一般的に「かつ丼」というと豚かつを和出汁で卵とじにしてご飯にのせたもの。しかし岐阜県の東濃地方の各市にはそれぞれ独自のカツ丼文化があり、今でも地元ではお馴染みのメニューとして残っていてとても面白い。以前、瑞浪市で「あんかけかつ丼」を食べたが、その隣、土岐市では「てりかつ丼」が有名(ただし品書きの表記は普通に「かつ丼」となっていることがほとんどのよう)。さほど遠くない距離なのに、旧中山道の峠道を越えて、どうして違うタイプのかつ丼が根付いたのかとても興味深い。
こちらはその土岐市で「てりかつ丼」発祥の店とされている「ちちや」。創業50年以上の歴史があるらしい。看板には「ファミリーレストラン」の文字も。店構えといい、店内の様子といい、「ファミリーレストラン」と名乗った初期の頃の店を思い起こさせ、昭和の香りたっぷり。休日の昼どきだったが、店内は満員の盛況で、座る場所が無いくらい。かろうじて常連のおじさんに相席してもらい、席に着く事が出来た。客層も地元の常連さん、家族連れ、カップル、自分のような他所からの客と様々だ。人気あるんだなァ。もちろんメニューから「かつ丼(てり)」を注文。こちらの店も特に「てりかつ丼」とは名付けず、あくまで「かつ丼(てり)」なのだ。もちろん一般的なかつ丼もあり、そちらは「とじ」と呼ばれている。
しばらくしてかつ丼が運ばれた。丼ぶりのご飯の上に千切りキャベツがのり、その上にたっぷりとてりソースのかかったかつがのっている。さっそくひとくち。かつはもちろん揚げたての熱々で、上にのったソースはかなり濃い色をしているが、丼としてのバランスを崩すほど濃い味ではなく、旨い。どちらかというとデミグラスソースっぽさが強いのだが、ケチャップのような酸味も少しある。ただこの自分の酸味に対する感想と反対の記述(つまり酸味が強い)も見た事があるので、ソースの味にばらつきがあるのだろうか。見かけからもう少し重い感じかなと思っていたので、拍子抜けするほどあっさりといただけた。メニューには中華そばまである。次はぜひオムライスを食べてみたいな。(勘定は¥760)
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岐阜県土岐市泉町久尻32-11
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