ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ボブ・ディラン @名古屋・Zepp Nagoya

2014年04月18日 | ライヴ(日本公演)

ボブ・ディラン (4月17日 名古屋・Zepp Nagoya)

Dylan_2

ボブ・ディラン(Bob Dylan)4年ぶりの来日公演は前回と同会場のZepp Nagoya。昨日のテレヴィジョン公演に続いて2日連続のライヴだ。会場前は入場を待つ長蛇の列。昨日とはえらい違い。中に入るとすでにホール内もけっこうな混雑。ここのキャパシティーは1800人程度とのことなので満員御礼だろう。なぜかホール内にはSEがかかっておらず、静かな、そして変な雰囲気。4年前もそうだったか思い出せないが、もうすぐライヴが始まるっていうのに静まり返っているっていうのもどうかな…。

定刻が過ぎて間もなく、ブザーのような音で公演開始。暗転してメンバーがぞろぞろと登場。ステージには6個の照明がぶら下がっていて、映画でみたことのある昔のヴォードビル・ショーを彷彿とさせるような独特なライティング。そして、御大ディランはいきなりマイク・スタンドの前に。もちろんギターは持っておらず、ヴォーカリストとしての登場。この公演に際して、すでに終了した東京公演や札幌公演の情報は絶っていたのでびっくり。そう、今のディランは「歌いたい気分」なんだな(笑)。相変わらずのダミ声だが、聴きづらいものではなく、艶があり、調子の良さが伝わってくる。相変わらず原曲崩しが顕著なので、歌詞が聴き取れないと何の曲か分かるまでに少し時間がかかる事が多い。ディランを普段からよく聴いている自分でもそうなので、代表曲しか聴いた事のない人は最後までどの曲を歌っていたのか分からなかったんじゃないだろうか。お気に入りの最新アルバム「Tempest」からの曲が多いのは嬉しいな。

ステージ上では月日を経てカドが取れた芳醇な音楽が繰り広げられていく。決してノリノリではないし、決して派手なロックではないけれど、こういう歳のとり方もあるんだなぁ。ミック(Mick Jagger)のような70歳も驚異的だが、相変わらずツアーに明け暮れるディランも驚異的でかっこいい。ただ、ステージ中盤に入るインターミッション(休憩)だけは長過ぎ。照明も点いちゃって、またもやSE無しの25分はスタンディングのライヴにはそぐわない。これだったらきちんとした椅子席のホールの方がいいんじゃないか。興醒めであることはもちろん、実際、観客の中には貧血でぶっ倒れている人もいたし。観客も高齢の方が多いのでつらいぞ、これは。

休憩後、何事もなかったように再開。ディランは時折ピアノに戻るが、おおかたマイク・スタンドの前。歌いたいディラン。途中ピアノで暴走しかけたディランにメンバーが慌てて合わせるような面白い場面もあった。ただ現在のこのバンド、構成は前回来日時と変わらないと思うが(確かめてません)、よく言えば職人っぽくクール、悪く言えば正直あまり楽しそうじゃない。来日中のセットリストも数曲を除いてあまり替えていないようだし、ちょっとマンネリ気味なのかも。その辺のバンドの息遣いまで今日の自分の場所からは見えなかったので、明日の2日目はもう少し前に行ってみよう。

Zepp

<セットリスト> ※不正確かもしれません

01 Things Have Changed
02 She Belongs to Me
03 Beyond Here Lies Nothin'
04 What Good Am I?
05 Working Man's Blues #2
06 Duquesne Whistle
07 Pay in Blood
08 Tangled Up in Blue
09 Love Sick

- Intermission -

10 High Water (For Charley Patton)
11 Simple Twist of Fate
12 Early Roman Kings
13 Forgetful Heart
14 Spirit on the Water
15 Scarlet Town
16 Soon after Midnight
17 Long and Wasted Years

- Encore -

18 All Along the Watchtower
19 Blowin' in the Wind

コメント
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