第36期名人戦挑戦手合七番勝負第6局が10月27日、28日に静岡県伊豆市で行われた。結果は白番の山下本因坊が3目半勝ちをおさめ、シリーズ成績4勝2敗で名人位を奪取した。山下は初の名人就位。井山の3連覇は成らなかった。
難解な戦いに終始したシリーズは山下名人誕生で幕を閉じた。真っ向から戦い続けた井山「山下の土俵」に敢然と立ち向かったが惜しくも敗退。新名人に輝いた山下「持っている力は全部出し切れたと思う」。
(日本棋院HPより抜粋)
「山下名人本因坊、史上7人目の快挙」 「激戦の果て井山力尽く」
(週刊碁見出しより)
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激戦を制し初の名人位についた山下本因坊。史上7人目となる名人・本因坊ですが勝負師の雰囲気が漂い、より存在感がアップしたようです。
名人位3連覇を断たれた井山前名人。ガチンコ勝負に力みがあったのでしょうか。
本シリーズは序盤から乱戦、難解な碁が続き、形・筋などを重視する日本的な棋風から、中・韓の「戦い中心のスタイル」に変貌してきたように感じました。
ザル碁党には理解できない内容が多かったのですが、スジ悪と思われるゴツイ手も結構見られましたね。
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今回の対局地は静岡県伊豆市「鬼の栖(すみか)」。名人戦では何度も対局されています。
宿の名は、瀬戸内晴美(寂聴)が1960年代に発表した小説「鬼の栖」にちなんでいるそうです。
本シリーズの対局地、第1局目から第3局までは東京、京都、青森・弘前で、第4局から第6局は下田、熱海、伊豆市と静岡県で3局が行われました。都心からも近く、温暖な気候が適しているのでしょうね。