ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Freedom : Atlanta Pop Festival / Jimi Hendrix Experience

2015年10月20日 | クラシック・ロック

Freedom : Atlanta Pop Festival / Jimi Hendrix Experience (2015)

今年になって発売されたジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(Jimi Hendrix Experience)の1970年のアトランタ・ポップ・フェスティヴァル公演を収録したCD。過去には悪名高きアラン・ダグラス制作時代に映像(下左:VHS)が発表され、その後は「Stages」というCDボックス・セットの中の1枚(下右)として発表されていた音源。

 

映像はVHSで所有しているが、暗い画面と混沌としたステージ上で、しかめっ面で時々後ろを振り返り、スタッフに注文をつけているジミの姿ばかりが印象に残り、音楽的にはあまりしっかり心に残らないものだった(それでも当時としては貴重な音源だったのでカセットテープに起こして愛聴したが)。ボックス・セットの1枚としてCDが発表された時も部分収録で、特に目新しい発見は無かったと記憶する。近年ジミの親族に正式に版権が移り、長年の粗製乱造のリリースが整理されるかと思いきや、結局元マネージャー・サイドからの音源等が乱発され、今もってスッキリとしないジミの遺産。なぜ今の段階になってアトランタなのか分からないが、本当に完全版かどうか疑問が残るものの、2枚組の尺で発表されたのは素直にうれしい。

音はずいぶんスッキリとリマスターされているが、マスターの欠損部分については他音源での継ぎ接ぎがあるとの事。以前ならそういう細かいところにも気になっていたが、今は流れさえ改変されていなければあまり気にならなくなった(大人になったなァ)。映像版が今後発表されるのかどうかは知らないが、この音源に関してはやはり映像が無くて正解。明らかに調子の上がらないジミのイライラとした姿を見ずに音だけ聴いていると、絶頂期の勢いこそないものの、十分に楽しめるクオリティだ。当時のフェスなんてステージ上の環境は今と違って無茶苦茶だったろうし、短い活動期間の中でライヴと膨大なレコーディングを繰り返していたジミの疲労度を考えると、やはり超人的と言える。普通なら十分にすごいが、ジミとしたら少々マンネリ化したとも捉えられかねない演奏かも。でもエクスペリエンスとしての衝撃デビューからたった3年なのだ。その活動の濃密さたるや驚愕もの。今のアーティストなんてアルバム1枚作ったら3年以上休むこともあるからね。

この数か月後に亡くなったため、どうしても精彩を欠いた最期の輝きなんて捉えてしまいそうになる。もし彼が27歳という若さで亡くならず、現役活動を続けていたらどういう音楽、どういうライヴをやっていたんだろうと、つい想像してしまう。ところで、この最後の時期ってバンド名を「Experience」と名乗っていたんだっけ?(ステージ上では「Public Saxophone」なんて適当な事を言ってますが…)。それとも「The」が付いていないからバンド名としての扱いじゃないのか。

amazonにて購入(¥1,685)

  • CD (2015/8/28)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Sony Legacy
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