第54期囲碁王座戦の5番勝負第1局は10月26日、東京都文京区で打たれ白番の張栩(ちょう・う)王座が挑戦者の山下敬吾棋聖に6目半勝ちした。第2局は11月16日、京都市で打たれる。
<解説:三村智保九段の目>
山下棋聖は対局中に何度か予定変更がありましたが、張王座はそれらをすべてうまくとがめたように思います。山下棋聖に決定的な敗着はありませんが、張王座がすべての面でうまく打ちまわした一局だったといえるでしょう。
<張王座の話>
序盤から少し打ちやすいと思っていました。中央に入ったあたりから「少し面白いかな」と思っていました。
<山下棋聖の話>
序盤からあまりよくありませんでした。自分の攻めが利かないどころか相手から攻められる形となり、どうしようもなかったです。
(日経 e-碁サロンより抜粋)
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韋駄天/張王座が快足で局面をリードし、快勝した内容の碁だったようです。
一方のフルスィング/山下棋聖、張王座の軽快な打ちまわしに、フルスィングする場面がなく逃げ切られた一局のようでした。
まだ始まったばかりの五番勝負、今後の「山張対決」が見ものです。
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今回の対局地は東京都文京区の「フォーシーズンズホテル・椿山荘東京」。都心にありながら見事な庭園で有名です。
15年ほど前の景気のよい頃、勤め先の年末パーティーで椿山荘に行きました。
抽選会の景品で「コードレス電話」が当たったのを覚えていますが、あの頃は福利厚生費も潤沢で企業にとってはいい時代でした。