こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

何処からかのセミの声

2020年08月07日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
もう立秋。
外出制限のため、職場との往復とプラスα程度の毎日だから、時間の経つのが猛烈に早い。私の場合、父の葬儀やら納骨があったので、区切りのようなものはあったが、それでも(まだ慣れない)感染防止対策を行いながらだったから、慌ただしくすぎた。この夏、Stay homeキャンペーンからGo toキャンペーンに舵が切られ、思い出を作ることができるようになったので時間の経過は少しゆっくりになるかもしれないが、引き換えに感染のコントロールはつかなくなった。各人は自己防衛するしかない。

長かった梅雨のせいで咲く時期を逸していた百日紅が、突然やってきた猛暑に腰を抜かして慌てて咲き出している。人間も同じで、熱中症で運ばれている人がずいぶん増えている。前門の虎後門の狼。天気予報でもこれからお彼岸までは暑い日が続くとのこと。水分補給は欠かせない。少し早めに目が覚めたので窓を開けると蝉時雨。秋の虫の大合唱も加わって大変な騒ぎで、鳥たちの朝の会話もかき消されるほどで可笑しくなる。短い夏、彼らもここを先途と必死に頑張っているのに違いない。
この2ヶ月、夕焼けを見ることがほとんどなく、日が短くなるのを実感することがなかったせいもあるからか、日が暮れるのがいつのまにか早くなっているのにも驚く。病理診断科の部屋は行燈部屋で窓がないから、一旦部屋にこもってしまうと何か用があって医局に行く時に窓越しに空の明るさを見る以外に、時間の変化を体感することもできないので余計にそうなのだろう。

ところで、そんな病理診断科の部屋にこもって独り顕微鏡をのぞいていると何処からともなくセミの声が聞こえてくる。いったいどうしたことだろうと周りを探しても、もちろんセミはいない。声の聞こえ方も多数のセミがひっきりなしにかわるがわる鳴いている感じで、1匹2匹が部屋に飛び込んできてびっくりするほど大きな声で鳴いているというようなものではもちろんない。そもそも蝉時雨とはいえ、何重もの扉を突破してその声を私に届けてくれるようなことはありえない。一体どこから聞こえてくるのだろう。

マイナス80度のディープフリーザーとか、自動免疫染色装置の音が重なってそんなふうに聞こえているのだろうと思うし、まあ単なる耳鳴りかもしれない。朝から晩まで一人で仕事をしているからおかしな音が聞こえてくるのかもしれないので、こまめに休憩をとってーーー1時間に1度は立ち上がって伸びをするとかーーー煮詰まることのないよう気をつけたい。

今年の百日紅は長そう

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