池下の住宅街の中にある評判の鮨店。予約して開店と同時に訪問。勘定は1枚くらいでとお願いしてある。カウンターは10席ほど。もっと緊張感がただよう店内を想像していたが、そうでもなくすっきりとしていて意外と気さくな感じ。主人もひょうひょうとしていて緊張感を強いるタイプでなく、くだけ過ぎでもない。特に一人で訪問する時にはこのあたりの距離感が重要なところ。
まずお酒をぬる燗で頼んだ。特に銘柄選定はなく、あとで訊くと八海山らしい。酒が出てくるのがちょっと遅く、最初に出たつまみよりずいぶん後になってしまった。どうも裏方がバタバタして少し混乱しているようで連携が悪く、主人もかなりいらついているようだった。つまみは刺身、焼魚、蒸し物など。それぞれタイミングが良くなかったので間延びしたが、どれもおいしくいただいた。
主人曰く、たまたまこの日はタネの仕入れが中途半端な時だったようで(注・訪問は初春)、握りにおっと思わせるようなタネは無かった。主人も恐縮している。ただこれは天然ものを扱う以上、河岸次第なので自分の運が悪かったとしか言いようがない。握り自体はバランスのいい綺麗な姿をしている。ほんのり温かい温度の酢飯の酢加減は自分にとっては少しやさしめ。酢が強めだという話を聞いたことがあったので意外だった。
総じてバランス重視という感じ。今度はタネのいい季節にぜひ再訪問してみたい。(支払いはお酒を入れて13,000円程度)
越乃(こしの)
名古屋市千種区桐林町2-68