戦災を免れ、老舗や古い建築が残る神田の淡路町・須田町(旧・連雀町)界隈。古い建物好きな人にとってはメッカとも言える場所だ。学生の頃にはこの界隈を歩いた事はあったが、今ほど老舗や建物に興味がなく、ほぼ素通りしていた。最近になってわくわくするような場所に変わってきて色々見て歩いたり、お店に入ったりしている。
この「松栄亭」は創業が明治40年(1907)の歴史ある洋食屋。自分の持っている古い本には以前の建物の写真で紹介されているが、現在は小綺麗に建て替えられている。店に入ると厨房前に小さなカウンターはあれど、テーブル席主体のお店。昼時とあってほぼ満員。ちょうどひとつだけ小テーブルが空いていたので案内される。平日でランチを召し上がっていらっしゃる方が多いが、メニューは単品でも注文できる。初めてなので、ここは名物の「洋風かき揚げ」を注文。少し時間がかかるという事なのでビールの小瓶を注文して喉を潤した。大変恐縮だが、背広姿のサラリーマンのみなさんの中で呑むビールは何故か旨い(笑)。
15分程してかき揚げが到着。平皿にこんがり揚がったかなり大きめのかき揚げと刻みキャベツ、トマト。厚みもあるので時間がかかるのに納得。ソース類は何もかかっていない。まずそのままで一口。思ったよりふわっと揚がったかき揚げは中に玉ねぎと豚肉が入っていて、それ自体の味付けは薄め。テーブルに置いてあるウスターソースをかけてもいい。味としては想像通りだったが、これがビールに合う。
さっと食べて店を出ると数人の待ちが出るほどの人気ぶり。創業100年を越すお店が現代でも待ちがでるほど満員っていうのは凄いことだなぁ。(勘定は¥1,350)
東京都千代田区神田淡路町2-8
(松栄亭 しょうえいてい)