こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

悪いことは重なるもので、最後には

2017年08月20日 | いじめ飲酒とタバコとギャンブル

夏の暑さが懐かしいと思いながらも、昨夜の大雨のおかげで気温が下がって涼しくなってよかったと喜んでいる自分がいる。
犬の散歩で近所をぐるっと一回りしてから、出かけた。今日は研究会議のため名古屋に出張だ。

と、ここまでは調子良かったのだけど、それはここまで。

そもそも出かける時、私は随分不機嫌そうな顔をしていたらしくて、妻に「そんな顔で行ったりしたら、周りの人に嫌われちゃうわよ!」とたしなめられた。

これはまずいと、作り笑いでもいいだろうと笑顔を作りながら出かけることにした。

ところが、駅に着いて、おとといネットで予約した切符を受け取ろうとしたら、券売機からは帰りの切符しか出てこない。一体どうしたことかと、確認のメールを読み直したら、なんとネットでは一昨日の切符を予約していた。
なんということだ。名古屋までの新幹線代を無駄にしてしまった。乗らなかったので、乗車券代は引かれずに済んだ。まあ、こういうこともあるし、タバコ10日分程度(400円×1.3×10)だと思えば、タバコをやめた分をこちらに払ったと考えたらあまり気にならない。それに今日の帰りの切符はある。まるまる往復分を無駄にしたのではないので良しとしよう。
それにしても、ネットでの予約をし損ねるなんて、少し前までは考えられなかったような失敗だ。

色々と細かいミスが増えている。歳のせいだとは思いたくないけど、無理は禁物だとは思う。

会議は無事に終わり、他の先生方とも和やかにお話ができた。本来業務はオーケーだったということで、まあ、良かったといえば良かった。

のだけど、そのあとも若干、ミスしてしまった。

会議は、名古屋城の近くであったので、少しだ時間が余ったので、名古屋城を見て帰ろうと思って近づいたら、入り口がある方とは逆に回ってしまった。

途中で、お堀を越えることのできるところはなくて、広いお城をぐるっと回ることに。炎天下の名古屋、5分の4周してやっと正面入り口にたどり着いたけど、その時はすでに汗だく。新幹線の時間も迫ってきて、城内見物は諦め、地下鉄で名古屋駅に向かった。

ここまでは、まずまずの運の悪さだったのだが、このあととどめを刺された。

少しでも早い列車で帰ろうと、座席の変更をした。

運よく、座席が見つかって変更した。普段なら、窓口でするのだけど、自動でできるシステムがあるというので、それを使って自分でやってみることにしたのが運の尽きだった。

乗ってみると、車両内が茶色っぽくで、心なしかネトネトしている。それに、タバコの匂いがひどい。喫煙デッキが近いのか。ビジネスホテルの禁煙フロアに泊まったはずだったのに、隣の部屋からタバコの匂いが漏れてくるような、そんな気分だ。

不思議に思いながら網棚に荷物を置いていたら、後ろの座席のおっさんがうまそうにタバコをプカーッと吸っている。そして、網棚の上には空気清浄機がある。一体、どういうことだ?この車両は一体なんなのだ?

車内を見回すと特に、このおっさんが悪いことをしているという風はない。みんな普通にしている。

背もたれの案内表示をみると、私が乗った15号車には禁煙マークが書かれていない。おかしいと思って切符を見たら喫煙マークが書いてある。

間違えて、喫煙車両の座席に変更してしまったようだ。

灰皿も無いのに、どうやって吸うのだろうと思ったら、しっかり肘掛のところについていた。そうだった、喫煙車両ってこうだった。まだ、ニコチン中毒だった十数年前にタイムトリップした気になった。

この記事を書きながら、乗っている喫煙車両内を見渡すと、子供がいないのでとても静かだ。車内はうっすらとかすみ、時折、のろしのようにタバコの煙が立ち上る。

目はしょぼしょぼするし、喉は痛い、頭痛もする。髪の毛の一本一本にタールが染み込んでくるのがわかる。新幹線を降りた頃には完全にスモーカーの体臭だ。お土産の袋に匂いがつかないで欲しいのだが、無理だろう。副流煙の害がよくわかる。

そういえば、タバコを吸っていた頃、私は喫煙車両に座っていた。昔はもっと喫煙車両も多かった(その後、喫煙デッキに近い禁煙車両を選ぶようにした)。そこでちょうど、今日の私のように間違えて喫煙車両に乗ってしまった初老の女性がいたのを思い出した。見るからに、間違えて乗ってしまったという風で、今思えば気の毒だったけど、その時は「そんな顔したって、こっちは喫煙車両をわざわざ選んで座っているんですから遠慮せずにタバコを吸いますね」という感じで、ぷかぷかやっていた。その時のバチが今頃になって当たったというわけでは無いだろうが、因果応報という気分はする。確か、彼女は車掌に交渉して禁煙車両に空席を見つけてもらって移動したはずだったが、お盆休暇の終わりの日曜の上りの新幹線で混んでいるというのと、タバコが非喫煙者にとってどれほど暴力的でひどい代物であるかを思い知ろうと、私はこのまま乗り続けることにした。

ちょうど、名古屋で乗ってから一時間近く経ったところで、多くの人がニコチン切れになってきたようで、タバコに火を点ける人が増えてきた。煙がモウモウと立ち込める居酒屋を思い出す。みんなお互いに辛いだろうに、中毒症状がすぐに、いつでも緩和できることを確保することの方が、最優先事項となっている。

ニコチン中毒に一度なると、完全離脱は無理だ。今でも中毒の再発が怖いと思うことがある。でも、今日のこれでは喫煙者に戻ろうという気には到底ならないので、これはこれでよかったのかもしれない。

あとは、網棚に載せたお土産を忘れずに降り、無事家までたどり着けたらそれで上出来としよう。

これを苦行というべきか

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