Talking Book / Stevie Wonder (1972)
スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の70年代は名作連発。この「Talking Book」ももちろん名作の誉れ高い。ニュー・ソウルとして都会的なソウル・ミュージックとファンクが融合した70年代前半は、神童と呼ばれた「リトル・スティーヴィー・ワンダー」から脱却し、ひと皮もふた皮も剥けて大きく飛躍した時代だった。自分はもちろんリアル・タイムでは聴いていないし、持っていたオリジナル・アルバムはこのすぐ後の「Innervisions」だけで、残りは編集盤やベスト盤だったので、その歴史は完全に後追いだが、こうして聴いてみると耳に馴染んだ曲が多いのはさすが。彼の曲って耳当たりがいいからか、昔からCMやラジオ・ジングルなんかに使われることが多く、1「You Are The Sunshine Of My Life 」も、その昔両親が朝に聴いていたFM番組(だったと思う)のジングルで使われて憶えていた曲だった。
彼自身が演奏するフェンダー・ローズ、ホーナー・クラヴィネットやモーグ・シンセサイザー(昔は”ムーグ”って言ってなかったっけ?)の音色が特徴的。時代の音だったこともあるが、一時は古臭い音に聴こえていたものが、90年代くらいになって1周回って”かっこいい音”と認識され、「レア・グルーヴ」なんかの括りで一躍注目された。自分もその頃にハマったので今聴いてもグッとくる大好きな音。このアルバム発売当時スティーヴィー・ワンダーはストーンズ(The Rolling Stones)と全米ツアーを廻っていて、このアルバムにもジェフ・ベック(Jeff Beck)が参加している。どうしてロックの大物との競演が実現したのかは知らないが、6「Superstition」はジェフの為に書かれたのに、結局スティーヴィーが先にリリース、ヒットさせてしまい、ジェフが立腹しただの、お詫びに他の曲を提供しただのと逸話が残っている。
オークションにて購入(¥405)
- CD (2000/3/15)
- Disc : 1
- Format: CD, Import, Original recording remastered
- Label : Motown