The Psychedelic Sounds of The 13th Floor Elevators / The 13th Floor Elevators (1966)
アメリカの60年代ガレージ、サイケデリック・ロックを語る上で外すことの出来ないテキサス出身のザ・サーティーンス・フロアー・エレヴェーターズ(The 13th Floor Elevators)。そのファースト・アルバムがこの1枚。自分が彼らを初めて知ったのはテレヴィジョン(Television)のライヴ・ブートレグ(海賊版)で彼らの「Fire Engine」をカヴァーしていたから。その頃はまだ原曲は知らなかったが、後にパティ・スミス・グループ(Patti Smith)のレニー・ケイ(Lenny Kaye)が1972年に編纂した名コンピ「Nuggets」(ジャケ写真下)や他の色々なサイケデリック系のコンピレーション盤で彼らの音楽に触れるようになった。
このデビュー・アルバムで初めて”サイケデリック”という言葉がロックに用いられたという説もあるらしい(諸説有り)。彼らの特徴といえば何んといってもトミー・ホール(Tommy Hall)がほぼ全ての曲で奏でる”エレクトリック・ジャグ”と言われる不思議な楽器。写真で見ると陶器製の太いボトルの口に息を吹き入れ、側にマイクを仕込んでアンプリファイドしているようだがどうやって使っているのかよく分からない。聞くところによるとボトルの口に向かって唇をブーッと震わせて音を出しているようだが、それがどうしてこんなに変わった音に変換されるのか。バンドのガチャガチャとしたサウンドにその不思議な音と、ロッキー・エリクソン(Roky Erickson)のヴァン・モリソン(Van Morrison)を彷彿とさせる特徴あるダミ声のヴォーカルが重なって、唯一無二のバンド・サウンドになっている。
今回購入した盤は2003年にFuelというレーベルから出された再発盤で、ボーナス・トラックとしてソロモン・バーク(Solomon Burke)の「Everybody Needs Somebody To Love」、キンクス(The Kinks)の「You Really Got Me」、ゼム(Them)の「Gloria」などのカヴァー曲が追加収録されている。もちろん年代的に初期ブリティッシュ・インヴェイジョンに強く影響を受けたからだろうが、それらのヴァージョンを聴いてみても混沌としていて独特。ただ例のエレクトリック・ジャグの音のおかげでどの曲も同じような調子に聴こえてしまうという弊害も…。
オークションにて購入(¥600)
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