ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Handsworth Revolution / Steel Pulse

2014年03月26日 | レゲエ・スカ

Steel_pulse

Handsworth Revolution / Steel Pulse (1978)

イギリスはバーミンガム出身のレゲエ・バンド、スティール・パルス(Steel Pulse)。タイトルのHandsworthとはバーミンガムにある彼らの出身地区の名前だそうだ。アナログはベスト盤を持っていたが、このデビュー作は持っていなかったので購入。アナログで聴いた若かりし頃は、さして強い印象が残った訳ではなかったが、今回聴いたこのデビュー・アルバムは素晴しかった。さすがに名盤として伝えられるだけの事はある。

周知の通り、70年代後半のイギリスは移民の流入による民族間闘争と貧困による失業問題を抱えていて、音楽的にも若者のフラストレーションを反映したパンク・ロック登場の素地となっていた。ジャマイカからの移民のコミュニティーは同地区に暮らす白人の若者達とも互いに影響しあい、時には右寄りのスキンヘッド達と闘い、時には左寄りのパンク達と共闘した。そんな中から、本国ジャマイカからの輸入ではなく、イギリスの地元でルーツ・レゲエのバンドとして登場したのが彼ら。

ヴォーカルもバンドも明らかにボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)に強く影響を受けていて、その声も音楽性もそっくりの実力派。ローカルなバッキンガムの政治問題や民族問題を歌詞にのせて再現している。今の視点だと目新しい方法論ではないかもしれないが、当時はまだボブ・マーリー現役時。素直にリスペクトしていたという事だろう。発表当時、彼らはパンクの連中、ストラングラーズ(The Stranglers)やジェネレーションX(Generation X)ともステージを共にしていたそうだ。一般的にはいまだに「ジャマイカの民族音楽」と間違って捉えられるレゲエの本質の一面とも言うべき「抑圧と反抗」が、本国以外でもストレートに受け継がれている。

中古店にて購入(¥50)

  • CD (1994/1/19)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Universal I.S.
  • コメント (2)
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