ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

鳳明館台町別館 @東京・本郷 (※休館)

2014年12月21日 | 東京都(老舗)

 

今回の上京で初日に宿泊したのは「鳳明館」(明治38年・1905・建造)。でも登録有形文化財に指定されている「本館」ではなく、その向かいにある「台町別館」(昭和27年・1952・建造)だった。実はせっかくならと本館をリクエストしていたのだが、修学旅行生や団体客が予定に入っている時は、台町別館の方になるとのこと。理由を訊いたら「お客様のご迷惑になるので…」。ちょっと残念ではあったが、この台町別館もかなりの建物。もともとは経営者の住宅として建てられたらしいが、常連たちから「宿屋の親父ごときが客よりもいいところに住むとは何事だ」と叱られて宿に改造したのだそう(笑)。ちなみにその時の土建屋の大将は女優の天海祐希の祖父だとか(参考)。

 ↓ 素晴しい中庭(下左)。那智石を敷き詰めた廊下を歩くと、風情ある各部屋の入り口(下右)

 

 ↓ それぞれ部屋が違うらしい。今回泊まった部屋は「呉竹」(下左)。これぞ正調日本の旅館。洗面所の灯り採りの窓(下右)もこんな凝りよう。

 

こちらでは宿泊した翌朝の朝食をいただいた。ちゃんと部屋食。前の晩に伝えておいた時間になると、若い仲居さんが部屋に用意してくれる。湯豆腐、ハム、ポテサラ、海苔、蒲鉾、漬け物、味噌汁、水菓子という内容。ご飯はお櫃に入っている。正直味うんぬんを語る内容ではないけれど、最近はどんな宿泊施設でも「朝食ブッフェ」のところが多いので、部屋で食べると落ち着くなァ(ブッフェで並んで食料を取るのが大嫌いなので…)。古い建物だけあって、風呂、トイレ、洗面は別だし、今の観点からいくと、決して便利な宿とは言えないかもしれないが、近代建築好きには堪えられない贅沢な空間だ。東京に居てこんな歴史ある旅館で朝食を食べられるなんて、ある意味とても贅沢。

 ↓ 土地柄、鳳明館の近辺には歴史的な建物が多い。「郁文堂」(下左・大正12年・1923・建造)と、登録有形文化財の「棚澤書店」(下右・明治38年・1905・建造)

 

 ↓ 以前にも訪れた昭和3年(1928)建築の「万定フルーツパーラー」(下左)。「鳳明館本館」(下右・登録有形文化財)への宿泊は是非次の機会に…

 

鳳明館 台町別館

東京都文京区本郷5-10-5

※令和3年5月より休館しているそうです

 

(ほうめいかん 鳳明館本館 鳳明館森川別館 台町別館 だいまちべっかん)

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