ビートたけしという人は、昔からすごい人だと思っている。お笑い芸人としても映画監督としても、俳優としてもそれぞれ一流だと思う。
昨日の朝は、やっぱりそれなりに緊張していたのだろう、5時過ぎには目が覚めてしまった。それと、ホテルということもあったのかもしれない。今日の出番は10時なので、もう一寝入りしようと思ったができなかった。発表スライドの手直しをしていなかったことを思い出して、少し手を入れたあと、気を紛らわそうとテレビをつけた。
そうしたら、NHKで落語を演っていた(桂文珍の演芸図鑑)。その落顔はすでに下げのところで、すぐに終わった。それに引き続いて桂文珍とビートたけしの対談が始まった。
ベッドの上でゴロゴロしながらみていたら、多芸であることを文珍に持ち上がれられたところで、たけしが「どれも、それなりにできるけど、それぞれ一流の人にはかなわない」みたいなことを言っていた。こういう、謙虚なところがこの人の人気に秘密だろうと思いながら話を聞いていた。
番組の終わりのところで、たけしが「何度演っても、その都度緊張するしね。何度うまくやっても、一度失敗したら、そのことずっと覚えているし。」と言っていた(少々寝ぼけていたので正確ではないかもしれません)。
私が、専門分野の話で講演だのに呼ばれるようになったのが、10年ほど前。多くの先輩の先生に引き立ててもらって、身の程以上のことをさせてもらって、現在に至っている。大した数をこなしてきたわけではないが、年に数度はやっていた。今回の講習会の講師も、内容は若干異なるが、何度目かになる。でも、やっぱり胃が痛くなってしまったりするのは、一体なんなんだろうと思っていた。
ところが、ふと観たテレビ番組で、ビートたけしが同じようなことを話しているのを聞いてなんだかホッとした。自分のことを脇に置いて考えたら、たけしのこの言葉というのは、これまた謙虚で、真面目な言葉として受け止めるだろう。とすれば、私もそれなりに、真摯に向き合ったら緊張するのも恥ずかしいことではないのだと。
会場について、今日話す別の講師の先生に、「いやあ、今朝は5時過ぎに目がめちゃいましたよー」と言ったら、「私もです」と返された。
たけしだけではなく、誰でも同じようなものなのか。
それにしても、日曜朝5時15分からこういう番組をやってしまうというのが、NHKのすごいところだと思う。ふとつけたテレビのチャンネルが、あのウサインボルトがついに3位に終わった100メートルの中継をしていた世界陸上でなくてよかった。
無事終わりました