H2O / Daryl Hall & John Oates (1982)
おぉ、懐かしい、ホール&オーツ(Daryl Hall & John Oates)。大ファンという訳ではないが、80年代までは結構聴いていた。このアルバムはアナログで持っていた訳ではないから、たぶん「貸しレコード屋」(←こういうのがあったんです)で借りて、カセットテープに吹き込んだのを持っていたんだろう。アトランティック所属時代の70年代の彼らもいいが、やはりポップ路線で次から次へとヒットを飛ばしたこの時期の楽曲は粒ぞろい。このアルバムのように打ち込みを採用したポップな作品でも、定評あるソウルフルな歌唱力で安っぽく感じさせないところはさすが。決して派手ではないが、シンプルでそれぞれの曲の印象は強く、センスは秀逸。ヒップ・ホップ以後ってこういうメロディー重視のポップスが少なくなってしまった気がする。
この記事を書くにあたって調べて初めて知ったが、このアルバムが彼らの最大のヒット作品だそうだ。意外だったが、彼らはアルバムチャートでも全米1位は記録してはいないようだ。80年代は出す作品、出す作品、ヒットしまくったイメージがあったけれど。
当時はヒット曲の12インチ・シングルでエクステンデッド(ロング)・ヴァージョンを製作するのが流行っていたが、彼らもその例に漏れず次々とヴァージョンを発表していた。この時期の彼らの12インチは素晴しい出来だったと記憶する。のちに彼らも採用したリミキサーのアーサー・ベイカー(Arthur Baker)登場以後は、元曲を解体して作り替えるのが流行ってしまったため、12インチ・ヴァージョンは玉石混合になり、混とんとした方向に向かってしまうが、当時を知る人間としてはやはり原曲の持ち味を損なわないエクステンデッド・ヴァージョンが多数だった85年位までが一番面白い時期だったように感じるなぁ。
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