The Aeroplane Flies High / The Smashing Pumpkins (CD+DVD) (2013)
全盛期と言っていい1997年に5枚組EPとして発売されたスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のボックス・セットがデラックス・エディションとなって、DVD付7枚組で収録曲も大幅に増量され(33曲→104曲)再発されたもの。以前のボックス・セット(写真下)は留め金と取っ手付の正方形箱で、自宅のCD棚で大きな場所を取っていて難儀しているが、そちらを処分せずに買い足すんだから始末に負えない(あの邪魔なボックスどうしようか…)。
この時期のスマッシング・パンプキンズは神がかっていて「Mellon Collie and the Infinite Sadness 」という大作にして名作を発表したばかりなのに、上記旧ボックスの多数の未収録曲とカップリングしてシングルを発売したり、ライヴでも長尺を易々とこなしたりと(見てみたかったナ…)、音楽的にピークに達していた事は間違いない。特にビリー・コーガン(Billy Corgan)の創作意欲、表現意欲は物凄く、カヴァー曲を含めた各曲のクオリティも素晴らしい。グランジ(懐かしい響き…)は普段着のヘヴィー・メタルと言っていいと思うが、映像で見ると初期のビリーなんてどうみても「イケてない」いじめられっ子の風貌。それがこの頃になるとスキンヘッドになったこともあって別人格が乗り移ったかのように風格が出ている。当時は(箱から1枚1枚取り出すのが面倒臭いので)5枚のEPを自分でCD-R2枚に詰め込んで聴きまくった。それが拡大版となるのだから買わずにはいられない(といっても値が下がるまで放置したのだが・笑)。
それにしてもまずすごい量だ。聴いて改めてこの時期のバンドの凄さを再認識。104もの曲(ライヴ及びライヴ映像含む)が収録されているのだが、やはりこの時期のスマパンは素晴らしい。もちろんこれだけの曲があると、歌無しの習作のレベルのものや、デモや、混とんとしたライヴ・テイクも入っていて玉石混交ではあるのだが、短期間にどれだけメンバーに「やる気」が充満していて、想像意欲が湧き出ていたのだろうかと驚く(ただプレッシャーも大きかったとみえて、この後メンバーのドラッグ問題などで分裂に向かう)。あまりの物量に聴くのも大変だ。スタジオ録音曲は先の旧ボックスがあったとして、当時ここに収録されているライヴ音源や映像を、抜粋でいいからしっかりした形で発売出来ていれば、もっとすごい評価を得たんじゃないかと想像する。素晴らしい。最近どうもオリジナル・メンバーでの復活に動いているような気配があるが、止めといた方が…。
オークションにて購入(¥2,700)
- CD (2013/8/12)
- Disc : 7
- Format: Box set, CD, CD+DVD, Deluxe Edition, Import
- Label : Virgin Records Us