White Riot Tour 1977 / The Clash (2007)
オリジナル・ロンドン・パンクの雄ザ・クラッシュ(The Clash)の1977年のライヴ音源。正規盤のような扱いでamazonなんかでも売られているが、レーベル名などからいくと、ほぼ海賊盤(ブートレグ)。どういう経緯で発売されたものかは分からなかった。最近はアーティスト公認だったりするブートレグもあるので難しいが、クラッシュについては公に認めた音源は無いはず(イギー・ポップなどは一時期、海賊音源を認めて正式に許諾したことがある)。彼らの1977年の公式な高音質録音は残っていないのかな…。
1977年と言えば、ロンドン・パンクにとってシンボリックな年で、クラッシュの曲名にもなっている(このアルバムの最後にも収録)。実際は1975年辺りからニューヨーク・パンク勃興の動きがあり、ロンドンではセックス・ピストルズ(The Sex Pistols)が活動を始めているが、1977年になると、実際にピストルズらのライヴを体験した連中が、我も我もとバンドを組み活動を開始する、いわゆるDIY(Do It Yourself)という流れが出来て、雨後の筍の如くパンク・バンドが誕生したのだ。このアルバムには同年5月に行われたイングランド中部・レスターでのライヴ音源が収録されているので、観客の中には、すぐにバンドを始めるであろうパンクスがたくさんいた事だろう。ひょっとして、のちに有名になった若者も居るかもしれない。「タイムマシンがあったら、何時の、誰のライヴを観に行きたいか?」という質問があったら、自分はなんと答えるだろうか。必ず1977年のクラッシュは入るだろうと思う。
このCDに収録されている音は、当然だが良くはないし(それでもこの時期の彼らのブートとしたらかなりイイ)、演奏も上手くはないが、聴くに値しないかというとそうではない。音に出さずにはいられないどうしようもない焦燥感と、ちょっとした名声への色気が充分に感じられ、熱くて迫力ある演奏を聴くことが出来る。痺れるほどかっこいい。ファンは必聴です。ファースト・アルバムに収録された楽曲もアレンジや歌詞が違っていたりと、まだ手探りな状態なのがよく分かる。これ公式に音源を入手してリマスタリングして発売してくれないかな。彼らの魅力のひとつが、ジョー(Joe Strummer)、ミック(Mick Jones)、ポール(Paul Simonon)の3人が(ある意味)それぞれフロントマンである事。それぞれ個性の違うヴォーカルだし(3人とも下手クソだが・笑)、3人ともフォトジェニック。何しろこの頃のクラッシュはカッコイイ。
↓ 同公演のポスター 「at De Montford Hall, Leicester 28th May 1977」
オークションにて購入(¥842)
- CD (2007/4/5)
- Format: Import
- Label:Good Times Music
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