囲碁名人戦七番勝負の第6局は11月2日から名古屋市で打たれ、白番の挑戦者・高尾紳路本因坊が張栩名人に3目半勝ちし、通算成績4勝2敗で初めて名人位を奪取した。名人と本因坊を併せ持つ名人本因坊は、張名人に続き6人目。張名人は王座、碁聖の二冠に後退した。
<高尾新名人の話>
勝てると思っていなかったので、信じられない。幸運でした。
<張名人の話>
うーん、完敗ですね。形勢判断に甘いところがあった。また頑張ります。
(朝日新聞より抜粋)
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高尾本因坊の強さは本物だった。高尾挑戦者が初の名人位を獲得、坂田栄男、林海峰、石田芳夫、趙治勲、張栩に続く史上6人目の名人本因坊となった。
モニターテレビに映る張栩の様子は、観ている者の胸を打つものがある。負けを自身に納得させる悔しさ悲しさ。二年前に依田紀基から預かった名人位を、今度はライバルといわれる高尾紳路に渡さねばならない。
ともあれ、史上6人目の名人本因坊の誕生に拍手を贈りたい。高尾紳路は名実共に碁界の第一人者になった。
(週刊碁より抜粋)
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「重厚戦車/高尾」の「らしさ」がでた本シリーズのようで、高尾4勝のうちの2局が半目勝ちというのも運とか因縁のようなものを感じます。また七番勝負に向いているともいえそうです。
一方の張栩、本因坊に続き名人も高尾に奪われました。高尾独特のペースに乱されたのでしょうか。苦手意識にはならないでしょうが、今後もライバルとして活躍してほしいものです。
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今回の対局地は愛知県名古屋市中区の名古屋東急ホテル。愛知県は県東部の「三河」と県西部の「尾張」に分かれており、言葉や習慣もかなり違いがあります。
三河人はおだやかで愚直。尾張人は進取の気が強く、行動的だと思います
因みに自分は三河人ですが「調和」が大切だと思ってきました。