ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

A Musical History (5CD+DVD) / The Band

2023年08月14日 | DVD

 

A Musical History (5CD+DVD) / The Band (2005)

お盆前にザ・バンド(The Band)のロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)が亡くなったというニュースが入った。享年80歳。ちょうど彼らの歴史を布張りの豪華な本と5枚のCDと1枚のDVDに収めた集大成「A Musical History」を手に入れて聴いていたところだったので驚いた。うちには長姉か長兄が所有していたアナログのベスト盤(ジャケット写真下左)があるにはあったが全く聴くことはなく、後年になって解散時の映像作品、スコセッシ(Martin Scorsese)監督の「The Last Waltz」から入って、それからオリジナル・アルバムのリマスターCDを集めていったくらいの後追い。

 

以前この作品のエッセンシャルを抜粋した「The Best Of A Musical History」(ジャケット写真上右)を手に入れて聴いていたが、さすがにこの大作までは買ってもあまり聴かないかなと見送っていた。それでも彼らの歴史やディラン(Bob Dylan)との関係を追っているとやはり聴いてみたくなり、安値で見つけたのを購入。

4人のカナダ人と1人の南部アメリカ人が、The Hawksと名乗っていたロニー・ホーキンス(Ronnie Hawkins)やディランのバック・バンド時代から、The Bandと名乗って当時のロック界に大きな衝撃を与えたファースト、セカンドを始めとするオリジナル・アルバムに含まれる代表曲の貴重な別テイク、別ヴァージョン、ディランとの再共演、解散するまでの膨大なカタログから、ライヴ音源を含めて俯瞰しているという決定的な内容。

小中学生時代が70年代のニュー・ウェーヴや、80年代のMTV全盛時代にあった自分としては、彼らのある意味アーシーな感触の音や、哀愁漂うリチャード・マニュエル(Richard Manuel)の独特のファルセットを使ったりするヴォーカルに最初はなかなか馴染めなかった覚えがあるが、それが様々なルーツ音楽を咀嚼した芳醇な音楽として感じられるようになると、あの時代(60年代末)に大きなインパクトを与えた理由がだんだん分かって来るようになる。

6枚目のDVDは彼らの貴重な演奏映像をカラーで紹介。曲数は11曲とちょっと少ないが、自分はザ・バンド単独のカラー映像ってあまりしっかりと観たことがなかったので興味深かった。70年代といえば、かたやグラム・ロックやハード・ロック全盛で、男性ミュージシャンもギラギラにメイク・アップしていた時代。そこに彼らのように姿も衣装も地味過ぎるぐらいのアーティストが大活躍してスタジアムをいっぱいにしていたんだから不思議なもの。

ロビーに関しては、”勝手に「The Last Waltz」という企画を進めてバンドを解散に追い込んだ張本人”という日本の音楽評論家を含む見識を先に読んだりしてしまっていたので、”悪役”のイメージがなかなか拭えずに正当な評価がしにくかったが、ソロ作品等を聴くようになってだんだんそのイメージが払拭されていった感じ。90年代以降は自分の出自がインディアンであることを明かし、それに伴った音楽活動が中心となっていた。彼のようなビッグ・ネームであっても(それ故に?)そういった生い立ちを明らかにするのに抵抗があったんだなと意外に思ったものだ。R.I.P.

ネット・オークションにて購入(¥3,950)

  • Label ‏ : ‎ Capitol
  • ASIN ‏ : ‎ B000B19B6M
  • Disc‏ : ‎ 6

 

 

 Robbie Robertson (1943 - 2023)

 

 

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松栄鮨本店 @愛知県岡崎市

2023年08月14日 | 愛知県(三河・老舗)

以前に何かのきっかけで店の案内を見かけて一度立ち寄ってみたいと思っていた愛知県岡崎市の寿司屋「松栄鮨本店」。店は道幅の広い康生通沿いにある。店頭に人形が置いてあって親しみやすい街の寿司屋といった感じだが、何と戦前の昭和12年(1937)に東京の新橋で創業したのだとか。どういう経緯でこちらに移ったのか知らないが興味深い。暖簾をくぐるとカウンター席とテーブル席が2つ、小上がり席が3つあるが、店が大きいので奥に座敷席もありそう(地下にも?)。”お決まり”を1人前いただこうと思っていたのでテーブル席に腰掛けた。板場には若いのが2人。給仕女性2人。江戸前ということなのでやはり握りをと「並寿司」をお願いした。

程なくして桶に盛られた「並寿司」が運ばれた。寿司種は、鮪(赤身)、ヒラメ、穴子、海老、はまち、サーモンといったところ。並としては上等だ。この価格でイカや玉子や海苔巻きが無いのは珍しいかも。タネは大きめの切り付け、寿司飯はやさしめの味加減。握りはやや軟らかめといったところ。タネと寿司飯が馴染んでいて旨い。もちろん戦前の握りの形とは違うだろうが、最近の握り寿司はシュッとしたのが多くなったので、こういう気取りのない握りもいいものだ。パクパクッと口に放り込んで、熱いお茶を流し込んだ。いちどカウンター席に座って酒と一緒に”お好み”でいただいてみたいナ。(勘定は¥1,500)

 

 


↓ 東康生通にある履物屋「さくらや本店」(建築詳細不明)。街路樹が茂って見づらいが、建物はおたふく窓の渋い看板建築。

 

 


 

 

江戸前 松栄鮨本店

愛知県岡崎市康生通南1-25-25

 

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