辺鄙なところにあるんだけれど、そのわりにはいつも車が停まっていたので気になっていた。見た目は普通の酒屋。ある日通りすがりに思い切って訪問。そうしたら店内に偶然知り合いがいてここの常連だそう。店主ともいろいろ話をして、それからもう何年も日本酒を買うのはここ。わざわざ遠回りしても買いに行ってしまう。
まだ最初は日本酒に対する知識があまりなく、しかもそれまでいい思いもしたことが無かったので(宴会の席で飲むまずい日本酒のイメージしかなかった)、正直にその旨を伝えると俄然、店主のスイッチが入ったようだった(笑)。「こんなにおいしい日本酒を何とか好きになってもらいたい!」という店主の思いがビンビンと伝わってくる。熱い。でも嫌味じゃない。むしろ清々しい。
こういうドライじゃない店との関係が苦手な人は楽しめない店かもしれないが、下手な知識など披露せず思い切って懐に飛び込むとこんないい店はない。どちらにしてもここの店主の知識には及ばないことだし…。なにしろ「今日はこれがいいっ」とわざわざ安いのを勧めてきたり、ちょっと高いものを買おうと手に取ると「今はそれあまりよくない」と耳を疑うようなことを正直におっしゃる。どの酒を選んでもその酒がどんな風味を持って、どんな味わいが残るか全て分かっている。つまりこの店主、全部飲んでる(笑)。しかもその説明がいかにも旨そう。酒屋だから当たり前と思うかもしれないが、実際それが出来ている店は意外と少ない。ラベルに載っている事止まりな説明しかしない(出来ない)販売店も多い。
感心するのは日本酒(一升瓶)の回転の良さ。2~3週間に一度買いに行くがいくつかの定番を除き、いつもラインナップがガラッと変わっている。みんなどれだけ買いに来ているんだろう? だから置きっぱなしになっているような酒が見当たらない。この日本酒の売れない時代に一体どれだけ売っているのか? こんな酒屋なかなかない。しかも便利な場所ではないから、みんなわざわざこの店を選んで来ている。
ちなみに品揃えは「日本名門酒会」の品が中心。外看板に「楽しむための酒をうる店」と出ているがまさにその通りのお店だ。
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各務油屋
岐阜県各務原市各務西町1-222
( 各務油屋 かかみあぶらや かがみあぶらや かかむあぶらや かかみがはら かがみはら 日本名門酒会 )