坂井秀至碁聖(38)に羽根直樹九段(34)が初挑戦する第36期碁聖戦5番勝負の第1局は6月23日、大阪市中央区の関西棋院で打たれ、坂井碁聖が白番中押し勝ちし、初防衛に向けて幸先よいスタートを切った。
第2局は7月10日、新潟県長岡市の長岡グランドホテルで行われる。
<坂井碁聖の話>
序盤で打ちにくくした。左辺への勝負手にも自然に対応され、苦戦を強いられた。運良く逆転できたが反省の多い碁だった。
<羽根九段の話>
打ちやすくなり、安全に行こうと思っていたが、(自分の石が)危なくなっているという危機感が足りなかった。
(共同通信より抜粋)
「坂井好発進、ホームで羽根に先勝!」、「羽根、攻勢一転 大石トン死」
(週刊碁見出しより)
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先勝の坂井碁聖、中盤まで苦しい展開でしたが、勝負手からの反撃が功を奏して逆転の一局のようでした。
好局を落とした羽根九段は、本因坊戦七番勝負など他棋戦でもフル回転、その疲れもあるのでしょうか。
この両者、棋風はしっかりした足取りの本格派。小技の対決かと思っていましたが、本局は羽根九段の油断が勝負の決め手となりました。敗者としてはあまり残してほしくない棋譜でしょうね。
本シリーズは「関西」対「中部」の対戦。今までは東京中心でしたが、今後は東京・中部・関西とタイトル戦も分散の気運です。
互いに競い合って盛り上がれば囲碁ファンも納得ですね。