ストーカーとかDV、変態としか言いようのない性犯罪、酒を飲ませての集団での強姦。そんな悲惨なことがほぼ毎日報道されている。
そんな日々にうんざりしていたある日、ふと、「男は狼なのよ、気をつけなさい」という昔聴いた歌の歌詞が頭に浮かんだ。たしか、ピンクレディーの”S・O・S”ではなかったかとネットで調べてみたらやはりそうだった。今も昔も男なんてそんなものだよなー、などと思いながらその歌詞を読んでみたらなんとなく思っていたほどではない。男は狼、確かにそうだけど、この歌にある男と女は正々堂々と駆け引きをしている。だから、女性だからといって油断しないでそれなりにガードしなさいよ、気をつけなさいよ、と忠告している。そう、昔(もう40年前!!!)はこんなだった。
こんな歌詞でも過激だなんだと叩かれたほどだったのに、最近の出来事はもうそんなこと、はるかに超えちゃっている。狂っているとしか言えないような犯罪が普通の人によってなされている。昔も、変態はいたけれど、それはごく限られた、”好事家”と呼ばれるような人たちが密かに行なっていた狭い世界でのことだった。そういったことは封印されていたのだ。ところがそれが、技術革新と共にそういった人たちの性癖が世に知られるようになり、やがて一般化されてきた。確かに、川端康成とか谷崎潤一郎などの、”文豪”と言われる人たちの作品の中で描かれていることのエッセンスが抽出され、映像化されたのがアダルトビデオのようにみえる。そして現代ではそれを見るのに飽き足らず、実際に行動に移す、”普段普通にしている普通にみえる”人たちがだ。
インターネットの発達で、以前は紙媒体(エロ本)でしか表現されていなかったことが、映像情報として誰でも閲覧が可能となっている。刺激が強いからといって見ることが憚られていた、すなわち封印されてきたことが解き放たれたことに対して、個々人の良識以外にはどこにも歯止めはない。
色々な事件の報道を見聞きすると、情報技術の発達に伴って人間の欲望がどんどんむき出しになってきている。新しい技術を悪用するのは、世の常ではあるけれど、私もそういったことを理解するのが難しい世代に入ってきたような気がする。
今日もまた 誰か乙女のピンチ