名古屋で鰻(いや”ひつまぶし”か)と言えば「あつた蓬萊軒」。創業は明治6年(1873)。熱田神宮の南にある本店はいつもとんでもない行列で、夏の炎天下でも冬の寒空の下でも関係ない人気店。ここ最近は大陸の人達がかなり多く、大きなトラベルケースを片手に並んでいる人も多かった。そんなこんなで自分は様子見で何度か店前まで来ても引き返すことばかり。大陸からの旅行者がピタッと止まった頃(訪問3月)、店の前をバイクで通ったら開店前の受付開始時間にも関わらず誰も並んでいなかったので、急遽ハンドルを切って引き返しバイクを駐車場に入れた。いつも大忙しだった駐車場警備の方達も手持ち無沙汰といった感じ。さすがに整理番号札を配布する時間になると15人程集まったが、聞こえてくるのは日本語だけになっていた。番号を受け取り営業開始時間に店に戻る。こんな状況になっても給仕の若い女性は沢山。一体何人居ることやら。玄関先で靴を脱ぎ、給仕の女性の案内で部屋に落ち着いた。
庭の見える間に座る客は4組7名。腰を下ろして品書きを眺める。品書きには鰻料理の他にも造り(刺身)、天婦羅、鶏料理などがあった。普段「ひつまぶし」は注文しないが、ここは発祥(※諸説あり)の、しかも本店。1度くらいは本店のものを食べておこうと名物の「ひつまぶし」をお願いした。自分達の後にも店には次々と後客が入ってきている。
20分位待った頃、「ひつまぶし」が運ばれてきた。蓋付きの大きなお櫃、吸物、漬物(白菜漬、守口漬)、出汁、薬味(刻みネギ、刻み海苔、山葵)と勢揃い。お勧めの手順通り、まずはそのままいただく。お櫃からしゃもじで茶碗に取る。照りのあるかば焼きは細かく包丁が入れられている。蓋で蒸された状態になるからか、最初からそうなのか分からないが、ご飯の炊き加減は軟らかめ。鰻の身も軟らかく、地焼きの鰻丼のような食感ではない。次は薬味をかけて。ネギが乾き気味なのが残念だが、これらの薬味が合わない訳はない。次は出汁をかけてお茶漬け風にして。最後は好みの食べ方でって書いてあったが結局あれこれと取り混ぜ、何が何だか分からない風に(笑)。想像通りの味で旨いのに間違いは無いが、鰻それ自体の食べ方としては一番好きな方法とは言えない。自分はやっぱり普通の鰻丼(地焼き)で食べるのが一番好きかな。次は「丼」で。もちろん”お呼ばれ”だったら2つ返事で伺います(笑)。(勘定は¥3,990)
↓ 整理番号札をもらってからの待ち時間を潰す為にすぐ近くの「旧・魚半別邸(洋館)」(大正13年・1924・建造◇)へ。前はボランティアの方々が活動していて中に入ることが出来たけれど今はやっていないのかな。数年前に改修工事をしたようで正面タイル壁の雨だれ等は綺麗に除去されていた。2階の窓枠手すり等は全部塗り直された訳ではないようだ(写真4、5枚目)。
↓ こちらは隣の「旧・料亭魚半」の建物で昭和初期の日本家屋建築(昭和3年・1928・建造)。こちらも閉まったまま。
日本料理 あつた蓬萊軒 (蓬萊軒本店)
愛知県名古屋市熱田区神戸町503
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