自分自身の力不足が原因なのはわかっているが、不肖コロ健、医学の研鑽、勉強のために海外に出るようになったのは四十を過ぎてからと遅い。専門が決まったのもその頃であり、その分野での学問上の友人はまだ数えるほどしかいない。
国際学会に出ていつも思うのは、日本がいかに世界から孤立しているかということだ。これは欧米の学会でも、アジアの学会でも感じることだ。言葉の問題もあるが、とにかく海外に出て、学問をしてみないとなにもわからない。
若いうちに外に出て行こうにも、なかなかできない。一生懸命勉強して医学部に入るまではいいが、そこで多くの医学生は勉強しなくなくなる。国家試験に受かりさえすればいいという医学生は少なくない。だから、国試に受かってしまえばそこまで。同世代のサラリーマンより少し良い給料のため、自分の時間を稼ぎに割いて終わってしまう。
その気になってもすぐに海外に飛び出すことができないようになっている日本固有の医局制度、医師養成制度にも問題がある。
いずれにしても、留学する若者が減っているのはわが国にとって残念なことである。
私自身、こういったことを理由にして生きていることも、とても残念である。