インターネットのおかげで大量の情報が世界中を行き交うようになって、すべてを隠せるわけでもないのに、国や地域によっては圧政としか言いようのないことが相変わらず起こっているのが恐ろしい。それぞれの情報の信憑性がどれほどのものか、どの程度の客観性が担保されているかまでは、発信しているマスメディアの立場もあるので厳密な判断は難しい。ただ、それぞれの事例について(NHKが報道している内容を鵜呑みして)思いを馳せると、地獄のような現実に、暗澹たる気持ちになる。
議会制民主主義制度が担保されている国というのが少ないのかと考えると、日本という国はつくづく自由で平和な国だ。どれだけ政権批判の悪口を言ったところで罰せられることはない。現政権が長期政権となってやりたい放題となっているのも、そもそもは政権初期の段階で確立された人気のせいだし、総選挙はちゃんとやっているし、それに野党の離合集散が塩を送っただけのことだ。そうこうするうち、モリカケをはじめとする諸問題の温床ができてしまったが、国民一人一人が政治に関心を持って、政治家に緊張感をあたえていたらこれほどのことにはならなかっただろう。
8月15日が近づいてきて、テレビでは戦争関連の番組が増えてきた。毎年こうして悲惨な戦争の記憶を残そうというのはいいことだ。戦争記憶が、敗戦の記憶となってしまわないかが心配だ。空襲、沖縄戦、原爆、それらを招いたのが、この国の事情だけではないとしても開戦以外に道はなかったのかという検証番組がもっとあっていいように思う。なぜ、日中戦争を行なったのか、太平洋戦争がなぜ起きたのかを、私は戦争に負けたという事実ほどはよくわかっていない。そもそも戦争に勝ち負けなどない。勝とうが負けようが、双方に戦没者は出るし、その人には家族がいる。どちらにいようが、ひとたび戦争が起こったらその被害者はあっという間に莫大な数となる。
圧政により自由を失うこと、戦争に駆り出され殺し合いをすること。何がそうさせるのか、ということを考えなくてはいけない。圧政は必ず悪いことなのか、戦争の大義とは何か。自由とか平和とか、当たり前のようにしてあることだけど守っていかなくてはいけない。そして、そんなことエライ人に任せておけばいいという問題でもない。そして未だ誰も答えは持っていないのだから、そのことを考えるのにプロも素人もない。ただ、ぼんやりしてなにも考えないということがよくないことは確かだ。
お盆にすべきこと