のところ。(勘定は¥160/個)

 

大阪近代建築散歩その9 (その1その2その3その4その5その6その7その8)。

 ↓ ドア・ボーイが建物にマッチしてお洒落な「新井ビル(旧・報徳銀行大阪支店)」(大正11年・1922・建造)※登録有形文化財。現在は菓子店の本社ビルになっている。

 ↓ なんと村野藤吾初期の作品であるという「中村健法律事務所」(昭和11年・1936・建造)。意外なほど小さく地味な外観の建物だが、鉄製の格子や玄関飾りがかっこいい。

 

 ↓ 「大阪取引所(旧・大阪証券ビル市場館)」(昭和10年・1935・建造 ※一部外観保存)。エントランス前に建つ銅像は大阪経済の立役者「五大友厚」。

 ↓ 両脇を高いビルに挟まれた「北浜レトロビルヂング(旧・桂隆産業ビル)」(明治45年・1912・建造)。現在は英国茶の喫茶店として営業。

 

蓬莱本館

大阪府大阪市中央区難波3-6-1

( 難波 なんば 戎橋筋 ほうらい ほうらいほんかん 551 蓬莱食堂 肉まん 豚まん 豚饅 ぶたまん アイスキャンデー )

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末廣軒 @大阪市中央区・日本橋

2015年09月24日 | 大阪府

大阪は日本橋(「にほんばし」でなく、「にっぽんばし」)の黒門市場を歩いてみる。ここを歩くのは15年ぶり位になる。こちらも大阪の他の場所と同じく外国人旅行者が大挙して押し寄せていて、通りは買い喰いをする人達で溢れている。買い喰いを想定している飲食物だけならまだしも、スーパーで買ったパックや刺身類まで通りで広げているから、カオス。これでは日本人客の足が遠のくのでは…。こちらでの目的地は創業が明治30年(1897)という「末廣軒」。煉瓦色の壁をしたこじんまりとした建物だ。暖簾をくぐって店に入ると、間口は狭く、クロスが掛かったテーブル席のみの小さな店。左側が厨房になっている。席に座って品書きを眺める。基本的に洋食メニューはどれも全部好きなので迷う、迷う。その中から選んだのは「ハイシライス」(=ハヤシライス)。さっそく主人と息子さん(かな?)による調理が始まった。

店の中にはなぜか旧日本軍や自衛隊関係の書籍がたくさん置いてある。たまたま置いてあった某料理雑誌を手に取ると、まさにこの店がカツサンドの特集記事に掲載されていた。その記事によるとこの店の2代目が連合艦隊司令長官・山本五十六の料理人だったんだとか(未確認)。それでミリタリー関係の本が多いのかな。それにしても、もうハイシライスを注文してしまったが、特集記事のカツサンドに心惹かれるなァ…。

しばらくしてハイシライスが運ばれた。楕円形の白い器に盛られたハイシライスには卵黄が落とされている。デミグラスソースはやや甘めの濃いめ。深みがあって旨い。調理の音からも想像していたが、ソースの中にはその場で炒めた玉ねぎも入っており、食感も楽しめる。つけ合わせは別の容器にらっきょうと福神漬が入れられている。少しかために炊かれたライスとデミの相性も良く、途中で卵黄を崩してまろやかさを増したソースと一緒に口に入れると至福の時。旨かった。この店の暖簾には「ビフテキの」と入れられている。後から入ってきた家族連れが頼んだステーキのコースがちょっと羨ましかった。あれもこれもと色々未練を残しつつ退散。(勘定は¥800)

大阪近代建築散歩その8 (その1その2その3その4その5その6その7)。

 ↓ 交差点に建つ、ものすごい存在感の「生駒ビルヂング(生駒時計店)」(昭和5年・1930・建造)。丸窓や、窓から見下ろす鷹の像など見どころがいっぱい。屋上には時計塔も。※登録有形文化財

 

 

 

 ↓ 日本綿業倶楽部の「綿業会館」(昭和6年・1931・建造)※重要文化財。外観はシックで 大人しいが、内部の意匠は凝っているらしい。一度見てみたいな(内部見学は月に一度のみ)。

 

 ↓ 吊り庇のデザインがかっこいい「清水猛商店」(大正13年・1923・建造)。家具と室内装飾の店で、こう見えて実は木造3階建てなのだそうだ。

 ↓「岸本瓦町邸」(昭和6年・1931・建造)。登録有形文化財に指定されているが、補修され、外観が綺麗な事もあって建物の前に立っても実感が湧かず。中がすごいんだとか。

 

末廣軒

大阪府大阪市中央区日本橋1-22-29

( 日本橋 黒門市場 すえひろけん 末広軒 ハヤシライス カツサンド ビフテキ 山本五十六 )

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北極 @大阪市中央区・難波

2015年09月19日 | 大阪府

難波の戎橋筋にある昭和20年(1945)創業の「北極」。手作りのアイスキャンデーを販売している。外国人観光客でごった返す日曜日の大阪。人混みを掻き分けて歩き、店の前へ。蒸し暑い日だったので、とりあえず1本購入してその場で食べる。間口の広くない店先には冷蔵庫が置いてあり、中にぎっしりとアイスキャンデーが入れられている。現在は全部で8種類の味。どれも美味しそうだが、この日は創業時からあるという「ミルク」「あずき」「パイン」の中から「ミルク」を購入した。

さっそく店先で食べる。アイスキャンデーの持ち手は棒が斜めに刺さっているのが特徴。HPによると持ち帰りの際にドライアイスを入れるスペースを作る為にわざとそうなっているんだとか(ちなみに持ち帰り用にドライアイスを初めて入れたのもこの店だそう)。アイスは練乳風味でしっかり甘いが、あまりべたつかない、さっぱりした味わい。かき氷の時は練乳が好きじゃないけれど、アイスの練乳風味は好きなんだよなァ。こういうアイスキャンデーが戦前からあったものなのかどうか知らないが、その頃から現代まで、数多ある氷菓子の中から選ばれてずっと親しまれているのはすごいことだ。他の味も食べてみたいけれど機会が…。催事かなんかで中部地方でも買えないかな。(勘定は¥140)

 

 ↓ 南へ下ると難波駅、高島屋の入る「南海ビルディング」(昭和7年・1932・建造)。国登録有形文化財。

 

大阪近代建築散歩その7 (その1その2その3その4その5その6)。

 ↓ 「コニシボンド」で有名なコニシ株式会社の「小西家住宅(旧・小西儀助商店)」(明治36年・1903・建造 ※重要文化財)。この会社がアサヒビールの前身だとは知らなかった。

  ↓ 「三井住友銀行大阪中央支店(旧・三井銀行大阪支店)」(昭和11年・1936・建造)。イオニア式列柱に三井銀行らしさが。

 

 ↓ どの角度から見ても絵になる「高麗橋野村ビルディング」(昭和2年・1927・建造)。角の丸みといい、綺麗に塗り替えられた外壁といい、佇まいが素晴らしく、とても味わい深い建物だ。

 

 

北極

大阪府大阪市中央区難波3-8-22

( 難波 なんば 戎橋筋 ほっきょく 手作りアイス アイスクリン 551 蓬莱 )

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鶴屋八幡 @大阪市中央区・淀屋橋

2015年09月14日 | 大阪府

平日ならサラリーマンで一杯だろう今橋の近辺。この日は日曜の午前で、しかも時折小雨がパラつくやや不安定な天気とあって、人通りも少ない。でもある意味、近代建築を見て廻るには絶好の条件。というのも人が多いとなかなかカメラを向けられないし、日差しが強過ぎると細部が見渡しづらいのだ。雨は勘弁だけれど、この日は濡れる程ではなく、問題なし。重厚で風格ある「大阪倶楽部」の建物の隣にある文久3年(1863)創業という老舗和菓子店「鶴屋八幡(つるやはちまん)」に入ってみた。店は大きなビルになっているが、古そうな木製看板といい、格子の付いた窓といい、老舗らしさは充分にある。HPには江戸時代から続くレシピとも言うべき「菓子絵図帳」の資料なんかも載っていて、歴史の長さを感じさせる。すごいなァ。

店内にはお菓子がたくさん並んでいるが、食べ歩いているので上生菓子は持ち運べず、いつものように好物の最中を物色。ひとつだけもでいいですか、と「百楽(ひゃくらく)」と名付けられた最中のつぶ餡の方を買ってみた。薄紙に包まれた最中は四角形で、ちょうど4つに割れるような最中種(皮)に文字が浮き上がり、その中にぎっしりとつぶ餡が入っている。厚くはないが皮の食感も良く、ほど良い甘さの餡とあいまって、旨い。こし餡の方は最中種も種類が違うようだ。そっちも買えばよかったな。外で食べているのでペットボトルのお茶なのが残念。(勘定は¥190/個)

 大阪近代建築散歩その6 (その1その2その3その4その5)。

 ↓ 重厚な「大阪倶楽部」(大正13年・1924・建造)。たった22ヶ月で建てられたのだとか。よく見えなかったがバルコニーにはステンドグラスも。もちろん国の登録有形文化財。

 

 ↓ 90年代まで現役の消防署だったという「ダル・ポンピエーレ(旧・大阪市中央消防署今橋出張所)」(大正14年・1925・建造)。現在はイタリアン・レストラン。店名は「消防士」の意なのだとか。バルコニーの下に消防署時代の赤丸の照明が残る。こちらも登録有形文化財。

 

↓ 「日本生命保険相互会社本店」(昭和13年・1938・建造/完成は昭和37年)。

 ↓ 個性的な「芝川ビル(旧・芝蘭社家政学園)」(昭和2年・1927・建造)。戦前は花嫁学校だったんだとか。日曜だったがここだけは中に入る事が出来た。やはり現役の建物っていいな。

 

 

鶴屋八幡

大阪府大阪市中央区今橋4丁目4-9

( 今橋 高麗橋 淀屋橋 つるやはちまん 百楽最中 ひゃくらくもなか もなか )

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正宗屋 @大阪市中央区・千日前

2015年09月09日 | 大阪府

大阪は千日前の「正宗屋」。昼からのんべえが集まる店として有名だ(大阪はそんな店ばかりだが・笑)。実は前日の夜にも店の前を通りかかったのだが、外に待ちが出ているくらい混み合っていたので見送ったのだった。入りたくはあったが大衆居酒屋の外で並んで待つなんて、ねぇ。この日は外に人が居なかったので暖簾をくぐって中の様子を見ると、日曜の午前だというのにたくさんの客で大混雑。幸いカウンターにはまだ空きがあったのですんなりと入る事が出来たが、どうなの、この人気っぷり。奥のテレビには競馬中継が流れていて、お馬さんに興味がある人も多くいるようだ。

お酒は冷や(常温)を注文。酒はガラスコップで出される。こちらでは特級酒、一級酒、二級酒という呼び名が残っているけれど、自分が頼んだのはどれなんだろ? 名物がいくつかある店だが、ホワイトボードからまず頼んだのはどて焼き。串で3本出される。中部地方のどてほど色の濃い味噌だれではないが、しっかり濃いめ、甘めの味付け。柔らかく煮込まれた牛筋のどてがあっという間に胃の中に消える。旨いなァ。そしてホワイトボードの品書きにはひっそりと載っている「カステラ」。この店に来てこれを食べない訳にはいかない。見た目はお菓子のカステラのような配色だが、魚卵を甘めに炊いたものを固め、上からカニ味噌が塗ってあるんだとか。売り切れの事も多いと聞く。2切れ皿に載って出てくるのだが、思ったより大きい。こんなのをつまみにして呑んでたら何杯呑まなきゃいけないんだ(笑)。いやぁ、旨い。そりゃ酒には合います、もちろん。これはやっぱり日本酒でしょ。ビールでこれは生臭過ぎると思う。痛風殺しだし(笑)。

店を見渡すともうほぼ満席。カウンターもだんだん狭くなってきた。見た所みんな40歳以上のオッサンばっかり。昼からやってるし、値付けも安いし、旨いし、気兼ね無いし、オッサンには天国のような店だ。もっと居たいが他に予定もある。次の人に席を譲った。外に出ると行列が…。(勘定は¥980)

 

 大阪近代建築散歩その5(その1その2その3その4)。

 ↓ 道修町(どしょうまち)の辺りは薬品に関係する会社ばかり集まっている。こちらは「北垣薬品本社」(宝暦13年・1763・建造)。

 ↓ 東京駅でお馴染み辰野金吾設計の「オペラ・ドメーヌ高麗橋(旧・大阪教育生命保険)」(明治45年・1912・建造)と、隣に建つ 「日本基督教団浪花教会」(昭和5年・1930・建造)。こちらも奇跡の並びだ。

 

 

正宗屋 相合橋

大阪府大阪市中央区千日前1-4-14

( 千日前 難波 相合橋 あいあうばし 正宗屋千日前店 まさむねや カステラ サイコロ どて どて焼き 大衆酒場 )

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