岐阜県と滋賀県をまたぐ伊吹山の東の麓、池田町。そちらに4年程前に開業した蕎麦の「雲水」へ。こちらの蕎麦屋は小さな集落の中にある築50年程の古い住宅を改装したとのこと。実は以前にもはるばるここまで来たことがあったのだが、その時はまだ午後1時前だったにも関わらず、売り切れ仕舞いとなって食べることが出来なかった。同じ轍は踏むまいと開店時間に合わせて店に到着。道を挟んだ駐車場にバイクを停め玄関口の暖簾をくぐる。靴を脱いで上がり、畳の間のちゃぶ台の席に案内された。すでに先客が2組程。この後も客が続く人気ぶりは続いている。まずは蕎麦煎餅と急須に入ったお茶が盆にのって供された。注文したのは「ざる(十割)」を大盛で。
しばらくしてざるに盛った蕎麦とつゆの入った徳利、細く刻んだ白ネギと山葵が運ばれる。蕎麦はやや緑がかった色をした細切りで、箸で手繰っただけでしっかりと張りがあることが分かる。それでも十割蕎麦であるようなゴツゴツとした麺肌ではなく、喉越しも良く旨い。つゆはカエシが強めで濃いめの味わい。蕎麦に山葵をちょこんとつけながら、控えめにつゆに浸して啜った。後から小さい桶で運ばれた蕎麦湯はややとろみのあるもの。ここでネギをつゆに入れ、蕎麦湯を注ぐ。小皿に柚子皮が用意してあったのは気が利いている。蕎麦では使わなかったが蕎麦湯に足したりして風味を変えていただいた。(勘定は¥1,100)
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↓ ”岐阜のピラミッド”なんて呼ばれることもある店のすぐ近くの山、金生山(きんしょうざん、正式には”かなぶやま”らしい◇)は石灰の採掘場になっている。後から調べたら展望台もあるようだ(行けばよかった…)。採掘前は200m以上の標高があったらしい。大理石、化石、ベンガラ顔料も採れるらしく、平安時代からここの顔料が使われているのだとか。もしかしてあなたの町のお寺や妓楼建築に使われているベンガラもここのかも。もちろん採掘が進めば将来は消えてしまう山だろう。
岐阜県揖斐郡池田町市橋1634-1
( 池田町 いけだちょう うんすい 蕎麦 そば そばきり 石灰 大理石 鉱山 矢橋 )