こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

未来のため、男は既得権益を手放さねばならない

2020年08月16日 | 日本のこと、世界のこと
医局にいると女性医師が4割ぐらいいるように感じるようになって久しい。女性医師が増えたからで、違和感は感じない。そもそも、朝晩の通勤電車でだって女性がそのぐらい乗っている。でも中年あたりになるとその割合は下がってしまう。

少子高齢化の原因の一つとして、出産子育てによる女性の離職リスクがあげられる。30〜40歳あたりの4、5年の離職を同期の男性が優位に使うことで、男女間で昇進のスピードに差が生じることがわかっているため、仕事か子供かはたまた結婚含め、どれも比較のしようのないことなのに天秤にかけられ、女性のライフワークバランスが崩れる。
たったの4、5年がその人の職能にどれほどの影響を及ぼすというのか。
今回の半沢直樹シリーズ、前半は”ロスジェネの逆襲”だそうだが、そんなこといったら女性はいつまでもロスジェネで、その倍返しの結果が、男性の生涯未婚率の著しい増加なのだとしたら皮肉なものだ(2015年 男性23%、女性14%)。聡明な女性の大多数はあきらめて、社会の表舞台から身を引く。これも大変な社会的損失だ。

以前このブログに、男のせっかくのアドバンテージを手放すなんて馬鹿げたことして何になるというようなコメントがきたことがあったが、その人はいまでもそう考えているのだろうか。結局この国は良くならないでいる。まずは代議士の4分の1は女性分として確保しておくのがいいのではないか。男女差別というなら、男性分としても4分の1取っておけばいい。残りは男女自由競争。これでどうだろう。
もちろん、LGBTのことは問題になるが、今のところ有効な解決策はないので、まずは男か女のどちらかで届け出てもらうしかない。それとも、それ以外というに1割ぐらい議席数を割くのもいいかもしれない。

ギャートルズの母ちゃんはいつも乳飲み子を抱えていた。今の時代だって当然、そうして仕事をしたらいい。外で狩猟をしているわけではない、赤ん坊が足手まといになることはないのだ。赤ん坊の声はうるさいものだという認識を変えなくてはいけない。小児科病棟など子供の声で溢れかえっているが、小児科医はそんなところで高度な頭脳労働をおこなっているのだから問題はないはずだ。

男が当たり前だと思ってきた社会システムが破たんをしつつあることに気がつく必要がある。男社会というものが、実は矛盾に満ちた存在だということを認め、既得権益と考えているものが実は社会にとって損失であることを知るべきだ。そして、社会の表舞台から消えている、真に聡明な女性に出てきてもらわなくてはいけない。
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