第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖(30)と挑戦者、依田紀基九段(42)の第1局は1月14日から札幌市の札幌後楽園ホテルで行われ、先番の山下棋聖が1目半勝ちした。
山下棋聖は中盤、絶妙のハサミツケから中央を止めたのが厚く、下辺の大場に回ってペースをつかんだ。そして左下隅の黒を捨て石にし、白を締め付けたのが好手順で、細かいながらも優位を築き、依田九段の追撃を振り切った。
第2局は1月28、29日、神奈川県平塚市のホテルサンライフガーデンで行われる。
<山下棋聖の話>
途中で形勢がいいかと思ったが、意外に細かく、小ヨセで勝ちを確信した。次も頑張る。
<依田九段の話>
序盤は少し苦しいかと思った。でもそこから一生懸命に打てたので満足している。
(読売新聞より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
昨年末に王座位を張名人に奪われてイマイチ本調子ではない冬将軍:山下棋聖でしたが、本局では依田挑戦者のお株を奪うような捨石作戦でがっちりと勝ち切りました。
一方の初戦を落とした無冠の帝王:依田九段。序盤から長考の連続で本シリーズに賭ける意気込みは並々ならぬ想いがあったようですが、流れをつかみ切れず惜敗でした。
精緻な読み合いと高まる緊張感は、国際棋戦では味わえない二日制の碁ならではの醍醐味だと思います。第2局以降の熱戦に期待しましょう。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は札幌市の札幌後楽園ホテル。本シリーズはは道産子決戦といわれ、第1局は同郷対決になりました。
対局者の山下棋聖(旭川市)、依田九段(岩見沢市)。立会いの小林光一九段(旭川市)、新聞解説の宮沢吾朗九段(帯広市)と道内の棋士が揃いました。
NHK/BS2で本局を放送していましたが、その中で宮沢吾朗九段が登場しました。
宮沢九段と云えば、その激しい棋風で「武闘派」と呼ばれ活躍していました。
久しぶりに拝見しましたが、今年還暦ということで年相応になったという印象でしたね。
最近はやや鳴りをひそめているようですが、あの100%戦闘モードの激戦を再現してほしいものです。